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『球 脱獄(推敲版)』
Shyrock:作
第15話 浴槽で濡らされて
球は背中に羽織っていたガウンをおどおどと脱ぎはじめた。
ガウンを脱ぐと白い裸身が現れた。
「先に入れ」
原口は球の背中を小突いた。
球はよろめきながら先に浴室に入り、シャワーを浴びた。
長時間に及ぶ拘束のせいでところどころ関節に痛みがあるが、温かい湯が心地よ
く素肌に染みわたった。
球がかかり湯の最中に、原口はずかずかと入ってきて扉をバタンと閉めた。
球はシャワーを中断し、原口にシャワーを手渡そうとした。
「おまえ、まだ浴びてねえだろう? 先に浴びろ」
原口は思いがけない言葉を発すると、浴槽の湯を混ぜ始めた。
「あっちっち~、おまえ、熱い風呂が好きなのか?」
「42度だけど……」
「みず、水!」
蛇口をひねって浴槽に水を継ぎ足す原口。
水が勢いよくほとばしる。
球はシャワーでのかかり湯が終わると、原口にシャワーを手渡そうとした。
「かけてくれ」
「え? 私が……?」
「そうだ、おまえがかけろ」
「……」
原口の語気は鋭く、逆らうことなど許されない空気が漂っている。
球は仕方なく原口にシャワーをかけてやった。
それにしても原口はすごい肉体をしている。
肩の筋肉も隆々と盛り上がっており胸板も厚い。
例えるなら格闘家のようだ。
本当に刑務所暮らしをしていたのだろうか、と思わせるほど見事な体格をしてい
る。
おそらく獄中にあっても筋肉トレーニングを怠らなかったのだろう。
いや、重労働に携わっていたのかも知れない。
刑務所の労働のことなど知るはずもない球であった。
「気持ちいいぜ~。生きた心地がして来たぜ」
脱獄でかなり神経をすり減らしたのだろう。
原口は大きく息を吐いて膝を伸ばそうとしたがつま先がつかえてしまった。
大きめの浴槽だが、巨体の原口が入ると狭く見える。
◇◇◇
湯船から出た原口は大きく息を吐いた。
「おい、身体を洗ってくれ」
球は原口の指示に逆らうことはなく素直に対応した。
ボディタオルにボディソープをたっぷりと垂らし、椅子に座っている原口の背中を
洗い始めた。
原口は振り返ってニタリと微笑んだ。
「ふう、極楽だぜ。まさか逃走中にこんなハクい娘に背中を流してもらうことに
なるとは夢にも思わなかったぜ。脱獄した甲斐があったぜ。へっへっへ~」
「ハクい……?」
「ヤクザや不良だけが使ってる言葉で、きれいとかイケてるって意味さ」
「……」
球は背中を懸命にこすってみたが、長年の垢のせいかあまり泡立たない。
球はボディタオルを湯で浸して、もう一度ボディーソープを垂らした。
ふたたび幅の広い背中をこする。
原口は振り返り、突き刺すようなまなざしで球を見つめ、次の注文を出した。
「背中はもういい。次は股間を洗ってもらおうか」
「え……?」
球は躊躇いながらも黒々と繁った原口の股間にボディタオルを近づけた。
「タオルは使うな」
「え……?」
「素手で洗うんだ」
「す、素手で……?」
「そうだ」
「……」
「早く」
「分かったわ……」
球は表情を強張らせてる。
自分を犯したおぞましい物体を素手で洗わなければならないのか。
球は屈辱感に苛まれながらも、ボディソープをてのひらに垂らして黒い繁みへと伸
ばした。
最初は繁みばかりを洗っていたが、原口に一喝され、仕方なく醜い肉塊に触れた。
てのひらに収まりきらないほど量感のある肉塊を握る、そしてこする。
肉塊は球のてのひらに包まれて、急激に変化を見せた。
肉塊がムクムクと成長していくのをてのひらの中で感じた。
「どうだ? チンポがでっかくなっていくのが分かるだろう?」
「……」
「まだまだでっかくなるぜ。さあ、遠慮しねえでしっかりとこすりな」
「……」
球は指示されるがままに指を動かした。
手の中の肉塊は大きくなるだけでなく、一段と硬さを増していく。
肉塊はまるで“生き物”であるかのような錯覚を覚えた。
「おい、おまえのモノも洗ってやるぜ」
「い、いいよ……私は……」
「遠慮するんじゃねえ」
原口には、球に有無を言わせないような威圧感がある。
球の繁みを、節くれだった指の感触が襲った。
繁みは水分を帯びて、ぺたりと肌に付着している。
繁みの間からチラリと覗くクリトリスに触れた。
「ああっ……」
「へへへ、もう濡れてるじゃねえか」
「お湯のせいだよ……」
「そうか?湯か? じゃあ、湯じゃなくマジで濡らしてやるぜ」
指がクリトリスを撫でる。
「いやっ……」
「遠慮するな。へへへ」
原口はそのまま、指の腹でクリトリスをこね回す。
「……くっ、は……う、ん……」
顔が、身体が、熱くなる。
原口が割れ目に沿って指を移動させると、蜜をすくい取ってクリトリスになすり
つける。
「くぅ……っ!」
突き抜けるような快感に、一瞬球の目がくらんだ。
「オナニーしたこと、あるだろう?」
「そ…そんなこと……」
「答えろ」
語気が強くなると同時に、原口は、小豆のように硬さと丸みを帯びてきた陰核を
きゅっとつまんだ。
「きゃうっ!」
仔犬のような声を上げ、くずおれかけた球だったが、辛うじて踏みとどまってぶる
ぶると首を縦に振る。
「……したこと……あるよ……」
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