『加奈子 悪夢の証書』
 
                 Shyrock:作
第10話


 最初に触れた箇所は太股の内側であった。
女性にとって太股の内側は、首筋と同様に性感帯の多く密集した箇所で
ある。
軽く触れられただけでもすぐに感じてしまうツボと言えよう。

 円盤型のバイブレーターは間断なく加奈子に振動を伝えた。
(ヴィィィィィィィィ~~~~~~~ン!)
「あぁ・・・・・・」

 加奈子はむっちりとした足をもじもじとさせている。
「どや、気持ちええやろ?」
「そ・・・そんなこと・・・ありません・・・」
「ほんまかいな。がはははは~」
「あぁぁぁ~・・・」

 (ヴィィィィィィィィ~~~~~~~ン!)
円盤は一所にとどまらず、ゆっくりと旋回しながら位置を変えていく。
次第に上へ上へと移動し、加奈子の最も敏感なゾーンへと近づいていっ
た。

 「いやっ・・・・・・」
(ヴィィィィィィィィ~~~~~~~ン!)
振動が足の付根に達した時、加奈子はくぐもった声を漏らした。

 円盤がわずかに移動すると、加奈子は突然拒絶の言葉を発した。
「あぁぁっ・・・だめっ・・・だめっ・・・いやぁ!そこはだめぇ・・
・!」

 円盤が到達した箇所はクリトリスであった。
女性にとって最も鋭敏な箇所を、下着も着けず責められたから堪らない。
加奈子はうめき声をあげ身体をびくつかせた。

 「やめて!お願いです!そこはいやっ!」
「まあ、そんな遠慮せんでもええがな。」

(ヴィィィィィィィィ~~~~~~~ン!)
天井から吊るされた不自由な姿であっても、あまりの刺激の強さに、思
わず膝を閉じ合わせ円盤を拒もうとしてしまう。

 腰を引いて円盤を避けようとする加奈子を、園木が後から取り押さえ
た。
「ひぃぃぃぃぃぃ~~~~~~!!いやぁぁぁぁぁ~~~~~~!!」

 阿久原は園木に指示をした。
それは加奈子にとってさらなる屈辱であった。

 「奥さん、さっきから足を閉じよう閉じようとしたはるから、いっそ、
閉じれんように片足を吊るしてあげなさい。」
「はい、社長。」

 園木はにんまりと笑いながら、すぐにロープを用意した。
「何するの!?もうやめてっ!」
「奥さん、せっかくバイブでええ気持ちにしたげよと思てるのに、脚を
閉じてじゃましはるから、じゃまでけんようにしたげますわ。がははは
ははは~~~」

 「冗談はやめてください!」
「その怒った顔がまたええなあ。」

 園木が作業している間、阿久原はバイブ責めを中断し、加奈子の顎を
指で摘まんだりしながらもてあそんだ。

 「なんで私にこんな酷いことを・・・」
加奈子はしくしくと泣き出した。
「恨むんやったら、借金をした旦那はんを恨むんやなあ。」
「ひどい・・・」

 「そんなこと言うたかて、そういう条件を承知のうえで旦那はん、ハ
ンコを押しはったんやさかい、しゃあないんちゃいまっかあ?」
「・・・・・・」

 まもなく天井の梁からロープが垂れ下がり、その先端が加奈子の左足
大腿部に結わえられた。

 「やめて・・・」
悲壮感漂う加奈子の訴えも黙殺され、左足はぐぐっと吊り上げられてい
った。
「いや・・・恥ずかしぃ・・・」