『恭子さん』

                          二次元世界の調教師:作

第31話 夫が見ている前で恭子さんをいたぶる守男の実姉への想い  

 ーーフッ。あれだけの金と手間を掛けただけの事はあったな

 私はついに自分のものとなろうとしている恭子さんの、柔らかいが弾力に富んだ真っ
白な乳房の感触を楽しみつつ、素晴らしく充実した達成感を味わっていた。
私が座る机の横に後ろ手錠と首輪で拘束して正座させている彼女は、何をされても拒め
ない状態だ。

 だがそんな窮地にあって、あろう事か憎い私の手指にハッキリと「女」の反応を示し
てしまう彼女の欲情ぶりに、私も白衣の下の股間を逞しくさせている。
少し離れた所には、身の程知らずにも私をさておき、恭子さんと結婚している夫山田達
也が、同じように無様な全裸拘束で妻の様子を伺っているのだ。

 私は彼にも聞こえるよう大きな声で恭子さんに言う。
「恭子さん。あなたはあの男を愛しているからと、私のプロポーズを断りましたね。で
も今、それを後悔していらっしゃるんじゃないですか?」
「な、何をバカな事を……アッ!」

 「ご主人が見てらっしゃるんですよ。どうしてそんなに感じてらっしゃるのですか?」
「か、感じてなんか、いません!……ウウッ!」
「嘘をおっしゃってはいけませんね。乳首がコリコリで、お乳がどんどん固くなって来
ましたよ」

 私は片手で恭子さんの乳首を指股に挟み、乳房を軽く揉んでいるだけだが、仕切りと
息を弾ませて時折洩れる淫声が堪え切れず、切なげに身をよじっている彼女は、メロメ
ロに感じているとしか思えない。

 もう片手でスタンガンを近付けられ目を反らせないモニター画面には、緊縛されて姉
さんや羽黒に体をいたぶられ、もっとど派手によがり狂っている目隠しされた美女の姿
が再生されているが、それが恭子さんに他ならない事はこの場にいる誰の目にも明らか
だ。

 相乗効果で興奮した恭子さんは異様に感じ易くなっているようだが、さらに夫の前で
陵辱されるのも彼女を狂わせる要素に違いない。
最後になって私に楯突き、夫達也と並んで老醜を晒している調教師羽黒だが、その仕込
みの腕前には感服せざるを得ない。

 さして上手でもない私の軽い乳房弄りだけで早くもきざしてしまったのか、恭子さん
は引き攣ったような悲鳴を上げる。
「ひ、卑怯だわっ! こんな事されたら、女なら誰だって……うひい~っっ!!」

 「何をおっしゃいますか。ご主人の前でこんなに感じてしまうのは、あなたが浮気症
の淫乱な女性だからでしょう。それ、ビデオの中でトチ狂っているのは、どこのどなた
ですか? 誰に嫌らしい事をされてもご主人を裏切っておかしくなってしまう浮気女だ
と言う事を認めるのです」

 「あ、あれはただの演技です……キャーッッ!!」
「目を反らすんじゃありません」
耐え切れず目をつむろうとした恭子さんの肩口にスタンガンをごく軽く触れさせると、
バチバチと火花が散った。

 猛烈な悲鳴を張り上げた彼女が抵抗する気を失ったと見て、私は両手を背後から回し
ユサユサと揺れる雄大な双乳を握り締める。
「私にお乳を弄られながらビデオを鑑賞しましょう。あの気が触れたみたいな嫌らしい
女性は、あなたの本当の姿でないのなら、これくらいで気分を出したりする筈はありま
せんね? 恭子さん」

 「あ、悪魔ですわ、あなたは」
「その悪魔におっぱいをモミモミされて乳首をこんなに固くしてらっしゃるのは、どう
してですか? ご主人、よく見て下さいね。あなたの奥さんは、どんな男にも体を開い
て喜んでしまう、はしたない女性なのですよ」

