「逮捕しちゃう!」
                              赤星直也:作

第14話 ダンス

 それから1週間が過ぎた頃、チームリーダーの早苗は皆を集めた。
「これからは、仕事が終わってから、毎日1時間練習するからね」今後の計画を打ち明
ける。
「仕事が、終わってからか…」残業代も出ないから無理もないが「これは職務よ。受け
たからには、やらないとダメでしょう!」責任を強調している。

 そう、言われれば逆らえず、明日から練習となったが「練習着はどうしたらいいの。
私持ってないわ」「どこで練習するの?」質問が相次いだ。
「練習着は体操着で十分、場所は会議室よ」テキパキに応えて、質問が終わると職場に
戻って仕事を始める。

 翌日、勤務が終わると、4人は体操着に着替えて会議室に集まった。
「まずは、この曲を聴いて覚えるの」スイッチを押して、音楽を流す。
「いい、私の真似をして!」音楽を流すと、早苗は踊り出した。
皆、真似して踊るが、なにぶん、初めてだから早苗のようには行かない。

 「焦らないで。まずは、動きだけ覚えるの」手足を伸ばし、腰を振ったり姿に「凄い、
早苗さんがあんなに綺麗だなんて、信じられない…」汗を流して、手足を組み合わせ踊
る姿に皆が酔いしれた。
「顔が、もっと良かったら、芸能人になれたかも…」
「顔じゃないわ、髪型よ。ショートカットにすれば最高よ」
「そうね、宝塚の男優見たくね」勝手なことを言うと(ショートカットで、宝塚か…)
早苗にも聞こえており、満更でもないようだ。

 こうして、1時間程練習を済ますと、着替えて署から出ると「まだ早いから、今夜、
飲みに行かない?」幹子が提案すると「今日は遠慮させて。大事な用事があるから」早
苗が言う。
「リーダー不在じゃ、意味ないしね。次にしよう」
「ごめんね。必ず付き合うから」早苗は、皆と別れて歩き出した。
「早苗さん、大事な用事って何かしら?」
「もしかして、デート?」勝手に想像している。

 翌日、幹子と克子がいつものように着替えていると「おはよう!」明るい声がする。
振り向きながら、返事したが「おは…」声が停まった。
「早苗さんさんだよね?」
「そうよ、緒方早苗よ」笑顔で応えた。
「信じられない、綺麗になって。まるで、宝塚ジェンヌみたい…」食い入るように見つ
めると「恥ずかしいわ。そんなに見なくて良いわよ」着替えを始めが、後から着た婦警
達も「おは…」早苗の変貌に声が続かなかった。

 それは、男性も同じで「本当に緒方か?」職場で取り囲まれている。
「ええ、緒方ですよ」
「失敗した。お前を嫁にすれば良かった!」
「俺もだよ。髪型を変えると変わるんだ…」皆が感心して見つめていると、他の部署か
らも訪れ「ほんとに、緒方か?」声が掛けられた。

 早苗の変貌は、あっという間に署全域に知れ渡り、噂になっていたが5時になると、
会議室でダンスの練習をしていく。
音楽が流れ、それに合わせて踊るが不揃いだ。
それでも「昨日より大部良いわよ。今日は、もっと良くしようね」褒めながら手本を示
している。

 練習を始めてから、1週間が過ぎた。
早苗の踊りに、皆が付いて行けるようになり、乱れがなくなっている。
「凄く良いわよ、もう1回ね」音楽を掛けようとしたら「見学させて貰うよ」署長を先
頭に、幹部達が入ってきた。
「まだ、1つしか、レパートリーがありませんが…」
「構わない。やってくれ」音楽が流れると、4人は一糸乱れず踊り出した。
髪を振り乱し、手足をくねらす姿に「お~!」と驚きの声もあがった。

 音楽は5分程で終盤を迎え、踊りも激しくなって、流れる汗も多くなり、したたり落
ちる頃に、鳴りやんだ。
署長は「凄いよ。たいしたもんだ!」手を叩いて褒めるが「これだけしかないんです。
チームなら、最低5曲は踊れないとだめです…」
「5曲か、後どれくらい掛かりそうだ?」

 「最低1ヶ月、いえ、2ヶ月は掛かると思います、何せ、素人ですから…」
「2ヶ月か。何とかなりそうだな。是非頑張ってくれ」署長が出ていき、幹部も出てい
くと「緒方、これは、署長の差し入れだ」のし袋を課長が渡した。
「署長~。ありがとうございま~す!」皆が大きな声で言うと、満足そうに頷く幹部達
だ。

 皆が帰り、のし袋を開けると現金が入っており「これで飲もう!」話がまとまり、後
かたづけを済ますと、着替えを済ませて町に出た。
「1人3千円の予算ね。スナックか、赤提灯かな」
「だったら、スナックにしよう」皆で、安そうなスナックに入ったが「いらっしゃい…」
店員は言葉が続かない。

 「どうか、したの?」
「いえ。皆さんお綺麗ですから、驚きまして!」
「そんなことないわよ。奥、空いてるかしら?」
「そんな、奥だなんてもったいない。ここに座って客寄せになって下さいよ。その分、
サービスしますから」
「本当にサービスするの。嘘付いたら逮捕しちゃうわよ」
「約束します。お一人、千円分サービスします」4人は入り口近くに座らされた。

