「薄倖の星の下に」

                               赤星直也:作 
第9話 弟の出現

 瑞穂が引っ越しのために荷物を片づけていると「すみません。諸星さんのお宅はこ
ちらですか?」まだ若い男性が訪れた。
「はい、そうですが?」
「姉さんだね、会いたかった。やっと会えた!」

 「あのう、どちらで?」
「桑田一雄です。弟の一雄です!」
「か、一雄なの、間違いなく一雄なのね?」
「そうです、姉さん。会いたかった!」2人はやっと、血の繋がった肉親と巡り会え
た。

「どうして、早く来てくれなかったのよ!」
「施設に入れられていたんだ。強盗をしたから…」
「悪い事をしたのね。どうしてそんな事をしたのよ!」
「仕方なかったんだ。施設出身だから仕事が見つからなくて…。生きていくためには
仕方がなかったんだ…」

 「だめ。そんなことはだめよ!」
「もう悪い事はしないよ、姉さん!」
「約束よ、一雄!」2人は泣きながら抱き合い「ところで、姉さんはこれからどうす
るの?」一雄から聞かれた。
「行く当てがないのよ…」
「だったら、僕のアパートに来ないか。狭いけど…」

 「そうね、暫くその方がいいかもね」話しがまとまると、数少ない荷物を持って電
車に乗った。
「これからは、姉さんと一緒だね」
「そうね、これからは姉弟で暮らせるんだし」希望を抱いての出発だ。

 一雄のアパートは8畳一間で、キッチンと風呂はがあるが、2人が暮らすのには狭
すぎる。
「我慢しないとね」
「そうね、そうするわ」2人は荷物を片づけていく。

 一通り済むと「お風呂が沸いているわ。一雄!」声を掛けた。
「姉さんから入ってよ」
「一雄からよ。ここの主なんだから」
「わかった、先に入るね」一雄は風呂に入ったが、風呂と言っても1人住まい用だか
ら区切りがなく、服を脱いでいくのも見えている。

 (まだ、傷が残っているんだ。あの時の傷が…)背中に縫い込んだ跡が残っている。
一雄は全裸になって、体を洗い、お湯に浸かっていく。
「一雄、体を洗ってあげるね」
「恥ずかしいよ、姉さん!」
「遠慮しないで、姉弟なんだから」瑞穂は中に入って一雄の背中を洗いだした。

 「はい、前よ」
「恥ずかしいよ、いくら姉さんでも。姉さんも裸ならいいけど…」
「いいわ、一緒に入ろうよ。捨てられた時以来だしね」瑞穂は一雄の前で服を脱ぎだ
し、パンティ、ブラジャーも脱いで全裸になった。

 「姉さん、女の体ってこうなっているんだね…」
「そうよ。一雄は見た事ないもんね」
「うん、3年間入れられたから、女性を知らないんだ。触らせて」
「いいわよ。、そのかわり優しくよ」一雄は瑞穂の乳房を触わり、乳首も触っていく。

 その後は手が股間に伸びた。
「姉さん。ここにはヘアが生えるって聞いていたけど?」ピンクの淫裂を触っている。
「剃っているの。生えたら見せてあげるわね」
「中も見せて!」指が膣の中に入り淫裂を広げていく。

 (恥ずかしいわ。でも、弟には性器を知って貰わないと…)じっくりと淫裂を見つ
めた後、一雄は「これは何なの?」と触っていく。
「オシッコよ。ここからオシッコが出るのよ」
「ここは何なの、ぽっくり空いているけど?」
「お、オチンチンが入るのよ。ここに!」さすがに顔が赤くなった。

 一雄はその後も聞いてから体を洗われ「今度は、僕が洗ってあげるね」「お願いす
るわ」瑞穂は一雄によって体を洗われた。
風呂から上がると二人は同じ布団に寝なければいけない。
「ごめんね。明日買ってくるから…」
「いいわ、気にしなくても」2人は布団い潜り込んで眠りについた。

 しかし「あ、あ、あ!」瑞穂は物音で目が覚めた。
(何かしら?)一雄を見ると、気持ちよさそうな顔をしており(オナニーをしている
んだ…)股間の部分が動いている。
(もう年頃だし。手伝ってあげないと…)瑞穂は手を伸ばして肉竿を掴むと「してあ
げるわ。したいんでしょう?」擦り出す。

 「ね、姉さん!」突然の事で慌てる一雄に「遠慮は要らないわよ。姉弟だからね」
掴んだ肉竿をなおも擦りだした。
「姉さん、気持ちいい。本当にしたくなった…」一雄は瑞穂のパジャマに手を掛けた。

