『悪夢の標的』
 
                    Shyrock:作
第10話

 上野の指で不本意にも柔らく解された肉の狭間に、鳥のくちばしのような器具が
装着された。
クスコである。
産婦人科や婦人科に通った女性なら、多かれ少なかれ馴染みがあろう。

 これは膣を拡張し膣内部あるいは子宮を覗くための器具である。
上野が操作し膣が徐々に広げられた。
「部長、お願いです・・・やめてください・・・恥ずかしい・・・」

 「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないか。いつも患者さんにしているじ
ゃないか。ははははは~。ふうむ、これだけ広げれば大丈夫かな?では、会長、中
をしっかりと覗いてやってください」
「ほほう、便利なもんがあるんじゃなあ。膣の中も覗けるとはなあ。どれどれ・・」

 阿久夢は腰を屈め、クスコで広げられた膣内部に目を凝らした。
「何と!中はこうなっておるのか。う~ん、きれいなピンク色をしとるの~。それ
にヒダヒダしたものもいっぱいあって、見てるとムスコが疼いてきたわい。これは
目の保養になるわい」

 会長は再びどっかと椅子に腰を降ろし満悦の体であった。
上野はイヴの膣からクスコを取り外すと、まもなくゴム性の浣腸用ホースを取り出
した。

 それを目にしたイヴは血相を変え激しく拒絶した。
「いや、いや!それだけは絶対に嫌です~~~!」
怯えるイヴに対し、上野はわざとノズルの先端をペタペタと当て凄んでみせた。

 「いつも患者さんにしてあげているじゃないの?なのに自分がされるのはどうし
て嫌なのかな?そんなのおかしいよ」
「ひぃ・・・・・・」

 上野は冷たいくちばしを菊門にあてがった。
仕事柄、患者に対してはお馴染みのアイテムだが、自身は成人してからと言うもの
一度も体験したことが無かった。

「早 乙女君、これは看護研修だと思いなさい。患者の身になってよく味わうんだ。
今日は特別バージョンで量は多い目にしておいたからね。嬉しいだろう?沢山飲め
ることが。さあ、お尻をもっと高く突き出して」
「いや、いや、いや!やめてください!」

 (ブスッ!)
くちばしが菊門を捉えた。
「あっ!」
3センチ、4センチと奥に潜って行く。
早くも冷やりとした感触が広がり始めた。

 「あぁぁ・・・」
ゆっくりゆっくりとイヴの腸内に悪魔の液体は注入されていく。
だが、まだ液の半分にも達していない。
「あぁ・・・なんだか変・・・」

 上野は1滴残らず注入し終わったあと、菊門に栓をしてしまった。
早くもイヴはうめき声をあげ、額からは汗が滲み出している。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ああ、痛い・・・上野部長・・・お、お願い・・・お、
おトイレに行かせてください・・・」

 「まだ駄目だ。3分は辛抱してもらわないとねえ」
上野は冷たく言い放った。
「あぁ、あぁ!本当に、本当に、辛い・・・い、痛い!お、お腹が、い、いたい・
・・!!」

 上野は2分経過した段階でイヴを立たせた。