『放課後の憂鬱』

                               ジャック:作
第10章「陥   穽」(4)

 藍はその時、昨日の夜の、オナニーの時の妄想を思い出していた。
 あの時・・みんなに囲まれ・・さんざん恥ずかしいことをされたのだった・・
 これはその続き・・・なの?
(そうよ・・・わたしを苛めて・・・)

 また、あの囁きが・・もう一人の藍の囁きが聞こえた。
胸を隠していた藍の手が、ゆっくりと下りた。
藍の乳房があらわになった。

 吉田はごくりと唾を飲み込んだ。伊藤もファインダーを覗き込みながら、しっかりと
藍の胸をカメラで捕らえている。
「最後の一枚だな。パンティ取って。」

 高科の命令に、藍はパンティに手をかけた。パンティを降ろしかけた。が、すぐに手
を戻した。
藍は、やっとのことで思い出したのだ。これを降ろすと恥かしい部分を、毛を全て剃っ
たつるつるのア○コを見られてしまう・・
「こ、これは・・・許してください・・」
藍は震える声で高科に言った。

 が、高科はすぐに言った。
「ダメだ。脱いでくれ。」
「・・・ダメ・・です。これだけは・・・」
「ダメって、なんか理由でもあるの?・・まさか毛を全部剃ってるとか?」

 藍は高科が、全てお見通しのように言うので、驚いてしまった。
(なんで? まさか、知ってるの?・・いや、そんなはず・・ない。)
「・・自分で脱げないというなら俺が脱がしてやるけど、どうする?」

 高科の言葉に藍は慌てて答えた。‘脱がされる’なんて・・・そう思った。
「だ、だめっ・・・じ、自分で・・脱ぎ・・ます。」
藍は再びパンティに手をかけた。しばらく躊躇っていたが、片手でしっかり股間を覆う
と、もう片手で降ろしていった。
とうとうパンティを足から抜き取った。しかし、そのまましゃがみ込んでしまった。

 「カット! カット!・・・藍ちゃん、困るなぁ、ちっとも協力してくれないじゃん。」
高科が近寄ってきた。それでも藍は、両手で股間を覆ったまま、しゃがみ込んだままだ
った。動けるはずがなかった。
「こんなコトはしたくないんだが・・・しょうがないな。藍ちゃん、我慢してくれる?」

 そこで高科は振り返ると「ゆうこ、アレ出してくれ。吉田と柴田は準備だ!」
吉田と柴田が、一本のロープを持ち出した。吉田がロープの端を、ヒョイッと放り上げ
た。
天井の梁を通したロープを持って、ニヤニヤとしている。

 ゆうこが手錠を持ってきて、高科に渡した。
「ごめんね。でも協力してくれないから仕方ないんだ。わかるね?」
むしろいたわるように、藍に声をかけた。それまでよりずっと優しい言い方だった。そ
う言いながら藍の手首に、手錠をかけた。
そして吉田からロープの端を受け取ると、手錠の鎖に結びつけてしまった。

 「さ、みんな位置について!・・いくぞっ!・・カメラ、スタート!!」
しゃがみ込んでいる藍を残して、みんな照明の外へ出ていた。

 伊藤が、カメラをしっかり構えなおした。吉田と柴田が、ロープを握っていた。
「よし、行けっ!!・・ゆっくりとな」

 高科の合図に、ロープが引かれ始めた。弛んでいたロープが、ピンと張った。
「あっ、ああぁあぁぁっっ!! いやあぁぁああぁぁっっっ!!!」
藍の口から、悲鳴が迸った。悲鳴を上げながら、引かれるロープに合わせ、立ち上がっ
た。
立ち上がらないと両手が持ち上げられ、あの部分が見られてしまう。

 「おおぉぉぉっ!」
吉田と柴田は興奮して声を上げ、その様子を見入っていた。伊藤も、カメラから顔を上
げ、藍を見つめていた。
さちとゆうこが顔を見合わせ、クスッと笑った。

 もう藍は立ち上がっていた。両手はまだ股間を覆っていた。しかしロープは張りつめ、
鎖に引かれた手錠が、藍の手首にくい込んでいた。
 吉田と柴田が背伸びをすると、ロープの上の方を掴んだ。そのままゆっくりと腰を落
とした。
「いやあぁぁああぁっっ!! やめてぇえぇぇっっ!!!」

 藍の恥部が、ついに姿を現した。遮るものもなく、みんなの視線に晒された。つるつ
るの、邪魔者がきれいになくなったア○コ・・
「やっぱり・・な。」高科が呟く。そして大声で言って、藍に近づいた。

 「カット!・・取り敢えず、ここまでだ!」
吉田達も、ロープを手近な柱に結わえると寄ってきた。藍は両手を万歳の形に上げ、机
の上で何一つ隠せない姿勢のまま震えていた。

 「パイパン・・ですか・・」
その言葉が耳にはいると、藍の震えは一層大きくなった。こんな姿をみんなに見られる
なんて・・恥ずかしさでいっぱいだった。

 「藍、なんでそんなとこ剃ってるの? そういう趣味があるの?」さちが意地悪そう
に藍に聞いた。
「そっかぁ、藍ちゃん、自分のア○コ、つるつるにするのが好きなのかぁ!」
吉田が合いの手を入れた。

 藍は気が遠くなりそうだった。それでもなんとか言い返した。
「・・そ、そんなことない・・これは・・これは仕事で・・」
「へぇ、仕事ねぇ。大変なんだ、大事なところの毛を剃るのも仕事なんてぇ!」

 ゆうこがそう言った。藍は泣きそうな声で答えた。
「ち、違うんです。撮影ではみ出ちゃいけないから・・仕方なく・・」
藍の言い訳に、今度はさちがすかさず言った。

 「でも全部剃ることないよね。ほんとはつるつるのア○コ、みんなに見て欲しかった
んでしょ?・・やっぱり藍って、そんな趣味なんだ。」
そんなみんなの言葉から、藍を庇うように高科が寄ってきた。藍の立たされている机に
昇ると、藍を抱くようにして言った。

 「藍、よくやってくれた。きっと素晴らしい映画になるよ。頑張ったね。」
そして藍の頭を軽く撫でた。撫でながら片手を伸ばして、藍の手首から手錠を外した。
そのまま崩れそうになる藍を、しっかりと高科が抱き止めた。そして藍の耳に囁いた。
「さぁ、もう一息だ。レオタード着てよ。」

              

    この作品は「ひとみの内緒話」管理人様から投稿していただきました。