『球 脱獄(推敲版)』
 
                    Shyrock:作

第16話 強制自慰と愛撫と

 「じゃあ、やってみろ」
「え……? そんなぁ……」
「断ったらどうなるか分かってるな? 俺の目の前でやってみろ」
「……」
「シャワーを使ってやるんだ」
「わ、分かったわ……」
「浴槽の縁に座って、俺に見えるように脚を開いてやれ」
「そんな恥ずかしいこと……」
「いいからやれ」
「……」

 球はバスタブの縁に座って、両脚を少しだけ開く。
「もっと開け」
「……」
原口の語気が強くなると、球は覚悟を決めて脚を九十度開いた。
上気し顔がほんのりと赤い。

 シャワーを少しぬるま湯にして、水圧を肌に当てても痛くない程度に調節する。
実は球にはシャワーオナニーを数度行なった経験がある。
身体を洗っているとき、偶然クリトリスに湯が当たり「今の気持ちいいのどうして
?」と思い、それから数度シャワーオナニーを経験した。
しかし彼氏ができてから、いつの間にかしなくなっていた。

 シャワーがクリトリスを刺激する。
ぞわっとしたものが球の背中に走った。
原口に見つめられていることを忘れるため、目を閉じて、効き手でクリトリスを包
皮からむき出しにしてシャワーをあてる。

 「あぁぁっ……」
原口は食い入るように、球の行動を見つめている。
水圧が少し弱かったのか、少しずつ水流を強めていく球。
シャワーオナニーをする女性は、二つのタイプに分かれる。

 シャワーを当てると気持ち良すぎてイキすぎる『連続絶頂タイプ』。
そして、気持ちはいいのだが水流だけではイクまでにはいたらない『寸止めタイプ』
球の場合は後者であった。
シャワーは確かに気持ちがよい。だけどシャワーだけで昇りつめるのは困難だった。

 「おい、シャワーを止めて○ンコをこすってみろ。俺にいやらしい音を聴かせる
んだ」
「そ、そんなこと……」
「いいから、やれ」

 球は命じられるがままにシャワーを止め、もう一方の手を滑り込ませた。
秘裂に指をあてがい動かしてみる。
原口が望むクチュクチュという恥ずかしい音が聞こえてきた。

 「ヘヘヘ、いい音するじゃねえか。その調子でもっとこすれ」

 球の指は秘裂に沿ってうごめく。
思わず身体に力が入り、「……んっ」と息を呑んでしまった。
ふと素にもどりやめようとした球を原口は引き戻す。

 「イクまでやめるな」
「そんなの無理……」
「じゃあ、俺が手伝ってやるぜ」

 原口はにたりと笑うと、強引に包皮をめくりクリトリスに触れる。
原口の中指の先端が当たったその瞬間、下半身から頭まで、しびれるみたいな快感
が走り抜けた。
口惜しいけど気持ちいい。
原口の指がクリトリスをなで続ける。
指がとまらなくて、すごく気持ち良くて、いつの間にか、球は大きなあえぎ声をあ
げていた。

 「ああ…ん……やん……やだぁ……!」
「よし、その調子だ! 自分の左手でオッパイを揉むんだ。そして右手で乳首をつ
まんでみろ!」

 球は無意識のうちに原口の言いなりになっていた。
自身で乳房を揉み、乳首をはじく。そして股間は原口の指が激しく動いている。
秘裂からは熱い蜜が滲んでいる。

 「おい、腰を引くな。『もっとこすってください』と俺に頼みながら、股間をも
っと突き出すんだ」
「そんな恥ずかしいことできない……」
「チェッ、いまさら何を言ってやがる! 痛い目に遭いたくなけりゃ腰を突き出せ
!」
「いやぁ~……」

 バスタブの縁に腰をかけ、開脚で腰を突き出すという悩ましいポーズを命じられ
た。
不安定な体勢だが左手で手摺を握ることで、ようやくバランスを保っている。
原口の指は断りもなく挿入され、指にまとわりつく愛液の音が粘着質のように鼓膜
へ張り付いてくる。

 「はぁっ……んぁ……」
「こんなに濡らして、そんなに気持ちいいのか?」
「あぁ……っ」

 原口の指がもう一本増やされたが、球の秘孔は苦もなくそれを受け入れた。
次第に速くなっていく指の愛撫は羞恥心さえも奪っていくのだ。
「そ、そこは……っ、そこ……だめっ」
「ダメだと言うのはもっとこすってくれということだな?」
「んああっ……ちがう……いやっ……」
「その声、たまんねぇ」

 ぐちゅぐちゅと膣内をかき乱す音と、淫靡な原口の表情が球の思考を奪う。
「も、そこ……やだ……」
「やだ、じゃないだろ? おめえの感じるところを覚えておいてやるから、しっか
りあえぎな」
「や、ああ……っ、イッちゃ、う……っ」
「イケよ」

 膣の奥まで指先を挿入し何度も感じる部分を刺激されてもう限界だった。
原口の腕をぎゅっと掴み、与えられる快楽に溺れていく準備をする。
「もう……も、う」
「一回イッとけ」
「まってっ……そんなに、されたら……イク……イッちゃう……んあぁあっ……!」

 グッと原口の指を締めつけて、球は腰を浮かせながら達した。
それは口惜しいかな彼氏から受けた愛撫よりも、原口にされて気が狂いそうなくら
い感じてしまった。
乱れる息を整えていると、掻き乱していた指はするりと引き抜かれる。
その後もヒクヒクと痙攣を繰り返す膣内は物足りなさを覚えていた。

 原口は球の目前で濡れている自身の指を舌できれいに舐め、その光景に球は顔を
そむける。