「捨て駒の婦警」

                             赤星直也:作

第10話 密約

 「もういいわ。今夜も稼いでね」3人はやっと淫裂から手が退けられ「開店だ。準備
はいいよな!」坂本の言葉で店が開き、それと同時に客が入って来る。
「いたいた。ミニスカだ!」真っ青のミニスカートを履き、乳房の膨らみを晒す3人に、
客が殺到しても不思議ではない。

 「いいね、このオッパイが…」開いた胸に手を伸ばして乳房を掴み(いや、オッパイ
なんて、掴まないで!)恥ずかしくて、客の顔は見れない。
乳房を掴むと、股間の淫裂に当然手が伸びていく。
「どうだい。金は弾むから、俺とオ○ンコしないか?」客達は美貴達を誘い「いやです、
体は絶対に売りません!」きっぱりと断る3人だ。

 美雪の店は開店して間もない事もあり、客がひっきりなしに訪れ、あっという間に時
計が11時を回っている。
「いらっしゃいませ!」美雪が慣れた手つきで、3人の客を案内し「お飲物は、何にな
さいますか?」坂本が注文を取りに来た。

 だが「!」坂本は客と目が合い、声が出なかった。
「よ、元気かね」
「ど、どちら様ですか…。私は記憶にございませんが…」かなり、動揺している。

 「水くさいな、俺を忘れたなんて。すまないがママ、4人きりにしてくれ!」
「分かりました。ご用がお済みになりましたら、お伺いします」美雪が去って坂本と客
の4人になった。

 「やってくれたね。強盗なんて!」
「や、やってませんよ。そんな事なんか…」震えながら言う坂本だ。
「隠さなくてもいいよ。金はお前にくれてやる。だが、あのとき婦警がいたろう。口を
防がないとな」

 「こ、殺すんですか。それは、やめて下さい!」
「そんな事はしないよ。ただ、狂言だったと取り下げたが、見られたかも、知れないし
な…」
「それなら心配いりません。婦警の弱みを握りましたから」坂本はやっと笑顔になった。

 その言葉で、話題が変わり別な話になっている。
「あの金で、ここを買ったのか?」
「いいえ、あれだけでは足りませんでした。売ったんです、工場を!」

 「そうだろうな。あれっぽっちで、こんな店をかえるわけないな。それより、手を結
ばないか?」
「なぜですか。信じられないな、金をくれるだとか、手を結ぼうとか!」
「あまり、詮索しない方が身のためだ。結ぶのか、結ばないのかとっちだ?」遂に男達
は本領を発揮して強い口調に替わった。

 「メリットはありますか。デメリットばかりじゃ、いやですから…」
「あるさ、素人女を抱けるぞ。それに警察の手入れも逃れるかもな」
「警察ですか。一番それがやっかいですからね、それにやくざも…」悩む坂本だ。

 暫く考えて「わかりました。結びましょう!」と言う。
「そうだ。その方があんたの為さ。こっちも、血を流さずに済むしな」やっと笑顔にな
って飲み始めた。

 「女はいないのか?」
「直ぐ呼びます」坂本は合図を送った。
「ほら、お待ちよ、アソコの3人さんが!」
「わかりました。行きます」元気なく、坂本が待つ席に向かった。

 「いいね、この姿が!」3人は隣に座った美貴達の制服を広げて、乳房を見つめてい
る。
「これは美乳だぞ。吸わせろ!」真っ先に、友里の乳房が触られ、乳首が吸われていく。

 「お前のは小さいが、オ○ンコがいいよ」美貴も乳房を吸われながら、淫裂に手が伸
びている。
(いや。触らないで、性器はいや!)心で叫んでも、それは無理だ。

 だが「いや、いやー!」涼子は悲鳴を上げた。
「ほら、やるんだよ!」客がチャックを下げて、勃起した肉竿を涼子の口でなめさせよ
うとしていた。

 「ここは風俗ではありませんよ。クラブですから触るだけです!」さすがに、坂本も
注意した。
「そうか。だったら、オ○ンコとこれを触るか!」大きな乳房を掴まれ、淫裂に手が伸
び「オッパイは優しく揉んでください。乱暴はいやです!」顔を歪めながら、乳房を揉
まれ、膣の中に指を入れられた。

