『哀奴まどか』

                             イネの十四郎:作
第4章 子 猫 (2)


 イヤ・・たとえミミでも・・・・こんな私を見られるのは・・恥ずかしい・・・

 でも、ご主人様は一向に構わないご様子です。
それどころかミミを抱き上げると、意地悪なことを言われます。

 ミミちゃん・・お腹が空いたでしょ・・・。
今日はね・・・・変わったミルクを、たくさん飲ませてあげるね・・・。

 そう言ってミミを、私のお腹の上に降ろしたのです。

 あぁっ、イヤッ・・・

 私は反射的に身を捩り、ミミを振り落とそうとしたのですが、却って爪を立てるよ
うにして、しがみついて来るのです。
鋭い爪が私のお腹に食い込み、とても痛いのです。

 フフフ・・・今からそんなに、喜んでいいのかしら・・・
今日はミミちゃんが、素敵なお仕置きをしてくれる筈よ・・・
ゆっくり楽しんでね・・・

 ご主人様が、牛乳を小皿に注いでいます。
そして私の横に立たれると、私のお腹の上に、お臍の当たりに、その牛乳を少しかけ
たのです。
ミミは喜んで、私を舐め始めました。

 アアァァッッ・・クスグッタィッ!!・・イヤァッ!!・・・

 私はそれまで知らなかったのです。
猫の舌が、あんなにザラザラしたものだったとは。

 とても、我慢のできる擽ったさではありません。
ミミがペチャペチャと音を立てて、私を舐め回しています。

 ヒィッ・・ヒィッ・・アゥッ・・ヤ、ヤメテッ・・・ヒィィィッッ・・・

 私は何とか逃れようと、僅かにしか動かせない、不自由な体を必死に捩ったのです。
でもそのことは、ミミに一層強く爪を立てられるだけにしかなりませんでした。
私は擽ったいのと痛いのと、二重の苦痛に苛まれたのです。

 ミミが牛乳を舐め終わると、またご主人様がかけてくれます。
私は、何時終わるとも知れぬお仕置きを、耐え続けるしかなかったのです。

 それが・・・

 最初は擽ったかったミミの舌が、同じところを・・私のお臍の周りを、何度も、何
度も舐められている内に、痛みに変わり始めたのです。
私のお腹の、その辺りは真っ赤になってしまい、その中に何本もの掻き傷が走ってい
たのです。

 今度は、ご主人様は絵筆を取り上げると小皿の牛乳に浸し、私の脇腹をス~っと撫
で上げられたのです。

 キャアアゥゥゥッッッ・・・ヒィィッッ・・・

 予想もしていなかった部分に加えられた刺激に、私は固定されている手足に必死の
力を入れ、身体を丸めて脇腹を庇おうとしたのです。
もちろん、叶うはずもない、無益な抵抗でしかありませんでした。
しかもその上に、私のお腹から飛び降りたミミが、喜んでそこを舐め始めたのです。

 アアアァァッッ!!・・ヒッ!・・ヒッ!・・ヒェィッッ!!!・・・・

 先程よりも、もっと、もっと辛い擽り責めです。
私は半狂乱のように、笑っているような、泣いているような悲鳴を上げ続けていたの
です。

 執拗に、何度も何度も、私の脇腹と腋の下が狙われます。
私は汗と涙と鼻水と涎で、顔をグチャグチャにしながら、泣き叫んでいたのです。
ほんの僅かに動かせる手足をバタバタさせ、身を捩り続けたのです。


 どれ程の時間を責められたのでしょうか、私は荒い息をつきながら僅かな休憩を許
されたのです。
私は必死にお願いしたのです。

 これは・・とても・・が、我慢・・できません・・・
お、お、オネガイですから・・・・あ、あの・・ほかのことを・・・

 ご主人様が、ジッと私を見つめています。
ご主人様の瞳がキラキラと、本当に美しく輝いていました。
あぁっ、きっと許して頂けないのでしょう・・・

 私がもう一回、お願いしようとした時、ご主人様が言われたのです。

 ミミちゃん・・変だよね・・ミルクは、そんなとこから出て来ないよね・・・
やっぱりミルクは、オッパイからじゃないと・・おかしいよね・・・

 アァッ!!・・・そ、そんな・・・

 私がなにも言う暇もない内に、ご主人様は私の胸の上に小皿を翳されると、乳首に
牛乳を垂らされたのです。
ミミは、流れてきた牛乳を追うように、私に飛び乗ると、私の胸を前足で押さえ付け
るようにして、乳首を舐めたのです。


              

  この作品は、”ひとみの内緒話”管理人様から投稿していただきました。