「OL哀歌~加奈子編」

                               赤星直也:作

第36話 リゾート計画


 加奈子が戻ると「加奈子さん。僕はこれを事業としていきたいんだ」健三はリゾー
ト用のマンションを打ち明けた。
「すごい計画ですね、でも、我が社だけでは無理よ。だいいち資金がないし…」
「お金なんか、気にしなくていいよ。僕の会社から資金を出してもいいし」

 「健三さんもオーナーだったの?」
「知らなかったのか。東西鉄道と東西デパートは僕が大株主なんだ。80%を持って
いるよ」
「すごいわ。大金持ちなんだね!」
「驚いたかい。どお、加奈子さん、僕の玉の輿にのらない?」

 「いやです。一回セックスをしたからって、そんな目で見られたくありません!」
「そうか、残念だな。思う存分贅沢させようと思ったのに」
「私は贅沢なんかしなくていいんです。精一杯、生きていくのが楽しいし…」書類を
読んでいくが(好きだな、その考えが。絶対に僕の嫁さんにしてやるぞ!)健三は加
奈子を笑顔で見つめていた。

 そこに有美が入って来て「加奈子さん、これからは私の家に住み込みよ。覚悟して
頂戴!」命令される。
「わかりました」
「引っ越しは明日にしなさい。業者を手配するからね!」有美はそれがいいと考えて
いた。
それを(加奈子さん、これからは一緒だね)喜ぶ健三だ。
秘書を命じられた加奈子は、雪江や彩子の手伝いを受けて引っ越した。
「待っていたよ、加奈子さん!」健三は車椅子を押しながら出迎え「加奈子さん。健
三と結婚してくれたら、私何も言うことないのにね」有美は盛んに進めている。
それには(気持はありがたいけど、それとこれとは別よ)俯いて黙ったままだ。

 「姉さん、それよりも歓迎会だよ」
「そうよね、歓迎会をしないとね」その夜は加奈子の歓迎会が行われた。
「加奈子さん、健三の背中を洗ってくれないかしら、私酔って無理なの」
「わかりました」加奈子は健三の車椅子を押して、浴室に向かう。

 「健三さん、私も脱がないとだめなの?」"
「服が汚れるよ。一緒に脱ごうよ」
(仕方ない。脱ぐしかないな…)加奈子も健三と一緒に、生まれたままの姿になって
いく。
「加奈子さん、オッパイが綺麗だね。触りたいよ」
「軽くよ、乱暴にしないでね」加奈子は健三に胸を差し出した。

 「加奈子さん。欲しい、今夜欲しいよ」
(困ったわ。セックスはしないと約束したけど、健三さんに言われると断れないし…)
黙ったままだ。
「いいでしょう、加奈子さん!」乳首を吸われ「あ、あっ!」喘ぎ声をあげてしまっ
た。
(気持いいわ。健三さん、わかったから、お風呂に入りましょう!)加奈子は胸に顔
を付けた健三の頭を撫でていく。

 「ありがとう、加奈子さん!」淫裂にも手が伸び「先にお風呂に入ってから!」
「わかった、一緒に入ろう!」2人は体を洗いだう。
そして、風呂から上がった2人は健三の寝室で抱き合った。

 翌朝、加奈子と健三は、一緒に車椅子が乗れる専用のワゴン車で会社に向かった。
「おはようございます」挨拶をしながら2人は部長室に入っていく。
「加奈子さん、早速だがリゾート計画を考えてくれ。どれだけ金が掛かるか知りたい
んだ」
「わかりました」加奈子は健三に言われたとおりに計算していく。

 「部長、これだけ必要です!」
「100億か。で、採算は取れそうかな?」
「全部が埋まれば充分取れますが、知名度が低くて無理です」
「何とかして、作りたいな。生まれたままの姿で過ごすリゾートが!」考え巡らす健
三だ。

 「そうだ、芸能人などの有名人を、大勢呼べれば有名になるぞ。当たってみるか!」
健三は早速電話を掛け捲った。
「そうか、来てくれるか、ありがとう!」次々と電話を掛けていく。"
「部長、社長にもお手伝いいただいた方がいいのでは?」
「そうだな、姉貴にも手伝って貰うか」健三は有美に電話を掛けて、協力を約束して
貰った。

 健三と有美の働きかけで、多くの申し入れがあった。
「実は用地の買収は終わっているんだ。すでに工事が始まっているよ」健三は加奈子
に説明する。
「でしたら、現地説明会を開いてみてはいかがで?」加奈子の提案に「そうだな。デ
モンストレーションといくか!」
健三はリゾート用の別荘も計画していて、半分ほどが完成していた。

 そして、デモンストレーションの日が決まった。
「この日は女性社員も全員参加して下さい。旅費は全額会社持ちです、それに日当も
出します」
「でも、そこって、ヌードのリゾートでしょう?」裸を見られるのはいやだ。
「勿論ヌードよ。でも、今回のデモンストレーションに来るのは有名人達なの、歌手
のアマップ、それにキョロロ…」有美は有名な芸能人達が参加するのを伝えた。

 「あのサンタクがのヌードが見れるんだ。嬉しいわ」社員達は喜んだ。
「でも、自分もヌードよ。お互いにヌードを見せ合わないと不公平だからね」
「それは当然です」不安が消えて、有名男性のヌード見たさで期待が膨らんでいる社
員達だ。

 準備をしている間にも、計画した現地説明会が近づいてきた。
「彩子さんに雪江さん。先遣隊として準備をお願いします」
「指名していただきありがとうございます。頑張ります」答える彩子と雪江だ。
「社長、女性2人だけだと万が一ということがあります。責任者として、私も行かせ
て下さい!」課長の木村が名乗り出た。

 「課長、私達では信用できないのですか?」不満をいう彩子と雪江に「違うよ、心
配なのは君たちの体だよ。寂しい場所で女性2人がいたらどうなるか想像できるだろ
う?」
「課長、私達の体を心配してくれてありがとうございます。誤ります」
「そうね、木村君、よく気が付いたわ。女性は弱いから守って上げないと。いいわ、
木村君も一緒にお願いする」
「社長、強い女性もいますよ。僕、殴られましたから!」
「ア、ハハハ!」有美の笑い声が響いていた。