「買われた親子」

                     赤星直也:作
第5話 隠し撮り

 開店してから時間も過ぎて、周りは真っ暗になっている。
「お待たせ致しました。当店の新人によるショータームです」支配人が何やら始め、中
央にダーツが置かれ、そこには色々書かれている。

 それには「まさか、あれを私にやれと…」眺めていた香織の唇が震えている。
書かれていたのは「素っ裸のダンス」「裸になってオナニー」「客相手のフェラ」など、
人前ではできない事ばかりだ。

 そんな香織の事など関係なく「どなたか、ご希望者はいますか?」と客席を回ってい
くと「俺がやる!」客も乗ってきた。
「それでは、この1本で盛り上げるか、盛下げるかを決めます!」自然とボルテージも
上がっている。

 「いくぞ!」ダーツが投げられたが、刺さったのはどちらとも言い難い境目だ。
「待ってください、これはどっちつかずです。素っ裸のダンスとオナニーです、どっち
でしょうね?」

 「両方だ、両方やれ!」「そうだ、両方だ!」客の声に智恵は笑顔になり(そうだわ、
私もビデオで撮った方がいいわ)一番奥の席に座りビデオを準備していく。
「皆さんがそう言うなら両方やりましょう。まずは素っ裸のダンスからです」支配人が
言うからにはやらなくてはならない。

 香織は泣き顔になり、中央に立つと明るい照明が照らし、客を前にして制服を脱ぎ、
智恵と支配人が撮っていく。
そんな事とは知らず、香織は脱ぎ終え、全裸になると音楽に合わせて踊り出す。

 「いいぞ。オッパイがいい!」揺れる乳房に歓声が上がり、淫裂も時折口を開いてい
る。
(イヤよ、こんな事やりたくないのに…)泣き顔で踊り続け、5分ほどで終わった。

 「それでは、お待ちかねのオナニーです」バイブが渡され、泣き顔になりながら腰を
降ろし、乳房や淫裂を撫でて、バイブを淫裂に押し込んだ。
「うっ!」振動が香織の膣の中に響き(何よ、これ?)振動に膣が勝手に反応した。

 「あ、あ、あ!」喘ぎ声を上げながら乳房を撫で、バイブを動かしていくと(気持ち
いいわ。こんなの、何ヶ月ぶりかしら…)次第に淫汁で濡れだした。
(そうよ、それでいいの。これで、大恥を掻かせてやるからね)相変わらずビデオで撮
っていた。

 ショーは2つ合わせて20分ほどで終わった。
香織は舞台から降り、制服を服を着ているが「イヤー、凄かったよ。それにしても面白
いよ」客達は満足げだ。
それでも(恥ずかしい思いをした身にもなってよ)客の間を回っていく。

 そして、約束の11時には着替えて自宅へと向かう。
「遅くなって、ごめんね」時計を見ると12時近い。
「疲れたでしょう、先にお風呂にしたら。食事もあるわよ」
「ごめん、食べてきたの。夜食があるから、これから入らないわ」そう言って浴室に入
り、体を洗ってからベッドに潜り込む。

 「今日の事は、絶対に娘には言えない!」見知らぬ男に乳房や淫裂を触らせた事は言
えない。
「でも、あのバイブは凄かった。声が出そうだったし…」まだ余韻が残っており、香織
はパジャマとショーツを引き下げ、淫裂を触っていく。

 「あなた、オチンチンでして!」亡くなった夫を思い浮かべながら、指で膣の中を擦
っている。
「そうよ、もっとして。早くして…」足を限界まで開いて指を動かしていく。

 「行きそうよ。あなた一緒に行きましょう」指の動きを早めて「行く、行く~!」そ
して、突然動きを止めた。
「ハア、ハア!」荒い息使いと共に、淫裂からは淫汁を流してシーツを濡らしていた。

 それから数日が立ち、香織は智恵のクラブでホステスをしている。
いつものように、客席を回っていくと黒川がいた。
「奥さん、いいですね。僕にも楽しませてくださいよ」いきなり乳房に顔を埋め、揉み
ながら乳首を吸いだした。

 「ダメ、そんな事!」しかし、言葉とは裏腹で(いいわ、気持ちいい。もっと強く吸
って!)快感を覚えている。
黒川は乳首を吸ったまま淫裂を触りだし「ダメ、そこはダメ。オッパイだけにしてくだ
さい…」目を閉じ言うが拒まない。

 「そうか、オッパイだけか。今度はチンポでさせて欲しいな」名残惜しそうに淫裂を
触っていると「あら、黒川さんじゃないのよ」後から智恵の声がした。
「ママに話があってね」
「だったら、ここじゃなく奥で!」2人は支配人室に入った。

 「ビデオはうまく撮れていたよ。見たけど最高だ。それに、写真もいいよ」
「使えるのね、役に立ってよかったわ」笑顔の智恵だ。
「これから行ってくる。娘は俺がいただくよ」
「いいわよ。その変わり、手伝いもして貰うからね」
「わかっているよ」黒川はクラブを出て、美幸と美香の元へと向かった。

 家を訪ねた黒川に、美幸と美香は強ばった顔をしており「今日は借金の話ではありま
せん。実は、見ていただきたいのがありまして…」写真を見せた。
「そんな、お母さんがヌードに!」「ヘアがないわ、性器を丸出しにしている!」驚く
2人だ。

 「こんなのもありますが…」ビデオテープを見せると「見させて。お願いですから」
テープを受け取り、再生していくと「そんな、お母さんがヌードでダンスだなんて…」
声を上げて泣きだした。

 再生はなおも進み「停めて。もう見たくもない!」オナニーシーンを見て叫んだ。
「こればかりじゃありませんよ」別なテープも見せると「もういいです。見なくてもわ
かりますから」涙が止まらない。
(効いたな。これでいけるぞ。この2人を素っ裸にしてやるからな)泣きじゃくる2人
をジッと見ている。

 やがて、泣いていた2人も冷静になり「これをどうするのですか?」と尋ねてきた。
「お金儲けをしようと思いましてね。素人物は高く売れるんですよ」
「やめて。そんな事したらお母さんが可愛そうです!」

 「困りましたね。それじゃ、どうしろと言うので?」
「金儲けにするのはやめて下さい。その変わり…」美幸の言葉が止まった。
「その代わりが、なんですか?」
「私のヌードを撮って下さい…」言い終わると、下を向いたまま顔を上げない。

 「お姉さん、ダメ。そんな事したらお嫁に行けなくなる!」
「美香。こうしないと、お母さんが恥ずかしい思いをするのよ」
「だったら、姉さんは平気なの?」
「恥ずかしいわよ。でも、お母さんを守る為には仕方がないの…」

 「だったら、私もヌードになるわ。お姉さんばかりに任せられないし」
「ダメ、美香はまだ子供よ。ヌードは私だけでいい!」2人の話を黙って聞いていた黒
川は、してやったりの顔になっている。