 「ダメ。ダメよ、それはだめ!」
「軽くでいいから、やらせて!」
「わかった。でも、これっきりよ」瑞穂は(悪い事をされるより、私の体で満足させ
ておいた方がいいし…)身を任せた。

 一雄は下着も脱がして、瑞穂を全裸にし「ここで、いいんだよね?」「そうよ。そ
こに入れるのよ…」勃起した肉竿を掴み淫裂に導いていく。
(薬を飲んでいるから安心だし、それに一雄の性教育もしないと…)体を開いて迎え
入れた。

 「姉さん!」肉竿がゆっくりと瑞穂に押し込んまれ「そうよ。ゆっくり入れるのよ。
出したかったら、言うのよ」一雄の背中を抱きしめていく。
「姉さん、オッパイが柔らかい!」乳房を揉みながら、ゆっくりと肉竿のピストンを
始めて「上手よ。そうやって、お嫁さんとするのよ」目を閉じて一雄に任せた。

 やがて、一雄の噴射した体液が膣の中を漂っていく。
「出したのね。出る時は言わないとダメよ!」
「どうして?」
「赤ちゃんが出来るでしょう。お嫁さんにはちゃんと言うのよ」白い液体が流れ出る
淫裂に、タオルを押しつけた。
「わかった、これからは言うよ」乳房を揉みながら乳首を吸い「あ、あ、あ!」瑞穂
は背中を浮かせて行く。

 翌日、2人は連れ添い町に出て、新聞とチラシを持って仕事を探していくが「なか
なか、見つからないわね」条件が合わない。
それに、2人とも施設出身という事もあって、まともな仕事などなく、面接で落とさ
れてしまう。

 「残っているのは、ここだけだね」
「そうね。そこしかないわね」2人は最後のキャバレーを当たった。
「姉弟ですか、それならいいでしょう。水商売ですから、どんな仕事かわかりますよ
ね?」支配人の森脇が言いながら瑞穂の胸を撫でていく。

 「はい、わかっています。でも、体は絶対に売りませんからね!」
「それは当然だ、内は売春宿じゃないし。それよりも、君の体を確認しないとな…」
「確認とおっしゃいますと?」
「彫り物がないか、確認しないと雇えないな」

 「ヌードになれと、おっしゃるのですか?」
「そうだ、早い話がそうだ!」
(イヤよ。、ヌードだなんて。でも2人で働けるならやるしかない…)「わかりまし
た、ヌードになります!」瑞穂が返事し、森脇が見ている前で服を脱ぎだした。

 上着、ワイシャツも脱いで、上半身はブラジャーだけの姿になると、スカートも脱
いでいく。
「これでよろしいでしょうか?」
「全部脱がないとわからないよ。ここに彫っている人もいるからな」パンティの上か
ら股間を撫でていく。

 「わかりました。フルヌードですね?」
「そうだ。素っ裸を確認しないと雇えないな」
「わかりました。ご覧下さい」背中を森脇に見せてパンティを引き下げていく。
更に下げ、背中を丸めて足を上げるとピンクの淫裂が森脇に見えてしまった。

 「剃っているんだね、ヘアを?」
「はい、もう剃りませんが…」恥ずかしそうに、脱いだパンティを服の下に隠し、ブ
ラジャーも外すと「これでいいでしょうか?」乳房と淫裂を手で隠しながら言う。
「手を退けて!」瑞穂がゆっくりと手を退けると「いいね、ここは…」乳房を掴み、
確認していく。

 「ここも、調べさせてくれ!」
「そこはイヤ。やめて下さい!」淫裂を指で広げられ、森脇の手を押さえた。
「彫り物があるか、調べないとな!」
(そんな事しなくても、わかるわよ)仕方なく手を退けた。
「いいね。ここは…」淫裂の中に指を入れて動かし「うっ!」目を閉じて堪えている。

 「よし、今度はお尻だ!」瑞穂は振り返った。
(そんな、お尻まで調べるなんて…)両手で尻肉をかき分けると、恥丘の淫裂が口を
開いている。
森脇は丁寧に瑞穂の体を調べ「あっ!」肛門も広げ(イヤ、お尻を見るなんて!)太
股がブルブル震えている。

 「よし、終わった。服を着ていいぞ!」やっと手が退けられ「新人は見習い期間が
3ヶ月あるが、いいかな?」条件が示された。
「はい、構いません!」パンティを履きながら瑞穂が言うと「それから、ヘアを客の
前で剃ってくれないかな?」名残惜しそうに見ている。

