「堕ちたアイドル」
  
                            赤星直也:作


第8話 初仕事

 そして、翌日のスポーツ各紙には宏美のヌード写真が載っており「恥ずかしい。こんなにハッキリ撮られていたなんて…」泣き顔になっている。
「いずれは千夏もヌードだからな」それには(イヤです。ヌードにはなりたくありません)黙ったままの千夏だ。

 その時「プルプルプル!」突然電話が鳴り恵子が電話を取った。
「大西プロダクションですが…。はい、撮影ですね。わかりました。直ぐいきます」電話を戻すと「社長、仕事が入りました。これから行ってきます」
「もう仕事か。ヌードは効くな。頼んだよ」
「はい、頑張ります」宏美と恵子は事務所から依頼主の元へと向かう。

 途中「恵子さん、どんな仕事ですか?」心配なのか尋ねた。
「モデルよ、初めてのパイパンヌードの仕事よ」
(イヤ、性器を撮られるのはイヤ!)黙り込む宏美だ。
「ほら、そんな顔をしないの。初めての仕事なんだからね」はしゃぐ恵子だが、そんな気分にはなれなかった。

 2人は依頼主が指定した場所に向かった。
「失礼します」
「待っていたよ。早速だけど頼むよ。わかっているだろうけど、素っ裸だからね」
「はい、承知しております。宏美さん、お願いよ」
「は、はい!」(脱ぎたくない。ヌードにはなりたくない…)震える手でボタンを外しだした。

 上から胸が開いて「おや、コルセットですか?」腰のベルトが目に入った。
「はい、そうです…」シャツを脱ぐと小振りな乳房が揺れている。
その後(これを脱いだら、丸見えになってしまう…)スカートに手が伸びる。
宏美は背中を向け、ホックを外して引き下げていくと太股の割れ目が見えた。

 「いいですね。可愛いくて…」皆の目が淫裂を見つめている。
(見られた。性器を見られた…)太股も震えだす。
「はい、こっちを向いて!」
(イヤ、向きたくない!)渋々振り向くと「おー!」歓声が上がった。

 宏美の恥丘にあるピンクの割れ目が露わになっている。
「いいね。ホントにパイパンオ○ンコなんだ!」
(オ○ンコなんて下品よ。そんな言い方しないで…)俯きながらコルセットも外して生まれたままの姿になった。

 それを見て「おい、撮るぞ!」合図が掛かり、ライトが灯された。
そして「カチャ、カチャ!」金属音が響いき渡っている。
(性器を撮られているんだ…)宏美の顔が見る間に赤く染まり目の下が腫れた。

 そのころ、千夏にも辱めが待っていた。
「今度のパーティは千夏も参加だからな」
「パーティですか?」
「そうだ。大物が招待されているからお前もドレスを着ないとな」

 「社長。それでしたら、用意してありますよ」
「ここに、あるのか?」
「はい。これです」三沢は箱を取りだした。
「千夏、着替えてくれ。ここでだ!」

 「は、はい!」嫌々ながら服を脱いでいく。
(イヤよ。どうして、ここで着替えないといけないのよ…)不満があっても逆らえず、シャツ、ズボンも脱いで下着だけの姿になった。

 「これだよ」それは黒のパーティドレスだ。
「これを着るんですか?」手に持ち呆然とした。
「そうだ。下着は一切、着ない方がいい。見えてしまうからな」
(そんな事したら全部見えそうよ…)手に持ったドレスが震えている。

 「脱げ。素っ裸になってから着るんだ!」
「は、はい」下着も脱いでいく。
パンティを脱ぐと短い絨毛が股間を包んでおり、ブラジャーも脱いで全裸になった。

 「いいね。相変わらず、千夏の体はいいよ」三沢は我慢できないのか股間を撫でていく。
「許して、今はイヤです!」
「三沢君、それよりもドレスだよ」
「そうでした。早く着るんだ!」千夏は頭から被った。

「いいじゃないか!」黒いドレスは千夏の体のラインを浮き立たせている。
胸を覆うドレスは帯に近く、大胆なUカットだからかろうじて乳首を隠している状態で、前からも乳房の膨らみが見えている。

 「お、オッパイが見えます!」
「ヌードよりはましだろう…」
「性器まで見えるかも知れません!」ドレスは裾から腰まで幅5センチのスリットが入っていて、腰骨が見えている。

 「似合うよ。これくらいは我慢しろ!」大西は腰から手を入れ股間を撫でていく。
「そうだよ。これくらいは何ともないよ」三沢も帯を広げて乳房を掴んだ。
「やめて、お願いです!」2人の手を押さえた。
「そうだな。楽しみは後の方がいいしな」素直に手を退けた。

