「二人妻」

                     赤星直也:作
第2話 メイドの制服

 突然の事に、涼子と美咲は驚いて顔を見合わせてしまった。
「但し、ただではありません。1年間このマンションを私の会社にお貸し下さい。そ
れに、お2人には私の家に住み込んで家事を手伝ってもらいます。勿論、美咲さんの
学費も私が提供します」

 それは、2人にとって希望の言葉でもあり「本当にいいんですか?」希望が沸きで
て、涼子と美咲は顔を輝かせている。
「もちろんです。1年後にはお返しします。それに、美咲さんは夏休みには内の事務
を手伝って貰います。なんなら、契約書も書きますよ」

 涼子と美咲には、この沢村が天使のように見えたが、沢村は天使の仮面を被った悪
魔のような男だった。
それは涼子が起因している。
涼子は沢村に求婚されたが、断って死んだ夫と結婚したからで、沢村はそれを恨んで
いた。

 振られたショックで、女とも付き合う事もなく仕事一筋で結婚もしてない。
沢村は美咲の顔を見て、過去の事を思い出し、復讐を思い立っている。
(美咲、今度は俺がお前を苦しめてやるからな。それに娘もな…)笑顔の沢村にはソ
ファーで座る美咲と涼子が全裸に見えている。

 その日、涼子と美咲は沢村に連れられて沢村の会社に案内された。
エレベーターで社長室に入ると早速、契約書を作っていく。
それには、2千万払う替わりに二人は沢村の家に住み込んで1年間家事を手伝う事や
美咲の学費を沢村が出す事、美咲は夏休みに沢村の手伝いをする事、1年間無事に働
いたら、美咲の後見人として、学費と生活費も出すとも記入されている。

 さらに、違反した場合は、お互いが同等の金額を慰謝料として払うことが記入され
ていたが、涼子と美咲は罠と知らずに契約書に印を押してしまった。
「これが約束のお金です。私の家には身の回りの衣服で来て下さい。ここですから…」
沢村は地図を書いて渡した。

 契約を済ますと、涼子と美咲は渡された手形をもって裁判所に向かった。
「これで、差し押さえも解消できますよね?」
「はい、解除します」書類に記入して、競売の取り下げを申請し、差し押さえを解除
した。
さらに、慰謝料も弁護士を通じて相手側に渡して示談も終了した。

 全てが済むと自宅に戻ってくつろいでいる。
「お母さん、良かったわね。これで、お父さんも喜んでいるわよね」
「そうね。1年だけ働けばいいのだから。お父さんとの思い出も失わずにすんだしね」

 「でも、お母さん。再婚はダメよ、いくら恩人でも…」
「当然しないわ。私はお父さんしにしか抱かれたくないし」夜の生活を思い出したの
か顔を赤らめた。
「お母さん、エッチを思い出したんでしょう。オッパイ触れたり、セックスされたの
を!」美咲が冷やかすと「美咲、親をからかわないの。いずれあなたもわかるから」
恥ずかしさにキッチンに向かう。

 一方、沢村は電話で親に連絡していた。
「あ、母さんかい。面白くなったよ…」沢村が涼子親子の事を話すと、それには戸惑
う母親だが、沢村の真意が分かると協力を申し出ている。

 次の日曜日、美咲と涼子は言われた通りに、バック一つの身軽な服装で沢村の家の
前に立っていた。
家は塀に囲まれて、出入り口は裏口と正門の二カ所しかない。
チャイムを押すと「中へどうぞ!」声がして自動で門が開き、中に入ると門は閉じた。

 「もう、戻れないんだ!」二人は深呼吸し、捨て石を踏みながら玄関へと向かう。
警備は厳重で、玄関でもチェックを受けた。
「さすがに、社長となると警備も厳重ね。泥棒も逃げれないわ」話していると、初老
の百恵が迎えにでた。

 「初めまして。三井涼子と申します。これは娘の美咲です」「三井美咲です」2人
はお辞儀をした。
「あら、礼儀正しいのね。私は沢村百恵と申します」3人は挨拶をし、涼子と美咲は
百恵に家の中を案内されて、これから住む部屋に連れて行かれる。

 「ここがあなたの住む部屋よ。狭いけど我慢しなさい」
「狭いなんて、とんでもありません。住むだけで助かります」涼子が礼を言うが、2
人の部屋は離ればなれになっている。
部屋は2人とも6畳くらいで、ベッドが置かれ家具も必要最小限置かれている。

 1人になった涼子は自分の部屋を整理し始めた。
「涼子さん、片づけより皆様にご挨拶をしないと」百恵に言われ「そうですわね。失
礼しました」涼子は振り返り、部屋から出ようとしたが「その前に、このメイドの服
に着替えないといけません!」また注意される。


 「そうですよね、奥様の言う通りです」涼子は渡された紙袋を開くが「あらー!」
中には小さな三角形の布が紐にぶらさがった物しか入ってない。
「これが、メイドの服ですか?」
「当家では、それがメイドの制服です。素っ裸になって、それを腰に着けるんです」

 「そ、そんな~。それだったら、オッパイだけでなくアソコも見えてしまいます!」
「そうですよ。当家のメイドは、素っ裸でも平気なんです」全身を震わせる涼子を、
百恵は突き放した。

 亮子は「こんなの着れません。ヌードなんて出来ません!」怒りで顔が紅潮するが
「あら、メイドを放棄するんだ。美咲さんの学費も入らないのね?」百恵は薄笑いを
浮かべている。

 「申し訳ありません。直ぐに着替えます…」(その通りだわ。ヌードはイヤだけど、
美咲のために我慢しないと…)涼子は服を脱ぎ始めた。
(それでいいの。ヌードになって、友和さんの辱めを受けなさい。それが償いです)
見守る百恵の目が光っている。

 涼子は震えながらワンピースを肩から脱いで、真っ白なスリップが露になった。
「急いでよ。皆様が待っているのよ!」
「はい、急ぎます」涼子は一気にスリップを脱ぎ、白いレースの下着姿になると、股
間の絨毛がはみ出し、乳首もはみだしていた。

 (恥ずかしいわ。素っ裸になるなんて…)涼子は震えながらブラジャーのホックを
外すと、乳房が飛び出し乳首が堅く勃起している。
さらに、百恵の見ている前でパンティを引き下げ(性器まで見せるなんて…)足首か
らパンティも脱いで全裸になった。

 涼子は股間を左手で股間を隠しながら、渡された紐を持ち腰に巻き付け、それが済
むと恥ずかしいのか、項垂れたまま乳房と股間を両手で覆ってしまった。

 「言っておくけど、オッパイと股間を隠すのは御法度よ」
「そんな。見えます、オッパイと性器が!」
「そうよ、見せるのがメイドの勤めなのよ。家事とはご主人への奉仕を意味するの。
だから、楽しませないと」鋭く睨んでいる。

 (ヌードを見せて、奉仕だなんて…)顔を引き吊らせ、涼子は両手を退けるが、乳
房は恥ずかしさで紅葉している。
さらに、股間を覆う布はあまりにも小さすぎて、全てを隠しきれずに、絨毛が脇から
はみ出ている。
そんな訳だから、歩く度に布が揺れ、絨毛が丸見えになっていた。