 美貴達は、3人につきっきりの相手をさせられていた。
「いいね。どうせなら素っ裸にならないか?」スカートの裾を持ち上げられ「いや、い
やです。それはいやです!」必死に裾を押さえて、捲られまいとしていた。

 「それなら、オッパイ丸出しはどうだ?」今度は上着が脱がされようとし「ヌードは
いやです。脱ぐのはいや!」泣き声に替わっている。
その声は美雪にも届いて「困った客だわ。私がケジメを付けないと…」美貴達の席に向
かっていく。

 「ママ、助けて!」思わず美貴は叫んだ。
「お客さん。ここは風俗店ではありませんよ」美雪は慣れた口調で言い出し、客が美雪
の言葉を聞いてい間に、美貴達は別な席に行かされた。

 その間にも、時間が過ぎて11時近くになり、美貴達の手伝いが終わり着替えていく。
「もう少しで、裸にされるとこだった…」
「そうね。オッパイが見えるけど、丸出しはもっと恥ずかしいわよね」
「当然よ。性器をチラリと見られるのと、丸出しは意味が違うわよ」着替えが済むとア
パートに戻った。

 そして、翌日も、いつものように更衣室で制服に着替えていると「美貴、今晩付き合
わない?」同僚が話しかけてきた。
「いい店でも見つけたの?」
「そうなの。若い子が一杯いるから持てるのよ、必ず見つけだすわ」

 「あら、男が目当てで行くの?」
「当然でしょう。毎晩、指でなんて寂しいわよ。早くエッチをしたいのよ」
「残念ね。私、今夜は先約があるのよ」

 「またなんだ。仕方ないな、美貴には友里と涼子がいるからな。でも、たまには男と
一緒も楽しいわよ」笑顔で話しかけてきた。
(男って、そんなにいいの。ただ、セックスをしたがる、いやらしい生き物じゃないの
よ!)黙って聞いている涼子と友里だ。

 着替えが終わると、交通課の課長の訓辞を受けて仕事を始めていく。
「美貴さん、今夜はホントにいいのね?」
「当然よ。明日は休みだから、涼子と友里とで遅くまで楽しまないと」
「私もしたいの。明日は休みだし張り切るわよ」涼子と友里も笑顔になっていた。

 12時になると「終わったね、ご苦労様!」明石がねぎらいの言葉を掛けてくる。
「お先に失礼します!」美貴達は私服に着替えて署から出たが「待っていたわよ。婦警
さん!」玄関で美雪が声を掛けてきた。
「何か、ご用でも?」婦警の3人の顔が強ばっている。

 「ここでは何ですから、食事を取りながらではいかがでしょうか?」
「わかりました。ご一緒させて頂きます…」3人は美雪の後を歩き「ここよ、入って!」
(ここは高級料理店だ!)美雪が入ると後を追う美貴達だ。

 店の中は静かで「こちらです」若い女性が案内し「待っていたよ。美貴さん」聞き慣
れた声だ。
(坂本さん達もいるわ、それに店のホステスさんも…)案内された部屋には、店の皆が
揃っている。

 「とにかく座って。食事会みたいだけどね」
「そうだな、食事会かな。とにかく、乾杯だ」ビールがグラスに注がれて飲んでいく。
アルコールを飲むと、話が弾んでいく。

 (そろそろ行く!)坂本は目を輝かせて「美貴、今夜は出張を頼むよ。一晩付き合っ
て欲しいんだ。特別の客だからな!」
「一晩だなんて、いや。きっと、体を求めてくる!」
「いやか。やらないなら、ビデオを表に出してもいいと約束したよな?」

 「やります…。ですから、ビデオだけは許してください…」今にも、泣き出しそうな
顔になっている。
「3人だけだと心配だから、坂本さんも一緒よ。安心して」美雪が気休めを言う。
(やるしかない。ヌードビデオが発覚したら、生きていけないし…)項垂れる3人だ。
その後、坂本が詳しく説明をしていく。

 食事が済むと「これ、バイト代よ」美雪が渡そうとすると「貰うわけはいきません、
公務員ですから」
「そんな堅い事いうなよ。善意だから貰っておけ!」坂本に言われれば逆らえず、黙っ
て差し出された封筒を受け取る。

