「波瀾のOL」   
                                 赤星直也:作
第10話 写真の取り戻し

 モデルのアルバイトを終えて、アパートに戻ると手紙が入っていた。
「誰かしら?」開けると、写真とメモが入っており、そのメモを読むなり「イヤよ、
どうしてよ!」泣き出し持っていた写真が落ちた。

 その写真は、晴美が全裸で、Mの字に足を開いている写真だ。
「今度やったら、またやらされる。それに、何時までも…」悩んだ末に「高橋さんに
相談しよう…」電話で、高橋と連絡を取った。

 「はい。下着なしで出勤しろというんです…。それに、勤務時間中にオナニーしろ
と…」泣きながらメモに書かれた事を話した。
「やらなかったら、私のヌード写真をばらまくそうです…」
最後に「2回レイプされました…」泣きながら打ち明けると、高橋は後から電話する
から、待っていろと伝えた。

 「何とか、なればいいけど…」不安なまま、いつものように風呂を沸かして、避妊
薬を飲むと電話が鳴った。
「はい、天野です…。わかりました。そうします…」相手は高橋からで、いつものよ
うに下着を着て出勤しろとの電話だった。
切れると、受話器を置くが「大丈夫かしら、心配だわ」不安で睡眠不足のまま、朝を
迎えた。

 翌朝「普段の通りと、言っていたし…」いつもの通りに、下着を着て服を着だした。
「橋本さん、何もしなければいいけど…」服を着終えると、昨日の手紙と写真を持っ
て出勤した。

 いつものように出勤すると、高橋と鈴木が待っており「一緒に行こう」応接室に入
った。
応接室には営業課長がいて、何事かと、言った顔をしている。
その課長に「すみませんが、橋本君と変わって貰えませんか?」
「わかりました」課長は出て行き、変わって「お待たせしました」橋本が入ってきた
が、晴美がいるのに驚いた顔をしている。

 「実は、君にお願いがあってね。この子の写真を、全て返して欲しいんだ」
「写真と言っても、私には意味がわかりませんが…」惚ける橋本の顔が、真っ青にな
っている。
「素直に返せば、なかった事にする。出さないと言うなら、会社との取引をやめるよ。
それは、君のせいだからね」

 「鈴木さん、それだけはやめて下さい。僕は首になってしまいます!」
「首なら、やり直せるじゃないか。この子は、消せない傷を負ったんだよ」
鈴木の言葉に「謝ります、この通りです!」威勢のよかった橋本が、晴美に土下座し
た。
「頭を下げても、レイプされた事実は消えないのよ!」晴美は涙声になっている。

 「許して下さい…。もう、しません…」
詫びを入れる橋本に「直ぐに持ってきたまえ。課長に言っておくから」橋本は応接室
から出て行き、1時間程経ってから、バックを持ってきた。

 「これで、全てです」メモリーやディスクを渡した。
「信用していいんだね?」
「はい、嘘は言ってません!」
「それならいい。もし、発覚したら、脅迫罪で告発するからね」
「絶対にそんな事はしません、誓います!」

 「わかった。もういいよ」橋本は応接室から出て行き「晴美さん、これでいいだろ
う?」高橋の言葉に「ありがとう御座います、何とお礼を言っていいやら。所でこれ
は?」
「僕が預かるよ。独身だから、晴美のヌードでオナニーさ」

 「イヤよ、オナニーなんて。したかったら言って。高橋さんなら、いつでもいいわ
よ」
「そう、言って貰えると嬉しいね。だが、橋本と巧くやれるかな?」
「晴美君なら、大丈夫だと思う。お互いに、意識しないようにすればだけど…」鈴木
が言う。
「そうしま…す」こうして、高橋と鈴木の力で晴美の恥ずかしい写真を取り返せた。
それからは、橋本も晴美を意識せず、晴美も橋本を意識しないようにして、何事もな
くなった。

 それから数週間後、いつものように仕事をしていると「糸川が、保釈されるそうだ」
その情報が会社内に広まった。
(どうしよう、関係を知られたら困るし。あそこにいたら、必ず来るわ…)悩んでい
るが、引っ越すにも越す当てなどない。
悩みながら、仕事を終えて、バーのアルバイトをしていても、元気がなかった。

 「晴美、何かあったの?」気づいた真美が聞くと「実は…」打ち明けた。
「それは困ったわね。何なら、私と一緒に暮らそうか?」
「いいんですか、一緒でも?」
「歓迎するわよ。早く越しなさいよ」そう言う事で、晴美は真美のアパートに転がり
込んだ。