 「三沢君、今日はどうなっている?」
「テレビが1本にだけです…」
「少ないな。もっと売り込んだ方がいいかも。あれを早めてくれないと…」
「わかっていますが、まだ生え揃っておりませんし…」

 「構わない、大部生えたし。あれで撮ろう」
「わかりました。打ち合わせをしてきます」
「頼んだよ」千夏は服を着替えると三沢と一緒に雑誌社に向かった。

 途中「ヌードの件ですか?」千夏が不安そうな顔で尋ねる。
「そうだ。いよいよ、千夏のヘアヌード写真集を出すんだ!」三沢の言葉には黙ったままだ。

 「着いたぞ。行こう!」2人はビルの中に入ると「これは三沢さん。わざわざおいでいただかなくても…」大宮が迎え出た。
「実は大宮さんにお願いしたい事がございまして…」
「私にですか?」

 「はい。大宮さんの所から千夏のヌーど写真集を出したいと思いまして」
「ヌードね、脱ぐ気あるかい。オ○ンコ丸出しにするんだよ?」千夏を見上げた。
「はい、脱ぐ気はあります…」俯いたまま顔を上げようとはしない。
「その覚悟ならここで脱いでくれ。撮影は10人程のスタッフでやるんだから、ここで脱げないなら無理だな」

 「やるよな。千夏?」
「は、はい。脱ぎます…」強ばった顔で、脱ぎ始めた。
(イヤ、ヌードなんてイヤ!)叫びたいがそれは出来ず、シャツ、ズボンと脱いで下着姿になった。

 「何だ、下着を着けているのか。体に跡が残るからこれからは着けない方がいいぞ!」
「そうします」下着も脱いで全裸になった。
「ほう、いい形じゃないか」じっくりと千夏の乳房を眺めてから触りだした。

 「いいね。柔らかいしな…」乳房を握りしめ乳首を吸う。
「そ、そんな!」思わず声を上げてしまった。
(やめて、乳首はイヤです!)
「ここはどうかね?」乳房を掴んでいた手が股間を触り、割れ目に指が入った。
「ん、ん、ん!」(入れないで、指は入れないで…)太股が震えだす。

 「いいね、締まりがいいよ。僕とセックスしてみない?」
「セックスはしません!」キッパリ言い放った。
「嫌われたか。でもいい体だ。写真集は内で出してもいいよ」
「ぜひ、お願いします」

 「早速だが、これからスタッフと打ち合わせするけどいいかい?」
「お願いできますか?」
「いいよ。これから行こう、君はその姿がいいよ」
「私はヌードです!」思わず叫んだ。
「素っ裸を撮るんだぞ。それが出来なければ撮影は無理だ!」

 「失礼しました。千夏はそのままだ!」
「わかりました、この姿でお会いします…」泣き声に近かった。
「それでは、行きましょう」大宮の後から三沢と全裸の千夏が歩いて編集室に入ると「キャー」女性社員から悲鳴が上がった。

 「ヌードよ、ヘアヌードよ!」
「向井千夏じゃないか。どうして素っ裸に?」社員達は手を休めて千夏の全裸を食い入るように見ている。
(見ないでよ、好きで脱いだ訳じゃないのに…)その中を項垂れたまま歩いていく。

 「いいね。向井のヘアは薄いんだ!」
「剃ったのよ。性器を見せる為に…」
「オッパイも大きいな。あんな顔して結構、やりまくったんじゃないのかな?」話し声は千夏にも聞こえている。
(恥ずかしい、見知らぬ人にヘアヌードを晒すなんて…)膝がガクガク震えている。

 それでも手で隠す事もなく歩いていた。
暫く歩くと「社長、どうなされました。素っ裸だなんて!」気づいたのか話しかけてきた。
「編集長、すまないが話に乗ってくれ。向井君がヘアヌード写真集を出したいそうなんだ」

 「向井君がヘアヌードですか?」編集長は全裸を晒す千夏を見ていく。
「いい体つきですね。オッパイは大きいし。でもヘアがいまいちですね…」乳房を撫でた後、淫裂を撫でていく。
「どういう事かね?」

 「少ないんですよ。これだとオ○ンコが写ってしまいますから…」
「それなら大丈夫です。今後は自然体にさせますから」
「剃っていたのか…。でも綺麗なピンクだね」腰を屈め淫裂を指で広げた。
(イヤ、性器の中を見るなんて、イヤです!)恥ずかしさに両手で顔を覆う。

 「これくらいで恥ずかしがったらダメだぞ。堂々としないと」編集長が言う。
「すみませんでした」顔から手を退けたが、千夏の顔はおろか耳まで真っ赤に染まっている。
「使えるかね?」
「はい、大丈夫です。3週間後に撮りましょう。今は別口が入っていますから」

 「よろしくお願いします」千夏は礼を言う。
「気に入ったね。素っ裸でここまで来るんだから。いい度胸しているよ、向井さん!」
「ホントは恥ずかしいんですが、仕事と思って割り切りました…」

 「偉いね。最近のタレントは生意気いうけど、こんな事されても我慢できるんだから!」再び乳房を掴んで揉み出す。
「優しくです、乱暴に触られると痛いんです」
「そうか、これならいいだろう?」ゆっくりと揉んでいく。

 それに、乳首を指で転がすようにしていくと「ん、ん、ん!」声が出そうになった。
「もういいだろう。編集長、後は頼んだよ」
「わかりました。マネージャーさんにはこちらから連絡します」
「よろしくお願いします」三沢は名刺を交換して大宮と一緒に戻ってきた。

 「どうかね、素っ裸の感想は?」
「恥ずかしかったです。知らない人にヌードを見られるなんて…」
「慣れないとダメだな、映画のラブシーンには出れないし」
「おっしゃる通りです。徐々に慣れさせます」三沢も口を出した。
(いいわよ、そんな事しなくても…)黙ったままで服を着込んでいく千夏だ。

 大宮と別れると千夏と三沢はテレビ局に入った。
控え室で準備をしていくと「向井さん、映画の出演をお願い出来ませんかね?」声が掛かった。
「映画ですか。どのような役柄ですか?」

 「谷崎潤一郎の作です。かなりきわどいですが…」
「ヌードがあるんですか?」
「はい、谷崎作品には付き物ですからね…」
「千夏、やろうよ、これをきっかけにしてもっと売ろうよ」

 「でも、ヌードが…」
「いいじゃないか、あれとセットで売れば」どうしても出演させようとする三沢だ。
「わかりました。お受けします…」
「よかった、クランクインは来月です。台本は明日届けます」
「よろしくお願いします」礼を言って見送ったが「映画か…」スクリーンに映し出されるヌード姿を想像していた。

 そして、写真集の撮影日がきた。
「準備をお願いします」
「わかりました」千夏は控え室で服を脱いでいく。
下着は言われていたから着けてない。

 全裸になるとバスタオルを巻き付け、大勢のスタッフの前に現れた。
(恥ずかしい。こんな大勢の前で全てを見られるなんて!)顔も強ばっている。
「リラックスして!」カメラマンが言うと(無理よ、ヌードになるのよ!)結び目を解いて生まれたままの姿で立った。

 股間の絨毛は生えそろっている。
「はい、始めます」銀色の反射板を持ったスタッフが側まで寄ってくる。
(イヤ、そんなとこから、しないで。見えちゃうわよ)足下から見上げている。
「両手を組んで、右足を前に!」カメラマンがポーズを取らせる。
(イヤ、見ないで、性器は見ないで!)顔を赤らめている。

 同じようにTの字の革ベルトで下半身を隠した宏美もテレビカメラの前に立っている。
深夜番組でのレギュラーに決まって、初収録だ。
「大丈夫かな?」スタッフが股間を調べていく。
(剃っているから、見えないわよ)恥ずかしそうに項垂れたままだ。

 「ヘアは、生えていません!」
「わかった、収録を始めるぞ。脱いで下さい」
「わかりました…」胸を隠したタオルを退けて小振りな乳房を露わにしていく。

 「皆様、こんばんわ。レギュラー出演する事になった安田宏美です。お粗末な胸ですが、これで楽しんで下さい」顔を赤らめ声が震えている。
「カット、やり直し。物怖じしないで堂々と。それから、乳首を堅くして!」スタッフが宏美の乳房を掴んで撫でていく。

 (イヤ、オッパイは触らないでよ)顔を背けたままだが、言われた通りに乳首を指で触っていく。
「膨らみました!」
「3秒前、2,1,キュー!」

 「皆様、こんばんわ…」テレビカメラに向かって喋っていくとモニターには宏美が映し出され、乳房がアップで撮られていく。
それに、革のベルトで隠された股間もアップで撮られた。
(イヤよ、そんな事しないで。お願いです!)泣き出したい気持ちだが、作り笑顔でテレビカメラを見つめていた。