『哀奴まどか』

                             イネの十四郎:作
第5章 妬 心 (3)


もう真夜中を過ぎた頃だったでしょうか、やっと扉が開き、ご主人様が私の寝室に入
って来られました。
私はホッとした安心感と、来ていただいた喜びと、これから始まることへの期待を込
めてご主人様の方を見たのです。

薄暗い部屋の中で、ハッキリとは見えませんでしたが、ご主人様は少し青ざめている
ように見えたのです。

フフフ・・来てあげたわよ・・・
明日から夏休みだし・・暫く遊ばなかったから・・・
今日はうんと苛めてあげる・・・昼間のコトの償いも、させてあげるね・・・

さっ、ベットから降りて、床に座りなさい・・・

私はご主人様に言われた通り、ベットと机の間の床に正座したのです。
私は正座する時は、両手を背中で組むことになっているのです。
ご主人様が私の身体を自由にできるよう、何も隠さない姿勢になるのです。

その日も、いつものようにしっかりと手を組み、胸を突き出すようにして、ご主人様
が次になさることを待っていました。

ご主人様は早速綿のロープを取り出されると、組んでいた手をそっと解かせて、私の
左の手首を同じ側の足首に縛り付けたのです。
そして余ったロープを手に持ったまま言われたのです。

今度は横になって、手を伸ばしなさい・・・

私は自由な右手を後ろについて、そっと仰向けに横たわったのです。
それから両手を横に伸ばそうとしたのですが、足首に結わえられた左手がなかなか伸
ばせないのです。
私は一所懸命に、膝を立てたまま足首を動かして、少しは手を身体から離したのです。

ご主人様はロープを張るようにしながら延ばして、私の重い机の脚にしっかりと結わ
え付けたのです。
そして次のロープを取り出されたご主人様は、今度は私の右手首を縛り上げると、そ
のロープを部屋の反対側にあるベットの脚に巻き付けて、強い力で引かれたのです。

私は部屋の真ん中で、机とベットの中間で両手を左右に引かれ、左手首に縛られた左
足の膝を立てたまま、殆ど身動きのできない状態にされたのです。

僅かに自由の残された右足で、股間が晒されるのを庇おうと虚しい努力をしていた時
です。
更にもう1本のロープで私の右足首を縛ったご主人様は、そのロープをベットの脚に
巻き付けて、容赦のない力でそれを引き始めたのです。

あああぁぁっっ・・イ、イタイィィッッ・・・

じりじりと両足が開かれるにつれ、内腿に裂かれるような痛みが走ります。
体育の授業で柔軟体操をする時の、両足を開き背中を押されて前屈する時と同じ痛み
です。
柔軟体操ではすぐにやめて貰えるのですが、これは許されることのない痛みです。

メリメリと、内腿が音を発するような痛みでした。
私は身体が柔らかい方なのですが、それでも耐え難い痛みに、全身から汗が吹き出し
ていました。
ご主人様がロープをベットの脚に固定したときは、私は「大」の字よりも「土」の字
に近い形にされていたのです。

今度は私の口に、丸めたハンカチを押し込まれました。
その上からしっかりとタオルを巻かれ、私は全く声の出せないようにされたのです。
いつもより厳重な猿轡に、今日はとても厳しく責められるのだと感じられました。
しかしあれ程の目に遭わされるとは、思ってもいなかったのです。

私を固定したご主人様は、私の腰の下にビニールのシートを拡げ、敷いています。
きっと床がベトベトになるまで、汗と体液を絞り取られるのでしょう。


                

  この作品は、”ひとみの内緒話”管理人様から投稿していただきました。