『ありさ 土蔵の濡れ人形  第二章』
 
                    Shyrock:作

第六話「極太の張形」

 張形の長さは五寸程度と至って平凡だが、太さが通常の男根よりも一回り以上は優
に太くありさに恐怖感を与えるには十分であった。
初心なありさであっても、九左衛門の男根を散々見せつけられて、ある程度は分かっ
ている。

 しかし九左衛門のそれよりも明らかに太いのだ。
「太うてびっくりしたか?エへへへへへ。この太いのんで、かい(痒い)とこを擦っ
たるから安心しい」
「いや……いやです……!そんな恐ろしいもの嫌です!」

 「ほんならほっといて(放っといて)ええんやな?」
「はううっ……うううっ…あっ、熱い……ああっ……痒い……助けてください!」
「どっちやねん。張形は恐い言うし、そのくせ助けてくれと言うし。はっきりせんか
い」

 恐怖感と掻痒感がありさの中を錯綜し、ありさ自身混乱を来していた。
媚薬の女悦丸を塗り込められた秘所が、恐ろしい責め苦となって襲い掛かってきて、
ありさはいよいよ進退窮まって狂うような身悶えを続けていた。

 「ぐふふふふ、何をして欲しいか、はっきり自分の口で言うまで、何もせんからな」
「ひぃ!そんな!」
九左衛門は冷酷な微笑を浮かべる。

 それに対してありさは、あまりの痒みの辛さに、嗚咽混じりの苦悶に声を出し続け
るのであった。
「だんさん、お願いです……もう、ゆる……許してください……」

 ありさは上下に開かされている足を必死に捩らせながら哀願した。
もう何度、九左衛門に救済を求めただろう。
一瞬も我慢できないような痒みなのだ。
それなのにもうかなりの時間放置されている。

「どうや、辛いか、ありさ。よその若旦那と遊んだ罰(ばち)や」
「してません……何もしてません……あぁ、辛い……」

 ありさは唇をわなわなと震わせながら訴えた。
秘所の内外にべったり塗られた女悦丸は、ますます効果を拡大して、腰骨まで疼くほ
どの痒みをありさに与える。

 それだけでなく、まるで身体全体が性感帯になったかのような熱い恍惚感が身体を
蕩けさせていた。
あまりの仕打ちに、瞳は虚ろになり、額からは玉のような汗を滲ませていた。

 九左衛門は痒い場所への張形挿入をわざと焦らし、そればかりか張形の表面に女悦
丸をたっぷりと塗りつけた。
「ぐひひ、これははよ欲しいか」
「あぁ、その薬はもう……これ以上……塗らないでください……もう耐えられない…
…」
「ここがかい(痒い)んか?」

 九左衛門は肉芽を指で軽く摘まんだ。
「ひぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~~!」
指先で肉豆を擦ると、この世のものとは思えないほど激しい声で吠えまくるありさ。
まるで盛りのついた獣のようであった。

 続いて肉壷に指を挿しこんだ。
「ああっ!あぁぁぁぁぁぁっ!そこが!そこが痒いんです!」
ありさはなりふり構わず喚いた。

 激しい痒みが九左衛門の指で少しだけ和らぐのは、快感というにはまだ言葉が足り
ないほどの気持ちよさだった。
ありさは九左衛門の指に不本意ながら、熱っぽい喘ぎを止められなくなった。

 無意識のうちにありさは自ら腰を動かし、さらに強い刺激を求め、九左衛門の指に
股間を押しつけるようにしていた。
それに気がついて、はっとして顔を赤く染めてしまうありさ。

 「あんまり焦らしても可哀想やから、ぼちぼち、これを食べさせたろか?食べさせ
たる代わりにわしに一言頼むんや」
「何を…ですか!?」
「簡単なこっちゃ」

 九左衛門はありさの耳に唇を当て何やらささやいた。
「そんな恥ずかしいこと……」
「言わんと、ずっとかい(痒い)ままやで」
「言います、言います!」
「ほな、言い」
「張形を……おそそに……挿しこんで……ください……あぁ、恥ずかしい……」

 九左衛門が握った張形を、肉壷の入口に押し当てる。
ありさにもやは抵抗の意思はない。
むしろ、積極的に股間を九左衛門に委ねる。

 「あ……あぁっ!うああっ!」

 張形が深々と突き挿されるに従って、ありさは荒々しく吠えてしまった。
ありさは痒みでただれている肉壷を張形でずっぽりと突き挿され、窒息するのではな
いかと思うような快感に襲われた。

 「う、動かして……ください……」

ありさの口から意外な言葉が発せられた。
薬の効果とは言え服従ともとれる言葉を口走るありさに、九左衛門は嬉しそうな笑み
を浮かべ張形を操りだす。

 「うはあぁっ……」

初めて体験する太い衝撃に、ありさは呻くような声を絞り出して身体を震わせた。
痒みは張形のお陰でかなり薄らいだが、その代わりに、肉が蕩けるような恍惚感があ
りさを追い詰めてきた。

 しばらくすると、どうにもならない炎のような快感が頭の芯まで貫通し、またもや、
ありさは獣のようなうなり声をあげていた。
全身が痺れて、背中にゾゾゾッと冷たい汗が流れる。
下腹部が熱くなり、吊り上げられた太腿がぶるぶると震える。

 「あぁっ、ううあっ……」

 やがて、息遣いが荒くなり身体を痙攣させ、 絶息するかのようなうめき声を上げて、
ありさは快感の頂きに達した。
だがこれは、まだほんの序幕でしかなかった。

 
                

   この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました