『ありさ 土蔵の濡れ人形  第二章』
 
                    Shyrock:作

第四話「謎の塗り薬」

 身体全体が火照り、奇妙な痺れがありさを襲った。
(身体が何か変……どうして……?)
異変は熱っぽさばかりか、肉裂の奥が明らかに湿り気を帯びてきているのが分かった。

 (ああ……もしかしたら、だんさんが塗った薬のせいかも……何の薬なんだろう…
…?)
熱さの向こう側に、かつて感じたことのない快感のようなものがふつふつと湧き上が
ってきた。
それが性的快感であることは、初心なありさでも本能的に分かった。

 まもなく九左衛門が煙草のにおいをプンプンとさせて戻ってきた。
「あれ?変やなあ。塗り薬塗っただけやのに、大事なとこ、えらい濡らしてるやない
か?なんでやねん」
「濡れてません……」

 九左衛門は秘所に滲み出している液体を指ですくいあげ、これみよがしにありさの
目の前に近づけた。
「嘘言うたらあかんで。ほら、見てみぃ、これでも濡れてへんちゅうんか?」
「……」

 「何でここ濡れてんねん。傷薬塗られただけで濡れるて、よほどの淫乱娘やな」
「そんなぁ……」
「よっしゃ、それやったらもっと塗ったるわ」
「薬はもう結構です!もういいです!」

 九左衛門は再び朱塗りの容器から薬をすくいとり、指を秘所に近づけて、たっぷり
とその部分に塗った。
「あぁ……あぁぁっ……」

 敏感な肉唇に指が触れ、クリームが塗られる刺激にありさは悲鳴を上げる。
九左衛門が指を動かすたびに、びくりびくりと腰を震わせている。
九左衛門は構わず、ありさの可憐に薄い肉唇の外側に指を這わせて、クリームを擦り
込んでいく。

 「あっ……あっ……そんな……はぁっ……」

 ありさは明らかに甘い声を上げている。
剃毛の前に刷毛で石鹸を塗られた時にも、甘い悲鳴を上げてはいたが、今回はそれよ
りも、もっとねっとりとした艶っぽさがある。

 自身の指技でありさが感じていることを確かめると、九左衛門は淫靡な笑みを浮か
べた。
「傷薬で感じ始めるとはほんまにすけべえな娘や。どうや、一段と気持ちようなって
きたんちゃうか?」

 「薬に……薬に何か混ぜたのではないですか……」
「なに言うてんねん。これは正真正銘の傷薬やで。がはははは~、よっしゃ、ほんな
ら、ぼちぼち中も塗ったろか」

 九左衛門は左手の指でありさの淫裂を大きく左右に押し開いた。
すると露になった肉壁から、透明の蜜がトロリと溢れてきた。
「すごいなあ、こんなに濡らしとったんか」

 九左衛門はわざと大袈裟な振りで驚いてみせると、ありさは顔を真っ赤に染めて頭
を横に振った。
「違うんです!勝手に、勝手に濡れたんです!」
「へえ~、勝手に濡れるもんかいな?」

 ありさがいくら否定しようとも、女の秘所から蜜が溢れて零れ落ちるほどに、感じ
てしまっていることは隠しようがなかった。

 「まあ、ええやろ。どっちにしてもこの薬を中に塗り込んで、もし今以上に濡れた
らおまえがなんと弁解しようが、間違いのう淫乱娘や。さあ、ようさん中に塗ったる
から覚悟しいや」

 開ききった肉裂の内側の濡れた粘膜へと、九左衛門は指を伸ばす。
クリームを塗りながらも、それは明らかに愛撫だった。
「あぁっ……だんさん……そこはっ……あっ……あああっ……」

 九左衛門の指が触れると、肉壷がカッと熱くなる。
甘くてくすぐったいような痺れが襲ってくる。
指が動く度にクチュクチュといやらしい湿った音がする。
九左衛門は無骨な顔とは不似合いな繊細な動きでありさの性器を刺激していく。

 しかし決して最も敏感な肉芽には触れようとしなかった。
肉芽の附近まで近づいては離れるということを繰り返す。
まだ性に疎いありさだが、そこが最も快感を覚えるツボであることは分かっている。

 その部分が刺激を求めて疼いた。
ありさの意志に反して、腰がヒクヒクと動いていた。
「なんや、身体をもじもじさせてるやないかいな。おそそもビショビショに濡らしと
るし。ん?なんや?もしかしたらさねをいじって欲しいんか?」

 九左衛門は指先をありさの肉芽に近づけるが、ちょっと手前で引き上げてしまう。
「あぁ……」
「ぐふふ、なんや、色っぽい声を漏らしてるやないか。そないにさねをいじって欲し
いんか?このすけべい娘が」
「そ、そんなことありません!どこも触られたくありませんっ!」

 ありさは懸命に否定する。
しかし、ありさの肉芽は刺激を求めて熱く疼いているのも、また事実だった。
「さねを触って欲しかったら、ちゃんとわしに頼むんや」
「そ、そんなこと、言いませんっ!」
「そうか、言いとうないんやな?」

 九左衛門は指先で塗り薬をちょんと肉芽に擦りつけた。
その一瞬の刺激が強烈な快感となり、ありさの肉体を突き抜ける。
「ひいっ!」

 ありさを吊り上げた縄が大きく揺れた。
指先が肉芽に触れたのはほんの一瞬だったが、塗り薬はしっかりと付着した。
付着した部分が急に熱くなった。
恥丘や肉壁に塗られた時とは比べものにならないほどの掻痒感がありさを襲った。
「あっ……ああ……あああっ……」


                

   この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました