「逮捕しちゃう!」
                              赤星直也:作

第33話 警察署での噂

 翌日、警察署に向かう早苗の足が重かった。
「どうしたらいいの。フルヌードを見られたのよ」3人に言うが「気にしなくていいわ
よ。今更、何言ってるのよ」励ますが、効き目はない。
「ほら、元気出して!」引かれるように署に入り、同僚と挨拶を交わすが、顔を上げら
れずに下を向いたままだ。

 「緒方、来てくれ!」課長に呼ばれ、労いの言葉を掛けられても、まともに顔を見る
事が出来ない。
そんな、早苗の気持ちを知ってか「自信持て。お前のお陰で、捕まえる事が出来たんだ
から!」そう言って励ます。
「わかっては、います…。ですから、ヌードの事は、誰にも言わないで下さい…」小さ
な声で言う。

 「そんな事知らないな。お前はちゃんと、制服着てたし…」気遣っている。
「ありがとうございます」頭を下げて、自分の席に戻った。
しかし、元気がない早苗に「緒方に後藤。パトロールしてこい!」気晴らししてくるよ
う言う。
「わかりました。行って来ます!」2人はパトカーに乗って走り出すと、町中へと向か
った。

 商店街を走り、見覚えのある建物の前まで来ると、正樹がいて、正樹も気付いたのか
手を振って合図した。

「どうしよう、約束したよね」「そうよね、早く済ました方が楽だし」パトカーを駐車
場に停めて、正樹の元へと歩いていく。
「丁度よかった。今、準備が終わったんだ。行こう!」建物の中に入ると、この前とは
違い、壁には淡いピンクの布が掛けられてある。

 「これならいいだろう。始めるよ」正樹はカメラを構えると「胸を広げて!」叫んだ。
(撮られたくないけど…)2人はボタンを外して、シャツを開くと白いブラジャーが現
れた。
「今日は白ですか。それならスカートも脱ぎましょう」正樹は、撮りながら指示し、言
われた通りにすると、やはり白のパンティが露わになった。

 「パンツを、膝まで下げて!」(性器を撮る気だ…)顔を強ばらせたまま、パンティ
を膝まで下げると、絨毛に覆われた淫裂が現れた。
「大部生えましたね。剃った方がいいですよ。次はブラジャーを持ち上げて!」言われ
るままにして、乳房を露わにしていき、次々と指示に従うと、ネクタイと帽子だけにな
ってしまった。

 「いいですね。足を台に乗せて!」
(イヤよ。見えてしまう…)イヤだが、言われるまま片足を乗せると、下から撮りだす。
(間違いなく、性器を撮られた…)顔も赤らむが、なおも撮り「早苗さん、久しぶりに
やりたいんです」カメラを置くと、早苗に抱きついた。

 「ダメ、今は勤務中ですから…」拒んでも、正樹はズボンを引き下げて、淫裂に肉竿
を押し込み、ピストンしていく。
「やめて…。勤務中です…」途切れ、途切れに言うが、リズミカルにピストンする肉竿
に、淫裂が反応して淫汁が流れている。

 「クシュ、クシュ!」肉竿が刺さるたび、音がでていくが「でる~!」正樹も声を出
した。
「ダメ、外よ、抜いて!」
「中に出すよ。できたら、産んでもいいから!」外に出す気は全くなく、膣の中で噴射
した。
「イヤよ。産むなんてイヤ!」泣き出すが、白い液が漏れ出てきた。

 「僕が、責任取るから安心して」ズボンを履きながら言う。
「勝手な事、言わないで。産む身にもなってよ。生活だって大変なのよ!」泣き顔で淫
裂を拭き、服を着終えると、またパトロールを始めた。

 翌日、早苗は課長から、1週間の休暇を与えられた。
「よかった。これで息抜きができる…」ヌードの事を、忘れるようにとの配慮だが、反
対に悪い事になってしまった。
誰かが、喋ってしまい、犯人を捕まえた時は、全裸にされ、縛られていたという噂が広
まった。

 「そんな事なかった。私、見てたから!」有紀がいくら言っても、相手にされず「早
苗さん、レイプされたんだって!」
「輪姦されたんだって。4人にやられたらしわ」
「膣に射精されたんだって。しかも4人よ。それで、妊娠したんだって!」
「中絶するらしいわよ、それで休暇を取ったみたい」こういう風に、聞くに堪えない噂
が、署内で広まってしまった。
有紀や幹子達が、いくら否定しても、噂はだんだん酷くなっている。

 そんな事など、知るよしもない早苗はアパートでくつろいでいた。
そんな早苗に「暇なら手伝え!」と神田は、早苗を昼過ぎからバーの準備を手伝わせい
たが「ここにいたんだ。会いたかった!」正樹が来た。

 「何か、用なの?」
「用があるから来たんだよ。見て欲しいのがあって!」神田に断りを入れて、早苗と一
緒に2階に上がった。

 「見て欲しいのって、何よ?」
「これだよ。綺麗だろう」この前撮った写真で、ネクタイと帽子だけ身につけ、乳房と
淫裂を晒していた。
「イヤよ。見たくもない!」写真を放り投げたが「綺麗じゃないか、何が不満だ?」と
尋ねる。

 「ヌードがイヤなの。これ以上、裸にはなりたくないの…」
「なんだ、そんな事か。僕だって、早苗を他の人には晒したくないさ。僕の早苗だし!」
そう言うと抱きついた。

 「やめて、声を出すわよ!」
「出してもいいよ。僕の子を産むんだから!」早苗のスカートを脱がして、パンティを
引き下げた。
「やめて。その気はないって、言ったでしょう!」逃れようとするが、正樹はズボンを
脱ぎ、肉竿を早苗の胎内に押し込んだ。

 「ひ~!」乱暴に入る肉竿に悲鳴を上げるが「我慢して、産むまでは我慢して!」ピ
ストンが始まった。
「ダメ、抜いて、あ、あ、あ~!」嫌がってい膣も、次第に濡れだし、肉竿は滑りよく
ピストンしている。
「イヤ、産みたくない…」拒んでいた早苗も、喘ぎ声をあげて、膣奥に射精した。

 「出したよ。早苗さん…」肉竿を抜くと、精液が流れ出た。
「あれ、切れているのよ。本当に、できるかも知れないのよ!」泣きそうな顔で、淫裂
を拭くが「だから、産むんだって、言ったろう」
「そんなの、身勝手よ。私だって、考えがあるのよ、神田さんだって承知しないわ!」
「友和には、俺からい言うよ」正樹は、ズボンを履くと下におりて、話し出した。
「悪い人では、なさそうだけど…。妊娠はしたくないし…」脱がされた下着とスカート
を履くと、下に降りた。

 「早苗、話は聞いた。姉貴の所へ行こう!」早苗を連れて一緒に病院へと向かった。
聖子は、診察を終えて帰る所で「一体どうしたの?」「姉貴、実は早苗と、正樹なんだ
が…」事情を説明していく。
「早苗はどうなの?」
「産んでもいいですが、まだ早いです…。それに、もっと仕事がしたいし…」

 「あれ、飲んでいたでしょう?」
「切れ目ですから、わからないです…」
「そうなんだ。とにかく、消毒しないと。脱いで!」早苗はスカート、パンティと脱ぎ、
下半身を剥き出しにして、聖子に膣を洗浄されていく。

 「これで安心よ。でも、産むのは早いわよね。これ飲んで!」処方箋を渡すと神田と
早苗は診察室から出た。
「早苗は、もう使えないわね、残りの3人でやるしかないか…」聖子は思案している。

 そして、休暇が開けた早苗は、警察署でいつものように勤務していたが、周りの目が
違っているのに気付いた。
(白い目で見ている…。ヌードを知っているんだ…)平静を装っても、ヒソヒソ話す会
話が聞こえてくる。

 「4人に輪姦されて、妊娠ししたそうよ」「休暇中に、中絶したんだって」小さな声
で噂が話されている。
(嘘よ。ヌードにされたけど、レイプも、妊娠もしてないわよ!)泣き出したいが、堪
えて勤務を済ませ、アパートに戻ると、人目をはばからず、泣き出した。

 「もうイヤ、警察なんてイヤ!」それは、神田にも聞こえ「何かあったのか?」幹子
に尋ねた。
「警察署では、早苗さんの噂が広がって…」署での噂話を教えた。
「酷いな。捜査に協力したのに、それはないよな…」神田も納得したのか、早苗の部屋
に入り「やめろよ。警察やめて正樹の子を産め。それまでは、店を手伝ってくれ!」思
わぬ事を言いだした。

 「ホントに、いいんですか?」
「いいさ。正樹には連絡するよ」神田が正樹に電話すると、1時間ほどして、アパート
に来た。
「友和、いいんだな?」
「聞く、相手が違うぞ。早苗に聞け!」正樹は、早苗の部屋に飛び込み「産んでくれる
よな?」
「はい、正樹さんの子を産みます…。でも、少し時間を下さい…」

 「産んでくれるなら、いくらでも待つよ。それから、お願いなんだけど…」
「何か、あるの?」
「僕以外の男には、裸を見せない事。それに、セックスもしない事を誓って!」
「はい、正樹さん以外の男には、裸を見せず、セックスもしません!」
「ありがとう、早苗!」「正樹さん!」2人は抱き合って誓った。

 翌日の早苗は、晴れ晴れしていて、警察署に行くと、課長に辞表を提出した。
「残念だったな。噂は収まると思ったけどな…」無念さが込み上げていたが「私は、あ
の噂で警察がイヤになりました。口では綺麗事を言いながら、裏ではあざ笑っています
から!」皆に、聞こえるように言った。
「すまない。かばいきれなくて…」課長は、それ以上言えなかった。

 辞表を出すと、アパートに戻り、部屋の整理を始めた 。
「正樹さんに、嫌われないようにしないと」部屋の隅々まで掃除している。