「女自衛官~全裸の航海」

                     赤星直也:作
第3話 演習

 翌朝、裕美は典子よりも早く起きており「おはよう、新米さん!」典子の乳房を優
しく撫でていく。
「おはようございます!」典子は急いでベッドから降りたが、全裸だから絨毛が露わ
になっている。

 典子がパンティを履こうとすると「待って。手入れしないと!」裕美は典子のパン
ティを押さえた。
「手入れって、ヘアですか?」心配そうに典子が聞き返す。
「ビキニラインを手入れしないと…」裕美はカミソリで、典子の股間の絨毛の手入れ
していく。

 「恥ずかしいです。大人って、皆がするんですか?」
「そう、エチケットよ!」典子の股間の絨毛が剃られ、ピンクの淫裂が少し見えてい
る。
「できたわ。明日からは自分でするのよ」裕美は典子の唇を吸い「船酔いは、治った
かしら?」尋ねると「良くなってる。不思議だわ!」確かに、クラクラしない。

 「念のために、これを飲みなさい」裕美は典子に薬を渡した。
「今夜来てもいいですか?」
「あら、楽しかったんだ。でも、あなたには先輩がいるでしょう。そうだ、2人で来
なさい。今夜だけよ」笑顔の裕美に「はい、先輩と来ます」そう言って典子は自分の
部屋に戻った。

 それと同時に、艦内放送が行われた。
「全員、甲板に集合せよ。繰り返す、全員甲板に集合せよ!」
一斉に皆が走り出し「ほら、急ぐのよ!」典子は真弓に連れられて甲板に上がった。
甲板にはすでに集合して隊列ができており、典子達が最後だ。

 全員が集合したのを確認した艦長の水島は「今日、演習を行う。全て模擬弾だ。敵
は巡洋艦三笠!」甲板にいた船員達に動揺が走った。
三笠はイージス艦で、日本がアメリカから購入した最新鋭のレーダー網を持ち、誘導
ミサイル、巡用ミサイルを搭載している。
どう、立ち向かっても、勝ち目が無いのが龍神の乗務員には分かっている。

 しかし「設備では負けるが、裏をかく!」水島の言葉に乗務員が勢い付いた。
龍神は実弾を全て船倉に納め、模擬弾を装填していく。
「新米、お前はこっちだ!」典子は司令室に連れられた。

 司令室には裕美と久恵がおり「三笠は硫黄島付近を航海してます…」衛星からの分
析を久恵が報告する。
「もうすぐ、射程距離に入ります」ミサイル担当の裕美が言う。

 「裕美君。ミサイルに魚雷を乗せられるか?」
「はい、できます。艦長。裏をかくつもりですね?」
「そうだ。下から攻撃だ!」
「緊急指令、A型ミサイルに模擬魚雷を搭載せよ。繰り返す、A型ミサイルに模擬魚
雷を搭載せよ!」裕美は艦内放送した。

 それによって、ミサイルには模擬魚雷が取り付けられた。
「敵射程圏に入りました!」久恵が緊張し「三笠、レーダーに反応。射程圏内に入り
ました!」
「裕美君、頼むぞ!」
「はい、艦長。囮ミサイル発射!」裕美がスイッチを押した。

 「三笠が面舵をとってます!」久恵が報告すると「今です。チャンスです!」
「裕美君。発射だ!」
「A型ミサイル発射!」それと同時に「右舷前方から、敵ミサイルが向かってきます」
久恵が叫ぶ。

 「取り舵いっぱい。右舷、一斉砲撃開始!」水島が指令すると、海面めがけて機関
銃、砲弾が撃たれ、海面に数メートルの水柱がいっせいに立った。
ミサイルを水柱で逸らし、被弾を防ぐ作戦だ。

 そして、幸いにも龍神には被弾がなく、5分後に決着が付いた。
裕美の放ったミサイルが空中で魚雷を投下し、その魚雷が見事に、三笠に命中したの
だ。
それも3発とも命中した。

 「やった!」龍神の司令室は大騒ぎだ。
「龍神は、全速で三笠に接岸せよ!」演習を見守っていた司令部が指示を出す。
三笠も龍神に向かって全速で走り、やがて、龍神に三笠が接舷して、龍神に三笠の乗
務員と司令部が乗り込んできた。

 「見事だ。ミサイルに魚雷を積むなんて。全く考えられない!」三笠の艦長が誉め
ていた。
「誉めるなら、この子達です!」水島は裕美と久恵を紹介した。
「ほう、女の砲撃手か。内にもいるが使い物にならん!」その言葉に三笠の2人の女
性が唇を噛んだ。

 甲板で司令官が訓辞を行い、三笠の乗務員が帰っていったが「お前らはくるな。掃
除婦でもやってろ!」三笠の艦長は2人の女性自衛官を見捨て、2人の女性自衛官は
涙が頬まで伝わっている。

 三笠は2人を残して航海を始め「ひどい、艦長。こんなの あり?」「そうよ、人
を何だと思っているのよ!」普段からおとなしい、真弓と久恵が怒って食いついた。
「慌てるな。紹介しよう、誘導ミサイル担当の木村郁子3佐と大宮悦子曹長だ!」
「よろしくね、近藤です」久恵は2人を慰めながら握手をしていく。

 「木村です!」「大宮です!」2人は拍手をもって龍神に迎えられた。
この2人の能力を三笠の艦長達は知らず、数日後に行われた、日米合同演習で郁子と
悦子の2人の能力を知る事となった。

 硫黄島付近で日米の演習が行われ、龍神が仮装敵艦だ。
「右舷に敵ミサイル接近!」久恵がレーダーを見ながら報告する。
「迎撃ミサイル発射」「攻撃ミサイル発射!」

 郁子が敵ミサイルを打ち落とし、悦子がその軌跡を、近距離で攻撃用ミサイルがた
どっている。
敵に消えたはずのミサイルを急に出現させ、慌ててさせ不意を突く作戦で、水島は黙
って見ている。

 2人はレーダーとミサイルが写す映像を見ながら、微妙にコントロールしている。
「敵ミサイル撃墜!」久恵が告げと「おー!」司令室に歓声が上がった。
「敵艦に模擬ミサイル命中!」「おー!」拍手が上がった。

 「左舷に敵ミサイル接近!」久恵が急いで叫ぶ。
「迎撃ミサイル発射!」「攻撃ミサイル発射!」郁子と悦子のコンビは絶妙だった。
龍神に向かった攻撃ミサイルを全て撃墜し、さらに、カウンターとしてミサイルを命
中させた。

 被弾が無いのに、アメリカ軍に驚きが駆け抜けていた。
「日本には、ミサイルを打ち落とす凄い奴がいる!」アメリカ国防省にもこの事が報
告され、ペンタゴン内部に衝撃が走っている。

 一方、自衛隊海上司令部は鼻が高かった。
だが、三笠の艦長は「あいつらに、誘導を任せておくべきだった…」悔やんでいた。
しかし、日米合同演習が、龍神の男子乗組員に嫉妬を持たせてしまい、直ぐに表面に
現れた。