 「それで、服でも買いなさい。駅前のデパートが売り出し中よ」
「早く行って来い。それから時間までには店に来いよな!」美貴達は料亭から出てデパ
ートに向かった。

 「あら、7万も入っているわよ」
「貰っていいのかしら。心配だわ」
「貰おうよ。オッパイと性器を触られたんだから」
「そうね、その通りだわ。使わないとね」美貴達は久しぶりに買い物を楽しんだ。

 そして、夕方に言われた通りに、店に入ると、坂本はバックを抱えて待っていた。
「着替えは向こうでやる。とにかく行こう!」坂本の車に乗り、走りっていく。
車は繁華街を通り過ぎて、閑静な町並みを走っていく。
「ここだ。ここでやるんだ!」割烹旅館の看板があり、車を駐車場に停めて4人は中に
入った。

 「予約して置いた坂本ですが…」
「坂本様ですね。でしたらこちらへ!」女将らしい、和服を着た女性が案内していく。
「離れをご用意しましたから、思う存分お楽しみ下さい」薄笑いを浮かべている。
(何が「お楽しみ下さい」よ。こっちの気持ちも知らないくせに!)黙って歩いていく
美貴達だ。

 女将らしい女性は、ドアを開けて4人を中に入れる。
「後から3人来るから、よろしくな!」
「心得ております」ドアが閉められて4人だけになった。

 「ほら、制服に着替えろよ!」
「わかりました…」部屋の中で服を脱ぎ、パンティ、ブラジャーも脱いで全裸になった。
「今日はスカートなしだ。いいな!」

 「それじゃ、性器が丸出しです!」泣きそうな顔で言う涼子だ。
「いやでも、やるんだよ」坂本は全裸の3人に、真っ青の上着を渡していく。
「いいな、そんな姿が。オ○ンコ丸出しもいいよ」
「見ないで、性器は見ないでよ!」両手で股間を隠していく。

 「それより化粧だろう。素顔じゃいやだろう?」
「はい。その通りです」下半身丸出しのまま、金髪のカツラを被り、厚化粧をしていく。
さらに付けまつげもして、もう原型はとどめていない。

 (これでいいわ。これなら、わからないし!)鏡をのぞき込む美貴の小さな乳房が上
着からはみ出している。
「いいよな、これがいいんだ!」その乳房が坂本に握られ「いや、触らないで!」手を
振り払う。

 「いやか。でも我慢しろ。お前のオッパイを見ると、興奮するんだ!」
「いや、触らないで!」美貴は友里と涼子の見ている前で、乳房を揉まれ、乳首を吸わ
れていく。
(見ないで。お願い見ないで!)目を閉じ声を出すまいと堪える美貴だ。

 その時、襖を境にした隣の部屋から、お客が入ってようで、声が聞こえてきた。
「お料理も直ぐはこびます」「そうか、頼んだよ」(お客が来たのね、性器丸出しで接
待だなんて!)股間をしっかり両手で覆う美貴達だ。

 その間にも、料理が運ばれて並べられていく音が響いている。
「それでは、ごゆっくりに!」女将の声がしてドアが閉められた。
「準備ができたみたいだな。ここに正座して待っていろ。俺がこの襖を開けたら入れ。
わかったな!」小さな声で言う坂本に、美貴達が頷く。

「よし、待っているからな」坂本はドアから出ていき、3人が残されている。
「とにかく、言われた通りにしましょう!」
「そうよね。正座して待てばいいのね」美貴は坂本に言われた通りに襖に向かって正座
したが、開ききった上着から、乳房の膨らみが見えている。

 友里と涼子も同様に、襖に向かい正座するが、胸元が開いて、乳房の膨らみが覗いて
いる。
(恥ずかしいわ。性器を出したまま接待だなんて!)自然と体が震えていく。

 「お初に、お目に掛かります!」隣から坂本の声が聞こえて来た。
(もうすぐだわ。もうすぐ、アソコを触られる!)美貴達は、性器を触られ、淫裂を肉
竿で突かれる自分の姿を想像をしている。
(いやよ。セックスは絶対にしないわよ!)首を振って振り払い、想像を消している。

 そして「そろそろ始めよう。坂本君!」声が掛かった。
「わかりました。始めましょう!」(いよいよ、オッパイとアソコを触れるんだ!)緊
張が走っていく。

 「出番ですよ!」坂本が襖を開けると「!」美貴達の震えが大きくなり、口がブルブ
ル震えている。
(どうして、どうしてここに!)信じられないといった顔つきだ。