『哀奴まどか』

                             イネの十四郎:作
第4章 子 猫 (3)


 爪を立てられた乳房の激痛を感じる暇もない内に、乳首に加えられた信じられない
刺激に、私はそれこそ絶叫を上げ、身を悶えたのです。

 私が身を揉み、捩るたびに、ミミは振り落とされまいとして、しがみついてきます。
私の乳房に、一層深く爪を立てるのです。
しかし私には、そんなことを考える余裕などなかったのです。

 アアァッ!!・・アアァッ!!・・アアアアァァァッ!!・・・・

 それは、まるでヤスリをかけられているようなものでした。
忽ちの内に、私の乳首は充血し、大きく尖り、なにもされなくてもズキズキと疼く位
なのです。

 その、血を噴き出すかと思うばかりに膨らんだ、そっと触られても飛び上がる程敏
感にされた乳首を、あのザラザラの舌で舐め回されているのです。
あのご主人様の作られた、特製の洗濯バサミで苛められた時とは比べることもできな
い、辛い、本当に辛いお仕置きです。

 ご主人様が手を休め、やっと許して頂けたと思った次の瞬間。

 ッッキイィィィッッ!!!!

 まだ牛乳を飲み足らないミミが、鋭い歯で私の乳首に噛み付いたのです。
その激痛に、あまりの激痛に、私は目の前が真っ白になったかと思い・・・そして、
あの欲求が、あの疼きが、身体の奥で弾けるのを感じたのです。

 アアァァッッ!!・・・オネガイッ・・・オネガイデスッ・・・
ワタシの・・机の・・一番上のヒキダシに・・・オネガイッ!!・・・

 一瞬、怪訝な顔をされたご主人様は、それでも私の机に行き引き出しを開けられた
のです。
そしてご主人様が取り出したのは・・・

 もう、1ヶ月も前になるのでしょうか、私がインターネットを通じて購入したバイ
ブレータだったのです。
太さは3cmもあるのでしょうか、イボのたくさん付いた、とても淫靡な器具だった
のです。

 暫くの間、ご主人様は凍りついたように、呆然とそれを見つめておられました。
漸く私のところに戻られたご主人様は・・

 まどかって・・・まどかって・・・
不潔よっ!・・・きらいっ!!!・・・

いきなりバイブレータを、床に投げ捨てるようにしたご主人様は、そのまま私の寝室
から走るように出て行ってしまわれたのです。
ミミもその後を追うように出て行きました。

 一人残された私は、乳首から血を流したまま、肉体の奥で燃えさかる炎に、身を焦
がし続けたのです。


 あぁ・・ご主人様・・・この炎を、消して欲しいのに・・・
この、疼きを満たして欲しかったのに・・早く・・お願いです・・・
私は・・私は、我が儘なのでしょうか・・・欲張りなのでしょうか・・・


 どれ程の時間が経ったのでしょうか、あの疼きも漸く静まり、私も少しは冷静にな
ったのです。
気怠い頭で、暗澹とした気持ちを抱えながら、考え続けていたのです。

 ご主人様・・私は・・私は・・・・我が儘でした・・・
ご主人様の気持ちを・・考える・・・・ことも・・ありませんでした・・
でも・・判って欲しい・・のです・・オネガイ・・です・・・
このまま・・見捨てないで・・・クダサイ・・・・・


 いつの間にか、私はウトウトとしていたのでしょう、ふと気が付くと、ご主人様が
戻って下さっていたのです。
ご主人様の顔にも、涙の跡が光っていました。

 まどか・・さっきはゴメンね・・・ビックリしちゃった・・・
そうなの・・まどかは・・まどかは・・・して欲しかったのね・・・

 でも、今日はイヤなの・・・私もまだ・・気持ちが落ち着かないし・・・
それに、もう遅いわ・・・もうすぐ、お父さん達も帰ってくる時間よ・・・
今度・・・この次の時は・・必ずね・・・

ご主人様は、いつものように私の傷の手当をされると、縛めを解いて下さり、そして
ご自分の部屋に帰って行かれたのです。


 私はその夜、微かな疼きを感じながらも、満ち足りた気持ちで眠れたのです。
その頃、眠れない夜が多かったのに、本当に安らかに眠れたのです。


 有り難うございます、ご主人様・・・・私は待っています・・何時までも・・・


                

  この作品は、”ひとみの内緒話”管理人様から投稿していただきました。