「失われた絆」

                             赤星直也:作

第8話 同僚の凌辱

 それから数日後、恵は慣れた手つきで客の接待をしている。
「百合さん。今夜は頼むよ」マスターが売春を進めてきたが「イヤです。体は絶対に
売りたくありません!」キッパリ拒んだ。
「逆らったね、再教育覚悟なんだ。犬ともやるんつもりかな?」
(そうよ、大型犬とセックスさせられるんだ…)八重の屋敷での事を思い出し、泣き
だした。

 「やるよね。客は優しい人だから」恵は渋々首を縦に振った。
「そうだよ、その方がいい。お客はこちらだ」マスターに連れられ、客の所に行くと
見覚えのある顔だが「お待たせしました…」マスターに悟られまいと振る舞っている。

 客は忠明の同僚の刑事で、目黒俊介と言い、恵が独身時代にプロポーズされた事が
ある。
「百合さんか、いい子だね。ここに座りなさい」獲物を狙うかのような目をして隣に
座らせると、首から手を入れて乳房を掴む。

 (いや、いやです!)恵は首を腕に押しつけたが「百合さん。今夜は僕が慰めてあ
げますよ」なおも乳房を握っていく。
「乱暴は嫌いです…」
「僕は優しいですよ。ここもいいでしょう?」今度は裾の中に手を入れ、股間を撫で
だした。

 「やめて下さい。そこはイヤです!」さすがに、手で押さえた。
(イヤよ、こんな人に抱かれるなんて。でも、忠明さんとは離れたくない…)逃げ出
したいが、逃げる訳には行かず、渋々接待している。
(この人に、忠明さんの事は言えないわ。信用出来ない人だし…)目黒には、夫が閉
じこめられているのを告げなかった。

 そこに「百合さん。ショーをお願いします」マスターが迎えに来た。
(目黒さんの前でヌードになるなんて…)夫の同僚の前でヌードショーをするうえ、
初めて売春だから、動揺が隠せない。
「慌てなくていいよ。ショーを期待しているからね」目黒に言葉を掛けられ、舞台へ
と上がった。

 「お待たせしました。当店自慢の百合さんが行う、生着替えショーの始まりです!」
マスターの景気の良い掛け声で、恵は衣装を脱いでいく。
(目黒さんの前で脱ぐなんて…)体が震えており、衣装を脱ぐと下着も脱ぎだす。

 一方、目黒はそんな恵をグラスを傾け、ニヤニヤしながら見ていた。
下着も脱いで全裸になると、腰を降ろしてMの字開脚していくが、同じ警官に見られ
るのは耐えがたい事だ。
(忠明さん、許して下さい。性器を同僚に見せています…)いつもと違い、太股がブ
ルブル震え、それに合わせて飛び出した肉襞も一緒に揺れている。

 「お待たせの抽選になりました。6番の目黒さんです!」マスターの呼ぶ声に、目
黒が立ち上がった。
「いやよ。そんのいや!」顔まで震えだすが「偶然ですね、百合さん」機嫌良く舞台
に上がって来た。
「これでお願いします」マスターがスプレーを手渡し、目黒はそれを股間に吹き付け、
掌で伸ばしていく。

 指は淫裂を触っていき、クリトリス、膣と恥ずかしい部分を撫でるようにしている。
「もういいわ。早く剃って下さい…」これ以上、触られたくなかった。
「わかりました。それでは行きますよ」カミソリに持ち替え「ジョリ、ジョリ!」無
毛の淫裂を剃っていく。
(早くして。早く終わって!)恵にとっては長く感じられる時間だ。

 「終わりましたよ」剃り終わると、淫裂を触られていく。
「ダメ、指は入れないで!」
「そうですよね。後でチンポが入りますしね」今度は乳房を揉み、乳首も吸い「あ、
あ、あ!」敏感な部分をやられては声が出てしまう。

 「それより、服を着させて下さい…」
「わかりました」乳房から手を放して、パンティを広げ、それに足を通していく。
(悔しいわ。でも、マスターに気づかれたら、私と忠明さんの命が危ないし…)何気
ない振りをしていた。

 そして、閉店の時間がきた。
ホステス達は出入り口に並んで客を見送り、外で待つ客と一緒に3階の自分の部屋に
連れて行く。
恵も今夜、初めて目黒を連れ込んだ。

 「百合さん、やらせてくれ!」強引にベッドに押し倒して、衣装を脱がしていく。
「だめ、そんな乱暴はイヤです!」抵抗しても無駄だった。
まるで、強姦するかのように下着を脱がしだし「イヤ。レイプはイヤ!」拒んでも手
を休めない。

