「背徳の家族」
                                   赤星直也:作
第2話 初めてのレズ

 翌朝、いつものように信吾と次郎は家から出ていき、郁恵と歩美が家事をしている。
歩美は信吾の部屋に入り、シーツを交換しようと剥がすと「変な臭いがする。これって、精液だわ」
シミの臭いを嗅いだ。
「信吾も男なんだから仕方ないか」自分の性器を見られて、オナニーしていたとは気付いていない。
「速く、彼女が出来ればいいのに…」自分事をさておいて、信吾が気になっていた。

 家事を済ませ、くつろいでいると郵便が届けられた。
「そうか、もうすぐ支払いなんだ」口座引き落としの案内が届いている。
「もし、ヌードになったら、1年分は払えるんだ…」直美から言われた事が思い出される。
「恥ずかしいけど、家計が助かるなら、やってもいいかも」次第に傾いていく。

 そして、10時になると直美の所へ出かけた。
いつものように家事をしていると「渥美さん、ヌード引き受けて貰えるわよね?」声を掛けられる。
「恥ずかしいけど、やってみます…」
「ありがとう。恥ずかしいなら、私もヌードになるわよ」
「直美さんもヌードで?」
「そうよ、歩美さんだけに恥ずかしい思いはさせたくないし」直美は歩美と一緒にアトリエに入ると
「歩美さん、ヌードの間は誰も入れないからね」鍵を掛けた。
「そうして下さい」歩美は服を脱ぎだした。

 シャツ、スカートと脱いでいくとピンクのパンティとブラジャーになっている。
「大人しい下着ね。私はエロが好きだから、過激よ」直美も服を脱いだが、黒いパンティとブラジャ
ーをしている。
「直美さん、オッパイが透けてます…。それに、ヘアも…」薄い生地だから乳輪、乳首が透けて見え
絨毛も見えていた。
「これがいいのよ、スリルがあって。歩美さんも着てみたらどうかしら。旦那さん喜ぶわよ」そう言
いながらパンティ、ブラジャーと脱いで産まれたままの姿になった。
「さあ、どうかしら。次郎さん、その気がなさそうだし」歩美もパンティ、ブラジャーと脱いで全裸
になった。

 2人は全裸になると、直美はキャンバスを構え、歩美は立ったまま両手を後ろで組む。
「右足を少し前に、そう、それでいいわ。背筋も伸ばして!」言われた通りにすると、乳房がつんと
上を向き、絨毛の際までわかる。
「そのまま我慢して」直美はデッサンを始めた。

 歩美はジッとしているが、向き合った直美のヌードに目が行っている。
(乳首もピンクだし、オッパイもまだ張りがある。それに、性器も崩れてないし)直美にはセックス
をした形跡が見受けられない。
(ずっと、1人でいたんだ…)ジッと見てると、次第に体が痛くなってきて、少しずらすと「そのま
ま我慢して」注意される。
(思ったよりも、キツい仕事ね。でも、これで家計が助かるし)我慢していると、1時間半が過ぎて
「続きは明日にしましょう」描くのをやめた。
 
 「キツかった!」ジッとしていたから、体を動かし出すと「歩美さん、楽しみましょうよ」直美に
抱きつかれた。
「何を楽しむんですか?」
「わかっているはずよ。女2人が裸でやるのは、決まっているのよ」乳房を撫でながら乳首を吸う。
思いも寄らぬショックが走り「あ、あ、あ~!」声を上げて顔を上に向けた。
「お礼はするわ、だからやりましょう」歩美の股間に顔を埋めて舌と指で淫裂を撫でていく。
「ダメ、そんな事されたら欲しくなっちゃいます…」そう言いながら、拒まず直美の頭を抑えている。

 やがて2人は敷かれたマットの上で横になり、お互いの乳房、淫裂と撫で合い、指を膣穴に入れた。
「あ、あ、あ~!」「いいわ、凄くいい!」2人の淫裂からは淫汁が流れ、膣に入れた指もベットリ
濡れている。
それでも2人は指の動きをやめず、1時間程過ぎてやっとやめた。

 「歩美さん、今日は凄く楽しめた」直美は満足そうに脱いだ下着を着ていく。
「私もよかったわ。女同士でもこんなに気持ちいいなんて」下着を着ながら言うと「旦那さんとはや
ってないでしょう?」聞かれた。
「はい、ここ暫くやってませんから変な夢ばかり見て」下着を着終えてシャツを着ていく。
「だから、たまにはこうやって発散しましょう」また唇を押しつけた。

 「毎日は無理です、たまになら構いませんが」歩美も唇を押しつける。
「たまにの方がいいのよ。毎日だと飽きちゃうし」直美は上機嫌で服を着て元の姿になった。
歩美も服を着終えると2人はアトリエを出て家に向かう。
「あら、こんな時間なんだ。急がないと」急いで部屋の掃除をすると「洗濯は私がするから」珍しく
直美が手伝う。
(レズの相手をしたから、機嫌がいいのね)歩美は黙って掃除を続けた。

 そして、3時になり「直美さん、失礼します」帰ろうとすると「待って、私も用事があるの」直美
も家から出てきて「一緒に行きましょう」歩美と一緒に歩いていく。
2人が話しながら歩いていると「あら、信吾じゃないのよ」こちらに信吾が向かってくる。
「何だ、姉さんじゃないか。珍しいね」2人の会話に「誰なの?」直美が割って入る。

 「直美さん、弟の信吾です。まだ学生です」
「榊原信吾です。姉がお世話になってます」
「あら、丁寧に挨拶だなんて。私は鈴木直美とです」
「信吾、直美さんは絵描きさんなのよ」
「絵描きでも、まだ知られてない部類かな。それにしても、信吾さん、いい体つきしてるわね」
「大学でラグビーやってますから」
「そのお陰で信吾の進学が怪しいんですよ」3人は身の上話に華を咲かせているが(もしかして、信
吾をモデルにする気では?)そんな思いが歩美の脳裏をかすめた。