『恭子さん』 二次元世界の調教師:作 第18話 不道徳な調教依頼 「おいボン。早う言いや。どうせ、難しい女を調教せえ、言うつもりやろ?」 「さすがですね、羽黒さん」 「わては、人の道にもとるような女には、絶対手を出さへんのやで」 「あなたの口からそんな言葉が聞けるとは思いませんでしたよ」 俺が牽制球を投げると、守男は極力感情を抑えた様子でそう言う。 手錠を外してオナニーさせながら口唇奉仕させたのに、無礼にもザーメンを吐き出して しまった馬鹿女麻里はとうにお払い箱のようで、さっさとイチモツをしまい込むと彼女 には一瞥もくれていない。 何が「いい女」だ。 自分の言葉が大嘘だった事をアッサリ露呈しているではないか。 当の麻里はとことん鈍感で、守男の気持ちが自分には全然ない事に気付いているのかど うかわからないが、相変わらずしゃがみ込んで乳やマンコを弄りながら快感に惚けたよ うな表情を浮かべる醜態を晒していた。 「では羽黒さんにお願いさせて頂きましょう。あなたの家のお隣に住む、うちの病院 の副看護師長を私用の性奴隷に調教して頂きたい。姉さんや麻里さんのようにです。ご 存じですね、山田恭子さんは」 「あのな、ボン。その女は人妻やないけ」 「わかっています。ですが私はどうしても彼女を自分のものにしたいのです」 「アホな事抜かすな!」 「私は彼女がうちの病院にやって来て、一目で惚れてしまったのです……」 守男はここで山田恭子に対する想いをつらつらと述べやがった。 お隣さんだから俺も十分知っているが、彼女はおそらくボンより背が高く、スタイル抜 群で色白美形のモデルみたいな素晴らしい容姿の女性だ。 何を隠そう、長年女の調教を生業にして来た俺ですら見惚れてしまい、股間が硬くな ってこんな女を調教出来たら、と邪欲を覚えてしまうくらいなのだ。 最高クラスの女だと言っても過言ではなく、ボンが一目惚れしてしまったのもうなずけ る。 そして彼女は気立ても良く仕事ぶりも有能で、一目で気に入っていた守男は、ますま す惚れ込んでしまったらしい。 数多入る大病院のナースの中で特別に目を掛けて、実姉の久美に次ぐ副看護師長に大抜 擢してやると、満を侍して彼女にプロポーズした。 ところが年上でもあり当時独身で必ずや承諾してくれるだろうと思った恭子さんは、 驚くべき事に大病院の御曹司との結婚と言う玉の輿を断ってしまう。 その上まるで当てつけるかのように、彼女は守男よりさらに年下で大卒後就職すらして いなかった現在の夫と結婚してしまったのである。 「私は今でもまだ信じられないのです。なぜ彼女が私を拒絶し、あんな男と結婚して 苦労する道を選ぶのか」 「悪いがボン、そないな話は受けられへんで。帰らして貰うわ」 隣人だから良く知っているが、確かに恭子さんの夫は彼女には全く不釣り合いな情け ない男で、せっかく就職した中学校教員も辞め、ヒモ状態でブラブラしているようだ。 誰が見たって彼女の決断は不可解だし、子供はいないようだから今からでも別れて守男 の求婚を受けるべきだと、俺でも思う。 だが、好き合って一緒になっている夫婦を引き裂く事は、人として許される事ではな かろう。 あんな駄目夫のどこが良いのか傍目には全くうかがい知れないが、恭子さんはヤツを好 いて甲斐甲斐しく尽くしているようなのである。男女の仲は当事者にしかわからないも のだ。 ところが俺が席を立とうとすると、久美が土下座して頼み込んで来た。 「待って下さい、羽黒様。どうか考え直しては頂けませんか? あの子の話をもう少し 聞くだけでも結構ですから」 「おい、やめろや、久美。お前、他人の嫁さんを横取りするやなんて、許されへん事 やと思わんのか?」 「わかっています! わかっていますけど、それでもモリオの話を聞いて頂けませんか ? あの子が本当に女性を好きになったのは、恐らく初めてなのです」 「やめてくれませんか、姉さん」 「ボンもああ言うとるやないけ。頭を上げんかい、久美。オメエにそないなマネされた ら、気分が悪いわ」 「でも、モリオは本当にかわいそうな子なんです、お願いします!」 「話くらい聞いたるから!」 「姉さん、本当にやめてくれよ。私の方が恥ずかしいじゃないですか」 俺と守男に諭された久美はようやく頭を上げて立ち上がると、必死の形相で俺に迫っ て来た。 「ありがとうございます、羽黒様」 「話を聞くだけやで。どないな事情があろうと、人妻に手え出すなんて、わては絶対 にせえへんからな」 「あ、あの、もうよろしければ、今度は私のおんなで羽黒様にご奉仕させて頂ければ」 「何い!? 色仕掛けでわてを落とす気か? そら無駄に決まっとるやろ」 「いえ、弟の無理を聞いて頂けるならば、姉としてこのカラダの一つや二つ、喜んで羽 黒様にお捧げする所存にございます」 久美は絶対に結ばれない弟の守男を深く愛しており、ヤツの愛人奴隷となるべく、自ら 望んでヤクザな俺に性奴隷調教を施された女である。 本当なら愛する男の寵愛を独占したいのが女の性(さが)であろうに、あろう事か人 妻を寝取りたいと言うヤツの邪欲を満たしてやるため、目の前で俺に抱かれようと言う のか。 俺は彼女の必死さにタジタジとなり、濃厚に発散している性フェロモンに当てられて、 こんな「いい女」をもう一度抱いてやりたいと言う危険な衝動に負けそうになっていた。 