『恵 快楽出張』
 
                    Shyrock:作
第6話


 「かなり凝っているようですねぇ」
「い、いたぁ~・・・分かりますかぁ?」
「はい、すごく硬いですね。それじゃ、とっておきの技を使いますか」
「とっておきの技?」
「はい、少しディープな技ですが、我慢してくださいね」
「……!?」

 ディープな技と聞き、惠は不安に駆られた。
だけど三谷はすでに次の行動に取り掛かったようだ。

 「舌や唇を使いますが、勘違いしてもらっては困ります。決して愛撫ではありませ
んので。あくまでマッサージの一環ですので。では、バスタオルを取ります」
「え?バスタオルを!?いいえ、それは困ります!」

 惠がしゃべり終える前に、三谷はあっさりと惠のシャープなボディに巻かれていた
バスタオルを取り外してしまった。
いくら暗いからと言っても、見知らぬ男の前で全裸は困る。
惠は抗議しようとしたが、それよりも早く三谷が背中に覆いかぶさってきた。

 「いやっ!そんなぁ~!」

 惠は狼狽しているが、対照的に三谷はまったく動じない。ただ次の惠への行動に没
頭しようとしている。

 まもなくひんやりとした感触が惠の背中を走った。先ほどのローションを再び滴ら
せたようだ。
三谷の手のひらが円を描き、冷たい感触がすっと拡散していく。
 
 次の瞬間、生暖かく柔らかい感触が背中を捉えた。
まるで軟体動物のようだ。
それは三谷の舌だった。

 「そ、それはダメですぅ……あぁ……」

指とはまた違った舌特有のねっとりとした感触が惠の性感をくすぐる。
拒んではみたものの、ゾクゾクした感触がたまらなく良い。

 (ペチョ……ペチョペチョ……)

 「いやですぅ~……あぁぁぁ~~~……」

 
 三谷は、惠の背中、続いて腰へと舌を移動させていく。

 「あぁぁぁ~……あぁぁぁ~……」

 腰がジンジンと痺れてくるようだ。

 惠はまたもや仰向けの態勢をとった。
唇による愛撫のようなマッサージは表へと移った。
鎖骨の溝を攻め始めた。
時間を掛けて入念に舌技が続く。
 
 「あっ~……あぁぁ……あぁぁぁ~……」

 だんだんととろけていく感じがする、と惠は思った。

 (あぁ……もうだめぇ……拒めないわ……すごい気持ちいい……)

 舌は惠の耳を捉えた。
女性の顔の中でも特に敏感な部分である。
舌をすぼめ、耳の穴を攻めてくる。

 「いやぁ、そこはだめぇ、くすぐったい……」

 実は耳や鎖骨の溝といった窪み部分には、強い性感がひそんでいることを惠は知ら
なかった。
先端を尖らせた舌先を一気に耳穴奥まで進入させ、ピストン運動の要領で出し入れさ
せて、女性にゾクゾク感を与えたり、舌を一杯に広げて、鎖骨上部の溝をぺろんぺろ
んと舐め上げたりと、舌は指以上に変幻自在の刺激を与えることができるのだ。

 三谷の次から次へと繰り出すスゴ技の前に、惠の性感はすでに最高レベルへと近づ
いていた。

 (あぁぁっ……もうだめだわぁ……あぁ、どうしよう……ああっ……)

 三谷の舌技は続く。
舌は再び下半身へと移行した。
惠は仰向けのままで軽く立膝にされ、太股の付け根と骨盤の二箇所を丁寧に舐め上げ
られた時、ついにたまらなくなって甘い声を漏らしてしまった。

 その頃、スリットからはおびただしい蜜が溢れ出していた。

                

   この作品は「愛と官能の美学
」Shyrock様から投稿していただきました