 「なんか、得したみたいね」気分よく話していると、注文した飲み物が届き飲み出し
た。
飲み出しすと、客が入ってくるが、4人並んだ姿に驚き、ジッと見てから隣のテーブル
に座った。
同じように、次の客も、4人から近いテーブルに座り、奥の方だけが空いている。
アルコールも回り、話が弾んでいると「驚いた、美人揃いじゃないのよ!」声を上げ、
また客が来た。

 客の声に振り返ると「聖子さん!」声を出す幹子だ。
「聖子さん、お知り合いなの?」
「ちょっとだけ。後で連絡するわ」奥のテーブルに座って、連れと話し出す。
(何も、なければいいけど…)怯えながら飲む3人だ。

 飲み出してから、2時間は過ぎて「もう帰らないと…」皆が、帰ろうと準備をすると
「あちら様からの差し入れでして…」聖子から飲み物の差し入れがあった。
(何かあるわ。ただで、済む分けない…)そう思いながら、礼を言って飲み干した。

 案の定、翌日にいつものパトロールをしていると、携帯に神田から「日曜の9時に迎
えに行くけど、黒の下着を着ておけ」と連絡が入った。
「また、セックスさせられるかしら?」
「それだけなら良いけど…」不安を抱きながパトロールをしていく。

 そして、日曜日になり、言われた通りに黒い下着を着て寮を出ると、神田と聖子が待
っていた。
その車に乗ると走り出し、郊外に向かって5分程走り、人影のない静まり返った公園に
着いた。
それと同時に、もう1台も着き、小野と早苗、それに鈴木が降りてくる。
「時間に、限りがあるから急ごう」7人は公園の中に入っていく。
「いいね、誰もいなくて」確かに、人の声すら聞こえず、歩いていくと木立に囲まれた
芝生がある。

 「あそこだ!」皆が芝生の所に来ると「脱いで、下着姿になって!」聖子はカメラの
準備を始める。
(ヌードを撮る気だ…)今までの体験から予想して服を脱ぎだした。
3人がシャツを脱ぐと、黒い薄地のブラジャーが覗く。
(早苗さんも買ったんだ…)周りを気にしながらスカートを脱ぐと、皆が透けたパンテ
ィ、ストッキング、ガーターベルトと黒尽くめになっている。

 「今日はビデオよ。しっかりやって。まずは、ダンスから!」スイッチを入れると、
練習している曲が流れ出す。
(やるしかない…)3人は、曲に合わせて踊りだす。
「いいじゃないか。これはいいよ!」神田もカメラを構えて撮りだす。
「俺も撮らないとな…」小野と鈴木も、カメラで撮りだした。

 音楽は5分程で終わった。
「ブラジャー脱いで。今度は、オッパイ丸出しでやるの」
(オッパイを晒すなんて…)やらないと罰を受けるから、背中のホックを外して乳房を
露わにする。
「行くわよ!」音楽が掛けられ、3人は音楽に合わせて体を動かしていると、乳房が円
を描いて揺れていく。

 「最高だぜ!」「本当ね」3人は笑顔で撮り続け、音楽が終わると「パンティも脱ぐ
のよ」淫裂も晒すよう命じた。
「性器まで撮るなんて…」呟きながら、パンティも脱ぎ、ガーターベルトとストッキン
グだけを身に着けて踊り出した。
(これを見られたら、大変なことに…)目からうっすら、涙を流しながら乳房を揺らせ、
淫裂を晒して踊り続けた。

 (早く終わってよ!)祈りながら踊っていると、願いが通じたのか、音楽が鳴りやん
だ。
「もう、いいぞ!」やっと終わったと思い、3人は脱いだパンティ、ブラジャーと着け
ようとした。
「終わったのは踊りだ。これからオ○ンコをやるんだ。勘違いするな!」そう言うと男
の3人はズボン、パンツと脱いで下半身剥き出しになる。

 「そこに3人、仰向けになるのよ。相手を選んでフェラして」聖子が指示する。
(相手を選べだなんて…)顔を見合わせてから、幹子は神田、克子は小野、早苗が鈴木
と選んでフェラを始める。
「フグ、フグ!」唇を動かしていくと、肉竿がカチカチになってくる。
(こんなところで、セックスなんてイヤよ。見られたらどうするのよ)誰も来ない事を
祈りながら、唇を動かしていくと「本番やって、馬乗りよ!」聖子が言う。

 渋々、馬乗りになると「あ~!」淫裂に肉竿が入り込み、声を上げた。
「音楽を流すから、合わせてやって!」音楽が流され、曲に合わせて腰を動かし出した。
(撮らなくても、いいわよ…)そう、思うが3人の正面から、カメラが撮っている。
音楽が流され、腰の動きも揃っているから圧巻で「あ、あ、あ~!」喘ぐ声も揃ってい
た。
「いいわよ。いい画が、撮れる!」満足そうにカメラを構えていると「イヤ、お腹はイ
ヤ~!」悲鳴が次々と起こり、淫裂から白い液体が漏れだした。