『球 脱獄(推敲版)』
 
                    Shyrock:作

第10話 羞恥のM字開脚縛り

 原口は球の訴えを軽く一蹴した。
「お願い……あと一回だけなら我慢するから、済んだら出ていって……お願いしま
す……」
「あと一回だけだと? それは無理な注文だな。楽しみはこれからだぜ……エヘヘ
ヘ」

 『楽しみはこれからだ』と、ふてぶてしく語る原口に球は深い絶望感に襲われた。
この先原口はどんなことを企んでいるのだろうか。
「うっ……いたっ!」

 その時、球の局部に痛みが走った。
原口の手がスカートから出てきた。
指先に何かをつかんでいる。
「……!?」

 よく見ると、縮れた毛が二、三本つままれているではないか。
しばらくは言葉を失った球であったが、まもなく我に返り、原口に激しく抗議をし
た。

 「何をするの!」
「別に大したことしねえぜ。邪魔だと思ったからちょっこら抜いてやっただけだよ」
「どうしてどんな酷いことするの!」
「うるせいな~! つべこべぬかしやがったら、残らず抜いちまうぞ!」

 「冗談はやめて!」
「冗談じゃねえぜ。俺はやると言ったらやるぜ! だけど俺も人間だ。おめえに痛
い目させるつもりはねえよ。その代りにツルツルに剃ってやるぜ~!」
「きゃあ~!、そんな~~~!」
「ギャーギャーうるせえんだよ。騒ぐんじゃねえ~!」

 激高した原口は猫脚椅子に球をロープで縛りつけてしまった。
両手は椅子の肘掛に固定され、両脚はM字開脚の状態で固定されているため、脚を
閉じることもできない。

 また声を封鎖するため、口には猿轡の役目としてタオルが噛まされている。
「ううっ……うぐぐぐっ……」
「ちょっとの間、静かにしてもらおうか」
「ううっぐっ……うぐうぐっ……」
「ぐふふ、スカートをまくってやるぜ」

 スカートがまくりあげられてしまった。
すでにショーツを剥ぎ取られているため下半身を覆うものは何もない。
さらにM字開脚で椅子に結わえられたことによって、恥ずかしい部分が丸出しにな
ってしまった。

 繁みの真下には縦に亀裂が走り、亀裂内部のサーモンピンクの肉襞までが顔を覗
かせている。
球は膝を閉じその辱しめから逃れようと試みるが、硬く縛った荒縄はぴくりともし
なかった。

 原口はわざと顔を近づけ、卑猥な言葉を並びたてる。
「ほほう、まんこの中はきれいな色をしてるじゃねえか。まだ黒ずんでいないとこ
ろを見ると、まだ経験は少ないようだな?」
「うううっ……」

 「その彼氏とやらはまだ一人目か?それとももっと多いのか? へへへ、どうな
んだ?『一人目』なら首を縦に振れ。『二人以上』なら首を横に振れ。いいか?」
「……」
「おい、どうなんだ?」

 原口は飛沫が顔にかかるほど至近距離で球に問い続けた。
球は半泣きになりながら首を縦に振った。
「へへへ、そうか。一人目か。今、楽しいんだろう?」
「……」
「首を振って答えろ」

 球は首を縦に振った。
「そうか、楽しいか……。ふん!妬けるぜ!」
原口は突然、中指を亀裂にねじ込んだ。
「うぐっ!」

 先程不本意にもわずかに濡らされたが、今はすっかり乾いている。
厳つい指が乙女の花園を蹂躙する。
「うううううっ……!」

 髪を振り乱して拒絶をする球。
指は容赦なく、肉壷をかき回す。
濡れていないのでかなり痛む。
球は顔をしかめ、腰をよじりながら、懸命に耐えた。

 「でへへ、夜はこれからだぜ。さあて、たっぷりと可愛がってやろうじゃねえか。
その手始めにちょっこら面白いことを思いついたので、そいつからおっぱじめよう
か? へっへっへ、楽しみにしてな~」

 現在椅子にM字開脚で縛られ、指でなぶられている。
この上、まだ何をしようというのか。
狂気に満ちた原口の行動に、球は血も凍るような恐怖を感じた。

◇◇◇

 原口は球のそばから離れ洗面所の方へ向かった。
はたして何をしに行ったのか。
球はいぶかしく思った。

 まもなく原口はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて戻ってきた。
手には洗面器を持っている。
洗面器を球の足元に置いた。
湯気が上がっている。湯が入っているようだ。

 洗面器のほかに何やら持っており、それを洗面器の横に置いた。
それは安全カミソリと、球の父親が使っているシェービングフォームであった。
原口がここで髭を剃るはずがない。

 球は原口の意図を察知し、顔色を変えた。
悲しいかな球の予想は的中した。
原口がシェービングフォームを手にすると、球は首を横に振り拒絶の態度を示した。

 「おめえは勘がいいな。今から何をされるか分かっているようだな。へっへっへ、
説明の手間は省けたってもんだよ。さあて、そんじゃ今からお股をツルンツルンに
剃ってやるぜ。楽しみにしてな~。産まれた時の姿に戻るのも悪くはねえぜ。へっ
へっへっ」

 球は懸命にもがいてみたが、椅子に緊縛され目隠しをされているために、弱々し
い抵抗しかできなかった。
球には現在付き合っている彼氏がいる。

 今度彼氏と愛し合ったとき、大切な箇所が無毛になっていたいたとしたら、彼氏
はいったいどう思うだろうか。
暴漢に襲われ剃毛されたこと、肉体を奪われたことを正直に彼に打ち明けらること
ができるだろうか。

 いや、それよりも、この難局を無事に乗り越えることができるのだろうか。
陵辱の渦中にある現在、球としては先々のことを考える余裕などまったくなかった。
突如降り掛かったこの災禍から脱出することが先決なのだから。