『球 脱獄(推敲版)』
 
                    Shyrock:作

第4話 節くれ立った指と窮屈な秘裂

 原口の目は獲物を狩る猛獣のようにギラギラと輝いている。
襲い、捕獲し、そしてその美肉を喰らう瞬間、今まさにその時の目だ。

 「へへへ、すげえ美味そうな尻じゃねえか。こりゃあ、堪らねえぜ」
嫌らしく舌なめずりをしながら、球のよく引き締まった臀部にしゃぶりついた。
ジュポジュポと卑猥な音を立てて尻を舐めまくる。

 「いやぁ!やめて!」
例えようのない不快感に襲われる球。
悲痛な声で叫んだ。

 だが悲痛な訴えも原口を喜ばせる結果にしかならなかった。
臀部への愛撫に夢中だが、左手に包丁を握り、威圧することも忘れてはいない。
「抵抗すれば容赦しないぞ」という無言の威嚇である。
うかつに反抗することができない。

 「流し台に肘をつけろ」
「え?」

 流し台に両手をつけると、臀部を後に突き出したような姿になる。
背後を許す……女性にとっては無防備で不安な体勢だ。
球はためらった。
 
 すると間髪入れず原口が包丁をかざし催促をしてきた。
「早くしろ」
「は…はい……」

 ここは従順に対応するのが賢明だろう。
球は原口の指示に従った。
流し台に両肘をつけると、必然的に前傾になってしまい臀部が後方に突き出てしま
う。

 「へっへっへ、いい格好だぜ。よし、そのまま動くんじゃねえぞ」
原口は球を威嚇すると、そのまま屈みこみ、視線が球の臀部に投げかけた。
次の瞬間、厳つい手が臀部の割れ目に伸びてきた。

 「ひぃ~~~!」
「大声を出すな」
「……」
「へっへっへ、さあ、どんな味かな?」

 そうつぶやくと、突然、臀部の割れ目に唇を押しつけてきた。
「いやぁ~~~!」
(ベチョベチョベチョ……)

 くっきりと縦に走った秘裂を、とめどなく野卑な舌が襲う。
まるで幼虫が敏感な部分を這い廻るような不快感に苛まれる。
(ベチョベチョベチョ……)

 「ひゃぁ……あぁ……いやぁ……」
飢えた獣が美肉をむさぼるようにねっとりとした舌を駆使する。
おぞましさから逃れたい一心で腰をよじって逃れようとするが、圧倒的な力がそれ
を拒む。
(ベチョベチョベチョ……)

 「あぁぁ……許して、お願い……もうやめてぇ……」
「うめえなぁ、久しぶりの味だぜ。やっぱり生の女に勝るものはねえぜ、ぐぁっは
っはっは~」

 うら若き少女の秘裂は野卑な唾液でぐしょぐしょに濡らされてしまった。
その大部分が己の唾液であるにもかかわらず、原口はそれを球が溢れさせた愛液で
あると痛い勘違いをして、やけに機嫌がよかった。

 ところが、球がその後とった態度で、状況は一変してしまう。
「へへへ、感じてきたようだな?」
「感じてないわ!」
「ん……? もうビショビショになっているんだぜ?」

 「全部、あんたの唾だわ」
「ちぇっ、口の減らない小娘が! じゃあ、本気で濡らしてやるぜ! 覚悟しな~!」

 激高した原口はそう言い放つと、唾液でてかてかに光っている秘裂に、節くれ立
った指を一気に挿し込んだ。
「いたいっ!」
ズブズブと食い込んでいく厳つい指。

 「いたいっ! やめて!」
「うるせえんだよ! この小娘がっ!」
ピシャッっと平手打ちが球の臀部に炸裂した。
「いたいっ!」
「ぎゃあぎゃあと騒ぐと、今度は尻じゃ済まねえぞ! いいか!?」
「乱暴はやめて!」
「痛いめにあいたくなけりゃ、大人しくすることだな。分かったか?」

 球は流し台に押さえつけられながらも、うしろを振り返りギュッと原口を睨みつ
けた。
「何だよ。その反抗的な目は? おい、どうしても俺に抵抗するって言うなら、こ
のかわいい割れ目ちゃんに刃物を突き刺してやってもいいんだぜ? えっへっへ」

 原口は球の顔に包丁を近づけると、キラリと光らせた。
「そ……そんな恐ろしいこと……言わないで……」
「おい、俺を舐めるんじゃねえぞ。俺は冗談は言わねえぜ」

 原口は凄んでみせた。
「分かったわ……大声は出さないわ。だから乱暴はやめて」
「よし、分かったようだな。じゃあ続きだぜ。せっかくいいとこまで行ってたのに。
へへへ、夜は長いし焦ることはねえけどよ。まあ、ゆっくりと可愛がってやるから
楽しみにしてな。へへへ」

 原口はそうつぶやくと、再び球の秘裂に太い指を突き立てた。
「い、いたい……」
「へへへ、こりゃかなり狭いようだな? 指一本がやっとじゃねえか。へへへ、ほ
れほれほれ~」

 ぐいぐいと指が捻じ込まれていく。
「ううっ……いたい……」
「指一本で痛いなら、俺のデカイ竿を挿し込んだら、どうなるんだろうな? 気絶
するかも知れねえな? こりゃ愉しみだぜ。けっけっけっけ~」
「そ、そんなこと絶対にやめて……」
「うるせえんだよ。つべこべ言ってねえで、指をしっかりと咥えこまねえか!」
「……」

 挿しこまれた指が前後に律動する。
たとえ薄汚い男の唾液であっても、つけないよりはつけてくれる方が痛みが和らぐ。
濡れてもいない窮屈な秘孔に節くれ立った指を挿し込まれ、球は裂けるような痛み
にじっと堪えていた。

 (コリコリコリ……)
「ん? 何だ? この感触は……。コリコリしてるじゃねえか? あ、そうか、こ
こがおまえのGスポットだな? おい、彼氏にいつもここを擦られてるんだろう?」