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「罠に落ちたOL」
赤星直也:作
第9話 辞職の強要
「カーン!」ゴングが鳴り、うかつに手を出せば負けるのがわかっているから慎重
に動いている。
「どう、今夜の相手をしてくれるなら遠慮するわよ、おレズさん!」
「私はそんな趣味ありません!」言い終わらない内に飛び込んで、股間を覆う布を掴
んで捲り上げた。
「な、なにするのよ!」叫ぶが相手の股間が見えている。
「オ○ンコだ。オ○ンコだ!」客が囃したて、性器を見られて相手も怯んだ。
(今だわ!)一気にパンツを引き下げた。
「いや、いやよ!」慌てて股間を手で隠し、それでも麻衣が強引に脱がしていく。
麻衣は力負けすることなくパンツを脱がしてしまった。
相手は「やったわね!」淫裂を晒しながら反撃に出て、実力が上だからかなう訳がな
い。
それでも、麻衣は全裸にされながらも食い下がって「これもよ!」力を入れて乳房を
隠す水着を奪い投げた。
「やってくれるじゃないのよ」お互いに全裸での戦いになっているが、実力の差で麻
衣が負けた。
「残念だったな」「これがいいとこです」麻衣は全裸を晒したが泣かなかった。
(どうせ、性器まで見られてしまったし!)その後、3回戦もやったが、今度はこて
んぱんにやられてしまった。
ショーが済むと織田に送られてアパートに戻ってきた。
「疲れたわ。でも、たいしたお金にはならないんだ。もっと、いい方法がないかしら
?」風呂に浸かり考えるが、いい考えなど浮かばなかった。
翌日、麻衣は何もなかったかのような顔をして会社に入ると「伊藤君、ちょっと話
があるんだ。来て貰えないかな」総務課長が麻衣の腕を掴んで、強引に会議室に連れ
込んだ。
「昨日の夜、あるクラブで飲んでいたら、君そっくりの女性がプロレスをしていたん
だ」
(見られた、私の全てを!)「そ、それで?」声が震えている。
「その人は素っ裸にされたんだ。しかも、ヘアを剃って女性のシンボルまで晒して
いたんだよ」
「それと、私がどういう関係ですか?」
「側にいた男が『麻衣!』って叫んでいたんだ。君も麻衣だったよね?」
「はい、そうですが、フルヌードだなんて…」足がガクガク震えている。
「その麻衣という女はパイパンなんだ。ヘアがないんだよ!」
「それで?」
「確かめたいんだ、君でないと言う事を!」
「イヤです。ここで裸になれと言うのですか?」
「そんな事はしないさ。女性同士なら構わないだろう。僕は消えるよ」そう言い残し
て課長は会議室から出た。
変わって、同僚の女性が入ってきて麻衣を取り囲む。
「何をするのよ!」怯えて叫ぶが「確かめたいの。麻衣がそんな破廉恥をしてないと
思うけど」数人掛かりで麻衣の体を押さえ、スカートを脱がしだす。
「やめて。そんな事やめて!」暴れるが無駄で、スカートが脱がされパンティが現
れた。
「イヤ、それはイヤ!」
「確かめさせて、ヘアが有るか無いかを!」麻衣のパンティが掴まれ「やめて、お願
いよ」叫ぶが、大勢に抑えられてはかなう訳がない。
パンティは一気に膝まで下げられ「無い、ヘアがない!」「そんなの、嘘でしょう
?」代わる代わる麻衣の股間を見ていく。
「信じられない、麻衣が素っ裸を人前に晒していたなんて!」驚く同僚の前で、閉じ
た目から涙を流していく麻衣だ。
麻衣のヘアが無いのは直ぐに報告された。
「伊藤君、考えてくれたまえ。恥をさらすべきか、自ら引くべきかを!」総務課長は
退職届を前に置いた。
「やめろと言う事ですね?」
「そんな事は言ってない。恥を掻きたいかと聞いているんだ!」
「わかりました。やめさせて頂きます」麻衣は涙を流しながら退職届に記入してい
く。
書き終えるとそれを差し出し「君は帰っていいよ。荷物は今日中に届けるから。それ
に、書類も直ぐに届けるよ」お払い箱になってしまった。
麻衣は悔しさを味わいながらアパートに帰ってきた。
部屋に入ると「う、う、う!」一気に泣きだして「どうしたらいいのよ、これから…」
涙が止まらない。
麻衣が泣いていると、会社から私物の入った段ボールが届けられた。
それに、退職金の振込金額や、年金証書などが入っている。
「会社は縁を切ったと言う事ね…」泣き続ける麻衣だ。
そうなる事が分かっていたかのように、織田が訪ねて来て「おや、今日は元気がな
いね?」尋ねる。
「首になりました…。アルバイトが見つかって…」
「それは困ったな。これからどうするんだ?」
「当てなんかありません。私が聞きたいくらいです…」また泣き出した。
「泣くなよ。それだったら、アパートを出て、私の家のメイドをしてみないか?」
織田の言葉に「住み込みですよね?」見つめる。
「勿論です。咲代の世話をして貰えればいいんです。私の世話もお願いしますが…」
「セックスもですか?」
「当然です。でも、バージンは破りません。真似事です。それに咲代とも」
「織田さんとは構いませんが、何て言ったらいいのかな、奥さんに抱かれると、変
な感じなんです…」
「それが普通なんです。妻は病気を持っていますから、ああなってんです。考えて貰
えますか?」
「そうよね、このまま居たってアパート代が払えないし、職もある訳じゃないし…」
「でしたら、明日にでも越されては?」大家さんと相談してから決めます。越す日は
後で連絡しますから」
「そうして下さい。そうだ、引っ越し代をお支払いしますよ」10万程入った封筒を
渡した。
「いつも済みませんね」
「引っ越し代ですよ、軍資金には、絶対に使わないで下さいね!」
「分かっています。反省していますから…」
「それを聞いて安心しました。連絡を待っていますよ」織田は出て行った。
「これからはメイドで稼ぐしかないのか!」事実上は首の身だから、再就職だって
有るはずがない。
まして、この不景気だからまともな仕事は見つからないのを麻衣は知っている。
「ソープや風俗やるんだったら、メイドがましだし…」自分に言い聞かせながら、大
家と連絡を取って引っ越しの日を決めてく。
そして、1週間後に、麻衣は織田の屋敷に越した。
「待っていたわよ、麻衣さん!」
「何をしたらいいのか知りませんので、これからはよろしくお願いします」
「大丈夫よ、私が教えてあげるから。それより、このお部屋を使って頂戴」咲代に案
内された部屋は8畳もある。
「いいんですか、こんな広くて?」
「当然です。これからは一緒にお付き合いするんですから」咲代は麻衣の顔を押さえ
唇を押しつけてきた。
「お、奥さん!」慌てる麻衣だが(イヤだな、レズの相手をさせられるなんて。でも、
借金を返さないといけないし…)麻衣も渋々唇を押しつけ咲代の機嫌を取っていく。
「そうよ、それでいいの。お風呂やトイレは共同ですから。洗面所も一緒よ」
「わかりました」
「荷物を整理したら来てね、家の中を案内するから」
「分かりました。後でお伺いします」咲代が出て行くと「このベッドで抱かれるのか
しら。オチンチンが入ると痛いしな…」独り言を言いながら運び込まれた荷物を片づ
けていく。
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