 「やめて下さい! 妻を痛め付けるのだけは……」
「ほうやで。ボン、お前に人間の血いが流れとるんやったらな」
恭子さんがスタンガンの苦痛で悲鳴を上げたのがショックだったらしい。

 それまで押し黙っていた夫の達也が初めて口を開いたが、それは実に情けない小声で
あった。
それに比べて羽黒の方はふてぶてしく野太い声だったが、いずれにしろ人質状態の恭子
さんは彼らの気分を大いに萎えさせているようだ。

 姉さんはニードル拳銃型スタンガンを二人に向けて脅しているが、恭子さんが私の手
中にあるだけで彼らも抵抗する事はないだろう。
ビデオ画面や恭子さんから目を反らしてはいけないと言う命令に従って、二人ともカッ
と目を見開きこちらを凝視しているようだった。

 「心配いりませんよ、皆さんが大人しく私達の言う事を聞いて下さればね。暴力なん
か使わず、話し合いでいきましょう。後で、ゆっくりと、ね。ふふふ……」
「お、お願いです! もう、やめて下さい。ああ、もう、もうっ!」
「何をやめるのですか? ハッキリおっしゃって下さい」

 「お、お乳を弄らないで下さいまし……」
「もしかして、気をおやりになりたいのですか?」
「そんな! ああ……ダメ……」
「モリオ君、耳を吸ってあげなさいよ。恭子さん、そこが弱いんだから」
「はああ~っっ!!」

 女性なのに身長170センチある私より背が高い恭子さんには不釣り合いな程豊かな
胸の膨らみをゆっくり揉みしだいていると、プリプリの弾力がどんどん強靱になってい
くのが嬉しく、キュッと指股に挟んだ乳首をクリックリッと捻る度に、ヒッ! ヒッ!
と感じ入った嬌声が洩れる。

 ビデオの中でもたんまりレズって彼女の性感帯を知ってしまった姉さんのアドバイス
で、私が恭子さんの貝殻のような形良い耳を口で吸うと、もう長くは保ちそうにない感
極まったよがり声が上がった。

 ーーかわいらしいけど嫌らしい声だな。姉さんはもっと凄いけど

 私はつい、実の姉である久美姉さんが夜に聞かせる大音量のよがり声と比較してしま
う。
この頃は肌を合わせる事もほとんどなくなってしまったが、幼い頃から実質的な母親代
わりとして私の世話をしてくれた姉さんは私の初めての女性であり、つい最近形だけの
結婚をすませた妻と、それしか女性経験は私にはない。

 その、地元企業の社長令嬢との結婚を強く勧めて来た父親も、母とは子孫を残すため
だけのような関係で、他に多くの女性と通じていたようだが、細川家の嫡男として正妻
以外に多くの女性を囲い情を通じて養ってやるのは当然だと、私も教えられて来た。

 父からすれば、そんな妾腹の娘をわざわざ専用の「女」として当てがわれながら、彼
女以外の女性に手を出そうとしない私が、むしろ不満なようだ。
父の誤算は、私と久美姉さんがあまりにも仲が良く、結婚出来る筈がない姉さんをいつ
しか私は一人の女として愛してしまっていた事。

 正直な所、自分が高校時代に当時大学生だった姉さんに男にして貰ってから、他の女
性を抱くなんて不道徳だと思い、父の江戸時代の大名のような古い感覚にはとてもつい
ていけないと、反発を覚えたものだ。

 だが、形式だけ家柄の釣り合う女性と入籍し、本当に愛する女性は姉さんだけでいい、
と思っていた私に大きな転機が訪れたのは、恭子さんとの出会いだった。
細川病院に新人ナースとして配属されて来た恭子さんを初めて見た瞬間、私の頭に電流
が流れたような気がして、この世にこんな美しい女性がいたのか、と本気で思った。

 小柄でぽっちゃりした姉さんしか女性を好きになった事がなかったのに、神様の悪戯
だろうか、長身でモデル体型と言う正反対の容姿をした恭子さんに、完璧な一目惚れを
してしまったのである。