 抵抗する恵は、両手首を後ろ手に縛られ、自由が効かない事をいい事に乳房を鷲づ
かみする。
「言えよ、私を買って下さいと…」
「いや、言いません!」拒むと、更に力が入って「か、買って下さい、私を買って下
さい…」途切れ途切れに言う。

 「わかった。買ってやるぞ、礼を言え!」
「私をお買いあげ頂き、ありがとうございました。今夜はタップリご奉仕します」目
からは涙が流れている。
「そこまで礼をされたら、タップリ楽しませてやるよ」肉竿を押し込み「ん、ん、ん
!」苦痛で呻き声を上げた。

 それでは済まず、肉竿が強引にピストンを始めて「ヒー!」痛みに背中を反らせて
いく。
「気持ちいいよ。こんなオ○ンコは初めてだからな」乳房を揉みながら腰を振ってい
るが「う、う、う!」その間、恵は泣き続けた。
(忠明さん、許して下さい。こうするしかなかったんです…)詫びながら泣いていた。

 やがて、目黒が絶頂を迎えた。
「イヤです。お腹はイヤです!」
「飲んでいるそうじゃないか。出させろ!」腰を押さえ、逃れないようにされて「う、
う、う!」同僚からの屈辱に泣きながら、淫裂から白い液体を流していく。

 この後、目黒は恵を四つん這いにして、2回も淫裂の中で噴射してから帰った。
(許して。あなた、許して下さい!)初めての売春に浴室に入り、幾度も幾度も淫裂
を洗っている恵だ。

 一方、近くのホテルでは男2人と女1人の3人がヒソヒソ話し合っていた。
「何で、あいつをよこしたんだ?」
「だって、あなたが信用できなかったからよ。私をかまってくれないから懲らしめた
の…」

 「そうだよ、そうムキになるな。俺だって、いい思いをさせて貰ったしな」
「ねえ、どんな感じだった。セックスして?」
「最高さ。泣き続ける女を抱くのもいいもんだぞ」

 「ねえ、早く私を奪ってよ。この年で処女はいやよ」男の手を胸に導く。
「わかっているよ。でも、お前の親父がうんと言わないだろう。それまではダメだよ」
「イヤ、先にやっちゃう手もあるぞ、今、流行だからな」
「おいおい、俺の身になってくれよ。表にも出られないんだぞ!」

 「もうすぐだよ、種はまいたから。そうしたら、すぐに出られるさ」
「そうしたら、別れて。私、いい奥さんになるから」
「そうしたら、あいつは俺が頂くよ。しっかりビデオと写真も撮って置いたし」
「あれくらいじゃダメよ、もっと撮らないと…」

 「おいおい、程々にしてくれよ。たれ込まれたら困るから」
「わかっているわよ、程々にするわ。それから、あなたも動いて貰うわよ」
「わかっているよ。うまくやるから」3人は笑顔になっていた。

 その翌日、恵が知らない間に忠明がどこかに連れて行かれ、それと同時にキャバレ
ーに、課長の中尾と愛子が客として訪ねてきた。
「やっと会えたな。ここにいたとは驚きだ!」

 「それより、地下室に夫が閉じこめられています、急いで下さい!」
「わかった、応援を呼ぶよ」それから数分後に、警官が数人店に来て「何のようです
か?」マスターは慌て顔だ。
「地下を調べさせて貰うよ」中尾達は地下を調べ、鉄格子の部屋を見つけたが、もぬ
けの殻だった。
「遅かったか…」中尾は悔しさを現したが、愛子は複雑な顔だ。

 中尾は事情を聞く為に、マスターと恵を警察に呼んだ。
恵の事情聴取は愛子が行っている。
「恵さん。お願いですから、あの事は言わないで下さい…」
「わかっています。私だって、愛子さんに言われたら困るわ。あの事はお互いの秘密
ですよ」
「そうして貰えれば助かります。それでは始めましょう」愛子は八重の屋敷でされた
レイプを、黙っていると聞いて笑顔になっている。

 しかし、恵には目黒との事が脳裏から離れない。
金で体を売った事が忘れられず(忠明さんに、他の男に抱かれたのを知られたらどう
しよう?)そればかり考えていた。

 警察からの事情聴取が済むと、恵は久しぶりに忠明と暮らしていたアパートに戻っ
た。
「やっぱり自宅はいいわね」囮を始める前と何も変わらない。
ただ、ホコリで汚れているのが違っている。

