『悪夢の標的』
 
                    Shyrock:作
第16話

 (ズズッ・・・)
「ううっ・・・」
かなり入ったようだが、まだ子宮までは到達していない。
上野はさらに強く押し込んだ。

 (グググッ・・・)
「ひえぇ~~~~~~~~~~~!!」
「よし、これで十分だろう。さあ、スイッチを入れるよ」

 (ヴィ~~~~~~~ン・・・)
鈍い振動音が響く。
すぐにイヴは表情に変化を見せた。
口はだらしなく半開きになり、声をうわずらせながら叫んでいる。

 「ふはぁ~・・・ああぁ~・・・いやぁ~・・・やめてぇ・・・くださぁい~・
・・」
「どうだ?Pスポットを攻められる気分は?」
「や、やめて!!変になりそう!!」

 「Gスポットなら攻められた経験があるだろうが、Gスポットとは一味違うだろ
う?」
「ひぃ~~~~~!!」
「ここはね、いくらセックスに長けた男でも攻めるのが困難とされている場所なん
だよ」

 「はぁ~~~!もう、やめてぇ~~~!!」
「でもこのバイブなら容易に一番奥のスポットを攻められるんだよ。ふふふ、優れ
ものだろう?」
「いやぁ!!何か変、何か変なんですぅ~、もう、もうやめてぇ~!!」
「はっはっは~、子宮口を攻められる味は最高だろう?でも、今まだ『弱』なんだ
よ。さあて、スイッチを強くするかな~?」

 (ギュイ~~~~~~~~ン!)
「あああっ!あああ~~~っ!!もうだめ、もうだめぇ~~~~~~~~~!!」
「はっはっは~!狂え~~~!!狂ってしまえ~~~!!」
「いや、いや、いやぁ~~~~~!!ぶ、ぶちょう、いやぁ~~~!もうゆるして
ぇ~~~!!ああぁ~~~~~~~~!!」

 「もうじきイキそうだな?これは成功だな!大量生産して儲けてやるぞ。がっは
っはっは~!」
上野は好き勝手なことをつぶやきながら、突然自身のズボンを下ろし、肥大した肉
塊を取り出した。

 「待て!」
その時、一部始終を見つていた阿久夢が彼の行動を阻止した。
「上野部長、君は何か勘違いしているんじゃないのかね?早乙女君は君の部下だろ
う?医学研究のため早乙女君にある程度協力してもらうのはやむを得ないとしても、
それはいけないよ。それは・・・」

 「も、申し訳ございません。つい勢いあまって・・・」
上野としては会長である阿久夢からの制止を無視するわけにも行かず、すごすごと
降ろしたズボンを元に戻した。
(くそっ!忌々しいじじいが!自分はシャワー室でイヴに散々嫌らしいことをした
くせに・・・しかしここは従わざるを得ないか・・・)

***

 「カシャ!カシャ!」
その後、上野はイヴのあられもない姿をカメラに収めた。

 「早乙女君、君のそのすごい格好全部撮らせてもらったよ。もし今日の出来事を
他人にしゃべるとどうなるか・・・言わなくても分かっているよね。こんな写真を
ばら撒かれたりして、もしも偶然彼氏が見たらどう思うだろうな?」
「そ、そんな卑怯な・・・」

 イヴは口惜しそうに唇を噛み締め、上野をぐっと睨みつけた。
「それと次の日曜日、会長の家に行ってもらいたいんだ。まさか嫌とは言わないだ
ろうね?」
「な、何のために行くのですか・・・」
「さあね?それは行ってのお楽しみだよ。はっはっは~」

 診察台から解放されたイヴではあったが、力なくがっくりとうな垂れていた。
何故、自分が悪鬼のような彼らの標的になってしまったのだろうか。
自分の身に降りかかった災いが恨めしく、イヴの頬にはとめどもなく涙が伝った。