 ナースとしての仕事ぶりも有能で、明るく性格も申し分ない恭子さんへの想いは、そ
の後も募るばかり。
そして私の気持ちを決定付けたのは、看護師長として恭子さんと一緒に働いていた姉さ
んの態度であった。

 その頃既に親から結婚相手を押し付けられようとしていた私は、恭子さんへの想いを
正直に姉さんに伝え、彼女と結婚したいと訴えて意見を求めたのだ。
自惚れかも知れないが、一生愛人として私に尽くす覚悟を打ち明けてくれていた姉さん
だから、私が恋愛感情を持った女性と結婚する事にきっと難色を示すだろうと思ってい
たのだが、姉さんは少しだけ躊躇ってから賛成してくれた。

 その時姉さんに言われた言葉はまだ良く覚えている。
「モリオ君だって、自由に女の人を好きになっていいんだよ」
そう。「自由」と言う言葉に、私は強い憧れを持っていた事を否定出来ない。

 物心付いた頃から何不自由のない贅沢な暮らしだった私だが、世間一般の子供達と違
い、「自由」だけは全くなかった。
小学校時代から学校に行っても放課後はすぐに送迎のリムジンで帰宅させられ、勉学に
励むのが学生の本分だと厳しく躾けられて普通の子供達との交友関係は皆無だった。

 だが細川家の長男として生まれた以上、それが当然だと繰り返し教えられたおかげで、
私は不満を持つ事もなかったし、将来細川病院を継ぐため医師になるべく英才教育を受
けて来たのだ。

 早く帰宅した家では家庭教師が来ていたが、それより5歳上で彼女自身秀才だった姉
さんが勉強を教えてくれる事が多く、又それが私にとっては楽しい時間だった。
学校の稼業時間にいるだけで交友関係が広がる筈もない私にとって、姉さんだけが唯一
の心のオアシスだったのかも知れない。

 父はあまり家にいなかったし、母も無口で大人しく、幼い頃からあまりかわいがって
貰ったと言う記憶がない。
それは父の意向も働いていたようだが、姉さんは次第に私の家まで頻繁に来るようにな
り、寝泊まりする事まで増えて来た。
 
 こうしてどんどん親密になっていった姉さんに、仲の良い姉弟の関係を超えた微妙な
感情を抱くようになったのは、初めて精通があった中学一年生の頃だったと思う。
朝起きてパンツが少し汚れている事が何回かあってから、その事を知られてしまったの
だが、当時高校生だった姉さんは、寝小便ではないそのお洩らしの意味を教えてくれた
上、絶対誰にも内緒よ、と言いながら手を使って出してくれるようになったのだ。

 大好きな姉さんの白く柔らかい手で勃起したペニスをしごかれた挙げ句、ドッと溜まっ
た粘液を放出するのはもちろん素晴らしく心地良く、私はまもなくその夢のような秘密
の快感の虜になる。
同時に男と女の事を教えてくれた姉さんに、とても健全とは言えない恋愛感情を抱くよ
うになったのだ。

 そして高校生になると、ついに姉弟でありながら一線を越えて体の関係を結び、現在
に至るまでほぼ十年間も姉さんとは男女の関係にあるのである。
大学生になって少しは自由に行動する事を許されても、閉ざされた人間関係の中で暮ら
す事になれてしまった私は、友人、とりわけ異性の友達を作る事は全く苦手であった。

 その頃はもう半同棲関係だった姉さんは結構交友関係が広く、私にも友達を作るよう
勧めて来たのだが、身に染みついた性分が改まる事はなく、女の子と遊んだ事は一度も
ない。

 姉さんの言動からすると、そんな私を不憫に思っているようだが、私自身は久美姉さ
んとの関係があれば十分満足だったのであり、姉さんだって内心は他の女性と関係を持
とうとしない私に、ホッとしていた筈だと信じたい。


               
    この作品は「新・SM小説書庫2」管理人様から投稿していただきました。