 「イヤです。もう剃りません!」キッパリと断った。
「残念なだな、金は払うのに…」森脇が残念そうに言うと(フン、勝手な事言わない
で。剃る身にもなってよ!)ブラジャーを着け、ワイシャツ、スーツと着込んでいく。

 「住まいだが、ホステスは皆が寮住まいになっている。引っ越しできるよね?」
「弟と一緒ではダメですか?」
「ダメだ、監督しやすいから寮に入って貰う。弟さんも寮に入って貰うよ」
「わかりました。ところで、時給はどれ位いただけるのでしょうか?」
「金か、1時間7千円だ。チップは半額没収になっている」
「わかりました。よろしくお願いします」瑞穂は契約書にサインした。

 それと同じように一雄もオーナーの康子の前で全裸になっていた。
「ダメよ、隠さないで見せて!」
「恥ずかしいです。これを見られるなんて…」
「彫り物があると困るから、仕方ないのよ。手を退けないと採用しないわ」
「わかりました。見てください」一雄は股間を覆った手を退けた。

 「可愛いわね。まだセックスはした事ないでしょう?」潤んだ目で肉竿を見つめた。
「はい、やったことがありません…」
「そうなんだ。可愛いわよ」だらしなく下がった肉竿を掴み、撫でていく。
「こ、困ります。そんな事されたら困ります。あ、あ~!」
「困る事ないわよ。私に任せなさいね」肉竿を擦りだし、これ以上無理という位に、
膨らんでいる。

 それに「あ、あ、あ!」気持ちよさそうに声を上げている。
「気持ちいいでしょう。もっといい事してあげるわ」勃起した肉竿を口に含んで「う、
う、う!」そして、頭を前後に振り出した。
「我慢できません。出そうです、出そうです!」

 (いいわよ、飲んであげるから出しても)「あ、あー!」康子の振りが止まり、一
雄の体液が康子の口の中に漂っている。
「ご免なさい。出ちゃいました…」すまなそうに一雄が言うと「気にしなくていいわ
よ、あなたのはおいしいから」口を手で拭きながら言う。

 「私を雇って貰えますか?」
「いいわよ、雇ってあげるわ。その代わり、寮に住んで貰うからね」
「姉さんとは、別れなけばいけないんだ…」
「仕事が済めばプライベートは自由よ。それならいいでしょう?」
「はい、それならいいです」
「だったら、契約して。それによ」契約書を渡した。
「わかりました、契約します」一雄もサインした。

 契約を済ますと、2人は一緒に寮へと引っ越さなければならず「大家さんに言って
おかないと…」一雄は事情を説明していく。
「桑田さん。申し訳ありませんが、急なので支払いが済むまでは敷金は預かってます
よ」
「構いません。そうして下さい」大家と話が済むと、業者を呼んで寮へ越した。

 だが、寮と言っても普通の大きなアパートと何ら代わりがなく、ホステスやボーイ
達が一緒に住んでいる。
「あら、新入りよ」「そうみたいね」2人をじっと眺めていた。
「ねえ、あの子、可愛いわね、まだ童貞よ」
「そうかもね、今夜にでも奪おうか?」

 「ダメよ、そんな事したら許さないからね」そこに康子が現れた。
「冗談ですよ、オーナーの先を越すような事はしませんから…」慌てるホステス達で
「それならいいわ。それより、あの子も可愛いでしょう?」瑞穂を指さした。
「ホントだわ、何かワクワクしてきた!」
「あの2人を監視してね。亭主はあの子が好きなみたいだから!」

 「旦那さんが、やりたかったらどうします?」
「私と一緒ならいいけど、隠れてしたら許さないわ。よく見てて」康子はそう言うと、
向かいにある自宅に向かった。

 それを見届けた2人のホステスは瑞穂と一雄に声を掛け「あら、新入りなんだ。私
は水口文子で、こちらが斉藤真美なの」挨拶していく。
「初めまして。諸星瑞穂です。こちらは弟に斉藤一雄です」
「あら、姉弟なのに名前が違うんだ」

 「私、夫と死に別れましたから名前が違うんです…」
(言えないわ、この人達の前で施設出身だなんて)嘘ではないが、言わない事にした。
「桑田一雄です。子供ですからよろしくお願いします」
「あら、可愛いわね。年はいくつあの?」
「19才になったばかりです」

 「あら、若いわね。それに、体も丈夫そうで!」目を輝かせて、瑞穂と一雄の2人
を見つめる文子と真美だ。
「すみませんが、片付けがありますから…」瑞穂と一雄はそれぞれの部屋に荷物を運
んでいくと「頂くわよ、あの子を」「私も頂くわ。何だか体が疼いてきたわ」怪しげ
な目で見つめていた。