 部屋は6畳2間だが、チッキンも風呂もあるから生活には苦労はない。
勤務先までも、今までとは対して変わらず、バーも近い。

 引っ越しを終えると「真美ありがとう。今夜はしてあげるね」真美の服を脱がし、
乳房を露わにすると「綺麗よ。このオッパイが好きなの…」指先で、乳輪を撫でてか
ら、乳首を吸う。
「いいわ。晴美にされると気持ちいい…」晴美の頭を抱きしめ、恍惚とした顔になっ
ていく。

 「ここも、いいでしょう?」パンティも引き下げて、絨毛を撫でだした。
「いいわよ、晴美ならしてもいい…」淫裂も指で触られ「あ~!」甘い溜息も出して
いく。
晴美が真美を相手にしていくと「私にもさせて」今度は、真美が晴美にした事をやり
だす。

 「いいわ、そこがいいの…」指が、晴美のクリトリスを撫でながら、乳首も吸われ
た。
「真美、何時までもこうしていたい…」「私も晴美と居たい…」2人は夜遅くまで、
抱き合った。

 晴美が越してから、2週間後にバーに高橋が現れた。
「晴美、返済どうなってるんだ。ハガキが戻ってきたぞ!」
「そうだ、言ってなかったんだ。ご免なさい、真美の所に越したの。悪気はないのよ」

 「どうして越したんだ?」
「糸川さんが、保釈されるって話だから越したの…」
「そうか、あいつも保釈か。また、やっかいになったな」思案顔になっている。
「困ったら、助けてよ。男で頼れるのは、高橋さんと鈴木さんだけなんだだから」

 「女では、真美か?」
「意地悪言わないで。決まってるじゃないのよ」顔が赤らんだ。
「でも、あそこだと問題だな。仕事もしたいんだろう?」
「勿論です。やめたら、返せませんから」

 「よし、俺が面倒見よう。真美と一緒にな!」
「助かります。それから、支払いは明日行きます」
「わかった。今夜は飲むぞ」そう言うと、胸のくり抜きに手を入れて、乳房を握った。
「そこだけじゃなくて、もっと、して欲しい…」指先が、乳首を摘んで転がし「あ~」
甘い声を上げていると「高橋さんか。それじゃ仕方ないわね」真美が寄ってきた。

 「一緒に、暮らしてるんだってな!」真美の乳房も揉み出すと「そうなの、晴美が
大変らしいから」
「俺が面倒見るよ。真美と一緒に!」
「ありがとう。でも、セックスはダメよ。晴美以外としちゃダメだからね!」

 「真美は、鈴木さんと以外はセックスダメだぞ」それには、顔を赤らめながら「当
然よ、あのを人好きなっちゃたし」平然と言う。
「泣かせるね、それでは乾杯だ!」3人は乾杯しながら楽しんだ。
 
 翌日、晴美は真美と一緒に高橋の所へ出向いた。
「今月の支払いです」モデル代とバイト代で50万ある。
「利子が10万だから40万しか減らないよ。これで残金が865万だけど、135
万返したから、利子が9万に減るからね」領収書と残高の書かれた用紙が渡された。

 「よくやったよ、半年近くで100万返すとは驚きだ。それから、昨日の話だけど」
高橋はアパートを紹介した。
「でも、高いんでしょう?」
「そんなに高くはないよ。2人だから半分ずつで…」説明する。
「それなら、やって行けそうね、晴美と一緒ならいいわ」真美は承知した。
「そう来るだろうと思った。その向かいが、俺なんだ。これなら安心だろう?」
「そうね、安心出来るし」

 「越すのは早いほうがいいぞ。保釈前にした方がいいな」
「そうします」2人は越す事にし、晴美が先に越し、真美はそれから1週間後に越す
事にした。
晴美は引っ越すと、真っ先に高橋を訪ね「高橋さん、お世話になります」部屋の中に
入ると、2人の部屋よりも広くできている。

 高橋は「晴美に、見て貰おうと思って!」それは橋本が撮った写真だった。
「見たくもないわ。そんな、写真なんて!」
「そう言うなよ。中にはいいのがあるんだ…」並んだ写真を見ると、エロを引き立た
せたのもあるが、性器のアップなど、卑猥なのもあって「これはいいとして、これは
嫌い!」並んだ写真を仕分けしてく。