 恵は家の中を掃除をし、今までの垢を降ろすかのように体を丁寧に洗っていく。
「恥ずかしい思いは、これで終わりだし」無毛の淫裂も丁寧に洗っているが「忠明さ
んは、どこにいるのかしら?」相変わらず不安だ。

 その夜は、久しぶりにグッスリと眠り、目覚めた時は7時を回ろうとしている。
「いけない、今日から勤務なんだわ」急いで化粧と、着替えを済ませて城北署に向か
った。

 城北署では、すでに、連続失踪事件に付いての会議が行われていた。
「失踪したのは若い女性ばかりで、しかも、多重債務者ばかりです」
「多重債務者ばかりか?」
「はい。しかも、数人は国外に脱出したと思われます」
「失踪は、中国マフィアと接触してから直ぐにです」

 「その組織はわかるか?」
「はい、前々から調べていましたからわかります」
「そこを徹底的にマークしろ」会議が終わり、愛子や中尾が出てきた。

 「中尾さん、ここが本部になったんですか?」
「そうなんだ、小池君の拉致が確認されたから、ここが本部になったんだ」
「連れ去られた先は、わからないんですか?」
「多分、中国マフィアだと思う。ひょっとしたら、麻薬の取引現場を目撃したのかも
しれんな…」

 「無事に戻れるでしょうか?」
「心配するな、我々が必死で捜査しているんだ!」肩を叩く。
そこに「課長、小池さんの奥さんからもっと詳しく事情を聞きたいのですが…」目黒
が現れた。
「かまわないよ。そのほうが参考になるしな」

 「奥さん、申し訳ありませんがお聞かせ下さい。勿論、会議室でやりますから」
「君、当然だよ。取調室じゃあ失礼だよ」笑顔で中尾は去って行き(話なんかしたく
ないわ。私の体が欲しいだけでしょう)嫌がっても、目黒と一緒に会議室に入るしか
ない。

 目黒は「奥さん。売春までしていた理由を、お聞かせ願えませんか?」椅子に座る
なり言い出す。
「そ、そんな事していません!」強ばった顔で言うと「嘘はいけませんね。これが、
キャバレーで素っ裸になっている写真ですよ」テーブルに写真を並べた。

 それは、間違いなくキャバレーで生着替えの時の写真で、全裸になった恵が綺麗に
写っている。
「これでも、知らないと言いますか?」
それには「う、う、う!」堪えきれず泣きだした。

 「僕は女性に泣かれると弱いんですよ。それにヌードにも。どうでしょう、黙って
いますから、ここでヌードになって貰えませんか?」恵の体が震えている。
「なりますよね、ヌードに…」目黒は恵の制服のボタンを外しだした。

 「こ、これっきりですよ。約束して下さい…」
「わかりました。ヌードは今回限りです」
(脱ぐしかないわ。あの写真が公になったら、私は生きていけない…)ブルブル震え
る手で、ワイシャツのボタンを外すと、胸が開いてピンクのブラジャーが覗いている。

 「いいですね、ピンクですか。パンツもピンクですよね?」
「は、はい。そうです…」胸を広げ、背中のホックを外すと乳房がブラジャーから飛
び出す。
「いつ見ても、いいオッパイですな。小池君がうらやましです。毎日こんなオッパイ
を吸えるんですから」ジッと見ている。

 「これで許して貰えませんか?」
「そうは行かないな。全部見せて下さい」仕方なくスカートを下げると、ピンクのパ
ンティが股間を包んでいる。
そのパンティを掴み、引き下げていくとゴマ塩のような股間が露わになっていく。

 「できません。これ以上無理です…」パンティは膝までしか下げられてない。
「それ以上は無理ですか。仕方ありませんね。奥さん、オッパイをもっと見せて下さ
い」言われた通りに、ブラジャーを持ち上げ、制服を広げて乳房を露わにした。

 「いいですね。これも撮らせて下さい」
「い、いやです。約束が違います!」
「あれ、写真に撮らないとは約束していませんよ。撮らせないなら、この写真も捜査
の資料にしますが?」
「それはやめて下さい。撮ってもいいですから…」

 「あれ、そんな言い方はないでしょう。私のヌードを撮って下さいでしょう?」
「目黒さん、お願いですから、私のヌードを撮って下さい…」言い終わると涙が流れ
ていく。
「いいでしょう。そこまで言うなら撮って上げますよ」制服を広げ、乳房と淫裂を晒
した姿を撮っていく。

 (イヤ、もういや。あなた早く助けて!)叶わぬ事を願っているが「奥さん。もっ
と笑顔になって下さいよ」言われた通りの作り笑いをし、それをカメラに収めるが、
目黒の辱めはこれだけでは済まなかった。