守男に抱かれればメロメロになるよう、その肉棒の形で快楽を刻み込んでやった久美 のオマンコだが、その前に調教に使用した俺の改造ペニスの悦楽だって忘れる事はない のだ。 最愛の弟が見ている前だろうが、いや絶対に感じてはならぬと思えば思うほど、久美 は乱れまくって強烈なイキ姿を晒してしまうに違いない。 背徳のセックスはどんな真面目な人間でも獣に変えてしまう魔力を秘めているものだ。 ーーアホんだら! 俺がここで寝取りを楽しんでどないするんや。ボンを叱る資格が ないで だが、俺はここで理性を働かせて危うく踏みとどまった。たとえ彼女自身の申し出で も、生涯を誓った愛人奴隷である久美を目の前で犯してしまったら、ボンの寝取り願望 を諫めても説得力がなくなってしまう。 俺は弟を愛する久美の気持ちを痛いほど感じながら、守男に質問した。妙な答えを返 そうものなら、久美が失神するまで抱いてやった上で、依頼を断り帰るつもりだった。 「おいボン! お姉ちゃんは馬鹿なお前さんのために、俺に抱かれるつもりだとよ。い いのか?」 ーー断るんやで、ボン。お姉ちゃんの気持ちはオメエだって十分わかっとるやろう。 そんな女を俺に抱かせるようじゃ、男として失格や 「申し訳ありませんが、姉さんを抱いて頂くわけにはいきません。こんなお願いをし ながら、自分でも勝手だとは思いますが」 俺は少しだけ守男を見直し、話だけでも聞いてやろうと言う気になった。 「モリオ君! お姉ちゃんなら、いいのよ。羽黒様に、その、して頂いても」 「姉さん、ごめんなさい。それは私の方が我慢出来ないのです。姉さんだって結婚出来 なくても、私にとって一番大切な女性である事には変わりないのですから」 「モリオ君、ありがとう」 「おいおい、そないな所で感動物語をされても白けるだけやで」 「では、私の話を聞いて頂けるのですね」 「はよせい!」 守男が実姉であり一生の愛人である自分の事も大切に思い愛している事を確かめた久 美は、嬉し泣きでボロボロ涙を流している。 俺は人一倍人情話には弱いのだが、たとえどんな事情があろうとも人道にもとる行為に 手を染めてはいけない、と自分に言い聞かせて、ボンの話を続けさせた。 「私には親が勝手に決めた婚約相手がいるのです」 「それがどないした?」 「その人は地元の大企業の社長令嬢で、私より十歳も年下の大学を卒業したばかりのお 嬢さんです。何度かお会いしましたが、とても美しく感じのいい女性でした」 「わからんな。メチャクチャおいしい話やないけ。お姉ちゃんとは結婚出来へんのや から、その彼女と所帯を持てばええがな。そや、結婚前にその娘を調教しといたろか? お前さんのチンポをハメられたら、初夜からヒイヒイ泣いて一生離してくれんように なるで」 久美も麻里も、そういう状態の、言わば守男の性奴隷にしてやったのである。 本妻となるえらく若いお嬢さんだって、一月も預けて貰えば十分に仕込む事が出来るだ ろう。だが、守男は頑なに言った。 「私には選ぶ権利がないのですか。いつだってそうだ。父の後を継いで医者になった のだって、なりたくてなったわけではありません」 「そうなんです、羽黒様。モリオは小さな頃から全く自由のない、かわいそうな子で した。お父様のご意志で医者になる事が当然のように義務付けられていたからです。脇 目も振らないで勉強せねばならず、女性とお付き合いした事もありません」 「結婚相手くらい、私は自分で選びたかったのです」 なるほど、何不自由なさそうな旧家の跡取り息子と言うのも、それはそれで楽ではな いらしい。 だが全く正反対と言って良い貧乏な生い立ちで苦労して来た俺には、甘ったれた世迷い 言にしか聞こえなかった。 「三十過ぎにもなって、ケツの青いガキみたいな事抜かんやないで、ボン。結婚と恋愛 は別物やろが。それにお前さんなら、先代みたいにヨメさん以外の女をいくら囲うても ええんやろうが」 「わかっています。ですから、話を良く聞いて下さい。私はもう恭子さんと結婚する 事は諦めました。父が決めた婚約相手と近く籍を入れるつもりです」 「何い!? お、おい、それじゃ、まさか」 「はい、そのまさかです。恭子さんを、姉さんや麻里さんのような私の愛人にしたい。 あんな生活力のない男とは別れさせて、私の愛人奴隷として一生かしづかせたいのです。 生活の苦労は一切させませんし、子供だって産ませる事が出来ます。その方が恭子さん にとっても幸せに決まっているではありませんか」 「お前、脳味噌がイカれとるで、ボン! あのな、選ぶ権利はお前だけやない、恭子 さんにもあるんやで。惚れた女にふられた腹いせで、相手から引き離そう言うんは男と して、いや人として最低のクズや。お話にならんな」 「やはり引き受けてはくれないのですね」 「当たり前や!」 話を聞いたらますます腹が立つばかりだった。 本妻のある身で人妻を寝取って愛人奴隷に堕とそうとは、正にゲスそのものではないか。 そして守男は俺が承諾するわけがない事は十分わかっており、ここからゲスの本性を剥 き出しにし始めたのである。 この作品は「新・SM小説書庫2」管理人様から投稿していただきました。 |