『恵 快楽出張』
 
                    Shyrock:作
第5話


 (な~んか性感マッサージみたい……いや、でも、そんなことはあり得ないわ。こ
こはちゃんとしたホテルなんだし、まさか、そんな変なマッサージ師を呼ぶことはな
いはずだわ……変なことをしたらホテルの信用問題になるんだもの……)

 惠はふとマッサージ師が指に施した意外な技に、いささかの疑念を抱いた。
だが、メジャーなホテルがそんないかがわしいマッサージ師を呼ぶはずは無い、と一
笑に付してしまった。

 三谷は惠にロ-ションを塗り込めた後、五本の指先を立て、わざと爪の表面を肌に
当てながら、じんわりと開いたり閉じたりする。
これだけの動きで、女性はくすぐったいような新快感を得られ、惠の性感はじんわり
と高まり始めていた。

 (あぁぁ……やだわぁ……なんか感じてくるわ……)

 実は愛撫のハイテクニックに、女性の肌に触れる際、指先や手のひらだけだけでは
なく、爪と手の甲をうまく織り交ぜる技があることを、素人女性の惠が知るはずもな
かった。

 ところが、三谷にまったく不自然さがなく、流れるように指圧が加えられていった
ため、惠はその心地よさに自然と和んでいった。

 三谷のローションを使ったマッサージは1区切り終わり、惠は仰向けになるよう促
された。

 惠はバスタオルが肌蹴ないよう指で押えながら、ゆっくりと仰向けになった。
部屋が明るければ、三谷と目を合わせ少し罰が悪いところだが、幸い部屋の照明が落
とされていたため、仰向けになることに惠にためらいはなかった。

 (次はどこをマッサージされるんだろう……何か恥ずかしいなぁ……)

 三谷が惠の横に寄り添うように近づいて来た。
惠の心拍が高まる。
 
 三谷が次に宛がった箇所は臍の辺りであった。
(うわぁ……ドキドキするわぁ……)

 親指から小指まで、五本の指を巧みに小さく円状に動かしながら、手は移動した。
三谷は下腹部に手のひらを当て軽くバイブをかけながら、五本の指の腹部分が、臍・
脇腹・あばら骨下に当たるように調節しながら、それぞれ独立した動きがなされた。

 (あぁぁ~、これは効くわぁ~……)

 三谷はしばらく同じ指圧を続けた後、いよいよバストへと移動させた。
バスタオルの下はブラジャーなしの素肌なので、三谷はおそらく指で乳房の形状を感
じ取るだろう、などと惠はふと想像してしまい、恥ずかしさに顔を染めた。

 バストへの指圧は下から揉みあげるように手のひらを裾野にあて、乳首周辺や脇の
ラインなどに小刻みなタッチで施された。
指圧とは言っても、愛撫とほとんど差別がつかないくらいだったが、それはさして長
い時間ではなかった。

 次に指は脇腹と腰のほうへ移った。
三谷は5本の指をそろえて、指の腹を肌に軽く当て、下から上へとハケで払うように
さっと愛撫した。

 しかも三谷の指は単調ではない。
場所によって、速度に強弱がつけられ、いく通りもの刺激となって惠の性感を目覚め
させていく。

 (あっ、あっ、あっ……やだわぁ~……感じちゃうわぁ……あぁん……)

 「どうですか?気持ちいいですか?」
「あぁぁ~……すごくいい……」
「だいぶ解れてきたようですね。それじゃ、すみませんがもう一度うつ伏せになって
もらえますか?」
「はい……」

 惠は言われるままに、再度、うつ伏せになった。

 「次は太股とお尻を指圧します」
「は、はい……」

 うつぶせに寝た惠の太股が今までとは打って変わって豪快に揉み解された。
5本の指は内股から徐々に股間へと移動していく。
惠の胸の鼓動が同時に高まっていった。

                

   この作品は「愛と官能の美学
」Shyrock様から投稿していただきました