『悪夢の標的』
 
                    Shyrock:作
第8話

 開いた両足は拘束具で固定されているため、イヴは閉じようとするがびくともし
ない。
しかも診察用のカーテンがなく上野たちの行動が手に取るように分かってしまう。

 見えないのも不安だが、逆に丸見えと言うのもひときわ恥ずかしいものだ。
しかも許して欲しいといくら哀願したも彼らは聞く耳を持たない。
イヴの目頭から涙が一筋、二筋、流れ落ちた。

 「ははは・・・早乙女君。なかなかいい眺めだよ。さて、研修の前に罰を受けて
もらおうか」
「そ、そんな・・・」
「とはいっても会長はできるだけ寛大にとおっしゃってくださってるので、早乙女
君の身体の全てを隅々までお見せするだけにとどめてあげようと思う」

 「そ、そんな恥ずかしいこと絶対に嫌です!」
「拒否はできない」
「そんな酷い・・・」
「そんなに時間は掛からない。しばらく我慢してもらうしかないね」

 開脚しているイヴの真正面に陣取った会長は嬉しさで自然と笑みがこぼれた。
「ほほう。ここは特等席じゃのう。良い眺めじゃ。ところで上野部長、私も今まで
多くの女の秘所を見て来たが、ちゃんとした呼び名を知らんのじゃよ。ちょっと教
えてくれんかね?」

 「ふむふむ。確かに通常はあまり使わないですからね。では、ただいまよりご説
明します」
「うん」

 上野は1回咳払いをした後、女性器について説明をし始めた。
「女性器は内性器と外性器がありまして・・・」
「説明は外側だけでいいぞ。内側は無用じゃ。内側の説明を聞いたってこの目で見
るわけじゃないし」

 「会長、それが違うんです。今や女性器の内側も簡単に見える時代なんですよ」
「なに~?膣の内側も見ることができると?ほほう、時代も進歩したもじゃな~。
よし、では上野部長にすべて任せたからね」
「はい、分かりました」

 上野は阿久夢にぺこりとお辞儀して早速説明を再開した。
「では上の方から下の方へと説明させていただきます」
上野が説明を始めようとしたとき、イヴがついに泣き出した。

 「部長、お願いですからもう許してください・・・もう、恥かしくって・・・」
イヴの哀願を上野は冷たく突き放す。
「早乙女君、しばらくの間なんだから我慢しなさい!言うことを聞かないと厳しい
罰を与えるよ!」
「・・・・・・」

 「会長、すみません。では説明を続けます。え~、ここが『恥丘』と言いまして、
個人差はありますが一般的には名前どおり小高い丘のようになっております。特に
この丘がよく盛り上がっている女性器をモリマンと言いまして名器とされています」
「で、この早乙女君の場合はどうなんだね?」

 「比較的よく盛り上がっている方なのでおそらく『上』の部類かと思います」
「ほほう、そうかね」
「これも女性によって濃い薄いの個人差はありますが、この辺りから『陰毛』が繁
り始めすぐに途切れている女性と、肛門の近くまで繁っている女性がいます」

 「で、彼女はどうなんだね?」
「かなり薄い方です」
「ふうむ」

 「次にこうして繁みの中に指を差し込んで探っていきますと・・・」
「いやっ!!」
イヴが突然身体をびくつかせ声をあげた。

 「草むらが途切れたところに陰核すなわちクリトリスが潜んでいます」
「ほほう、俗に言う『実(さね)』じゃな?」
「はい、そうとも呼びます」

 上野はそう言いながらクリトリスを指でつまんだ。
「い、いや!やめてください!」
「静かにしなさい。あまりうるさいと口を塞ぐよ」
「・・・・・・」

 さらにクリトリスを包む皮をゆっくりとめくり、
「クリトリスは剥き出しの子も希にいますが、一般的には皮に包まれ秘めやかに潜
んでいます」
「ふむふむ」

 「この皮を『陰核包皮』と言い、クリトリスのことを学界では『陰核亀頭』と言
います」
上野はにやりと笑いながらクリトリスを数回こすった。

 「いやぁ・・・そこはだめぇ・・・」
敏感な場所に触られたイヴは早くも声をうわずらせた。