『ありさ 土蔵の濡れ人形  第二章』
 
                    Shyrock:作

第八話「緊縛騎乗位のありさ」

 女悦丸の効き目は覿面で、初心なありさがあろうことか自ら腰を揺らしている。
九左衛門の肉棒に擦りつけて、痒みを癒してくれるツボを夢中で探していた。
前後に動けば中がかき回される感じで、上下に動かせば敏感な箇所に当たりかなり刺
激される。

 まるでぜんまい仕掛けの人形のように、一度動きだすと止まらなくなってしまった。
一見快楽をむさぼり腰を動かしているように見えるが、ありさにそんな意図など毛頭
なく、唯々激しい痒みを鎮めたい一心であった。

 ただ皮肉なことに、ツボを探し当てると掻痒感が薄らぐのだが、それに代わって猛
烈な快感がありさを襲うのだった。
悩ましく腰をくねらせるありさの尋常ではない姿に、九左衛門は満足げに目を細めて
見つめている。

 「そんなに気持ちええんか?」
「あっ……あっ……だんさん……痒いところが……擦れて……あっ……ああっ……!」

 騎乗位は女性自身が自ら腰を動かすことのできる体位である。
九左衛門はそれを承知であえて騎乗位に移行し、ありさを自由に泳がせ、我が肉棒に
擦りつけてくる艶やかな姿を観察しようとしたのであった。
そうとは知らないありさは、まんまと九左衛門の策に填まり、痒みを癒すためひたす
ら腰を揺らすのであった。

 「痒い所をしっかりと擦ったらええ。しっかり腰を振ってな」
「んんっ……ぅあ……はぁ……んっ」

 九左衛門はありさの艶姿を見上げた。
揺れる乳房、肌を伝う汗、自分の上でうごめく緊縛少女の姿は美しい。
しかも二人が繋がっている部分が首を少しかしげるだけ見えるのが欲情をそそられる。

 九左衛門は空いている手をほかの体位と違って男性にとっては腰を使わない分、愛
撫に手が回せる。
左手で小ぶりな乳房を包み込むように揉み、右手は肉芽を摘まみ指先でクリクリと突
きありさの快感をさらに押し上げた。

 「そ、そ、そんなことしたら困ります!んっんっあっあっ……!」

 九左衛門の手を払い除けたくても、後手に縛られているためそれができない。
ありさは貫かれている肉棒を軸にして、上下に、前後に、時にはぐりぐりと腰を回転
させた。

 「おお、ええ音してるやないか。おまえも聞いてみい」

 耳を澄ませばヌチュヌチュという卑猥な水音が聞こえるのだろうが、今のありさに
それをじっくりと聞く余裕はなかった。
ありさの身体は炎のように熱くなっていた。
奥深くをえぐる凶暴な肉棒は、ありさが速度や挿入の深さを変えても容赦なく熱を与
えて上り詰めさせようとする。

 「うっ……あかん……わしもイキそうになってきた……こんなすぐにイキそうにな
るやなんて情けない」
「あぁ、はぁ……ぅあ……」
「長いこと男やってるのに、なんちゅうこっちゃ」

 昔から『名器の女はたとえ熟練の猛者でも早漏にしてしまう』と言われている。
やはりありさの秘所は『たこつぼ』なのかも知れない。
ありさは腰の動きを速めた。

 吐息がいっそう激しくなっていく。
肉棒を一番気持ちよいところに擦りつけて一気に駆け上る。
身体中を快感が駆け巡って上り詰め、頭の中が真っ白になってしまう。

 「あ…………あぁ…………………」

 九左衛門は腰を浮かした。
そうしてありさの尻を掴んで浮かしたまま固定し、下から猛然と突いた。
「あぁっ、いやぁ~~~~~~~~!」

 何度も最奥を穿たれて、ありさは髪を振り乱して泣き叫ぶ。
ありさの泣き声が静かな土蔵内にこだまし静寂を突き破る。
「好きなだけ泣き喚け。ここでなんぼ大声出しても絶対に外には聞こえへんからな」

 九左衛門は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、腰をがんがん打ちつける。
快感に支配されありさは身体を震わせた。
絶頂に達し快感が背筋から脳天まで貫いている間にも、新しい快感が次から次へとあ
りさを襲う。

 ついには言葉にならない言葉を発し唇をわなわなと震わせる。
蜜壺からはじゅぶじゅぶと水音が響き、身体ばかりか心までが犯されていく。

 「はぅっ、ううぐっ、ふはぁ……んぐっ……」

 腰を掴んでいる九左衛門の手に突然力がこもった。
九左衛門の動きが慌ただしくなっている。
数回目の絶頂を体感し身体が痺れ始め、ありさは嬌声を上げながら背中を弓のように
反らした。

 「くぁぁぁぁっ……ううんぐっ……ひぃっ……んんあっ……!」

 次の瞬間、九左衛門がくぐもった声で呻いた。
熱い肉棒からさらに大量の迸りを奥深くに流し込まれ、ありさは身体をピクピクと痙
攣させた。

 身体中を巡っていた快感が抜けていき、代わって脱力感が訪れた。
息を整えようと深く呼吸を繰り返すが、息が上がってしまって呼吸は整わず身体は弛
緩していて力が入らない。

 「ぐふふふ、初めてイッたみたいやな」
「はぁはぁはぁ……し、知りません……」

 九左衛門はありさに唇を重ねてきたが、もう逃げる気力が残っていなかった。
「ふふふ、ありさ、おまえはまだ小娘やけど将来ええ女になるで」
「……」
「せや、ありさ、この葉っぱ知っとるか?」

 九左衛門は小箱からスペードのような形をした緑色の葉を取り出した。 
「この葉っぱはな、ドクダミ言うんや。痒みに効くんやで」
「そうなんですか?」
「もっぺん足広げてみ?」

 ありさは恐る恐る足を広げた。
九左衛門が葉を絞るとわずかだが緑色の汁が垂れた。
その汁を指に着けてありさの秘所に塗り始める。

 「今晩、かゆうて(痒くて)寝れんかったら、明日の仕事に差し支えるさかいな。
ははははは」
「……」

 恥丘から陰唇にかけて、さらには膣内や陰核まで隈なく塗り込めた。
当然のことながら自身のイチブツにも塗ることを怠らない。
ドクダミの汁を塗られた後、不思議なことに痒みがかなり緩和されたように感じるあ
りさであった。

 この時、ありさは九左衛門の意外な一面を垣間見たような気がした。

 
                

   この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました