『恭子さん』

                          二次元世界の調教師:作
 
第13話 中学生の娘の調教を依頼される

 さて、こうして気が進まない中調教を続けていた麻里を、守男はやはり自分の女とし
て引き取っていく。俺は内心ホッとしながら、ボンは先代と違って女を見る目がないの
ではないかと疑ってしまった。

 だがやはり美人でもないシングルマザーを調教させた守男には別の意図があったので
ある。俺の手を離れてから一週間くらい後、土産の一つも持たずなぜか俺の家を再訪し
た麻里は、とんでもない事を言い出した。

 「何しに来やがったねん。もうオメエは細川の女やろうが」
「いえ、それが……内々にお願いしたい事がありまして……どうか守男様には内緒でお
願いします」

 何も言う前から「守男に内緒」と言い出す時点で、クサイと思った。
誰にも言えないような仕事を請け負って来た俺のカンが、逆に守男の企みではないかと
疑わせたのだ。

 表立って依頼しにくい、他人に洩れると不都合な仕事を、他人の口を借りて依頼する。
社会的立場や地位のある男がよく使う手ではないか。
そして麻里の口から出た言葉は、俺のカンが正しい事を裏付けるような、不道徳であり
得ないものだった。

 ーー何い!? 選りに選って、何つう事を……

 麻里は何と娘を抱いて女にしてやってくれ、と俺に頼んで来たのだ。
「ありさ」と言う麻里の娘はまだ中学生の筈だ。
狭い町内で会長をやっている俺はその娘とも何度が言葉を交わした事があり、母親に似
ず華奢で純朴なかわいらしい娘だと思っていたが。

 俺は否定されても疑念をぶつけずにはいられなかった。
「何で又……守男に頼まれたんと違うんか?」
もう俺の中ではイヤな結論がほぼ付いていた。
ボンはこのクソババアでなく、ピチピチの娘を狙っていたのだ。

 「いえ、ですから守男様は関係ありません! 母親の私からのたってのお願いです。
娘のバージンをお上手な羽黒様にぜひ破って頂きたいと」
「アホ抜かすな! どこの世界に自分の娘を汚させる親がおんねん!」

 俺はかなり本気で麻里を叱り付けた。陰で糸を引いているのがボンである事を確信し
ていたが。
しかし、麻里は簡単には引き下がらなかった。

 「お願いします! お礼のお金も弾みますので」
「その金は誰が出す、言うねん? 守男とちゃうんか?」
「い、いえ、違います。本当に守男様は関係ないんです」
「誰がそないな話信じられるかいな! 帰りい!」

 間違いなかった。
シングルマザーの麻里に金の余裕などある筈がない。
守男は初めから、とうが立った中年女になど興味はなく、娘のありささんに白羽の矢を
立てていたのだろう。

 病院からそう遠くないこの町に実の姉で愛人の久美を訪ねて来た際に、彼女を見掛け
て邪念が生まれたのではないだろうか。
ボンがロリコン趣味とは知らなかったが、俺にもその気があるから良くわかる。

 日本人男性は高確率でロリコンであり、小学生以下なら少ないだろうが、制服を着た
中高生女子に欲情を覚えてしまう男はむしろ多数派だろう。
だがその欲情を実行に移せば立派な犯罪だ。
だからボンはこんな回りくどい手を使って来たわけか。

 あいつは俺の性分も良く知っており、絶対未成年女性に手を出したりしないと知って
いる筈だ。
そこで母親を通じて俺に働き掛けて来たのだろう。
一体どれだけ金を積んで、この馬鹿女に娘を売らせようとしたのだろうか。

 ーーボンよ、バレバレやで。親父さんへの反発か? ホンマにお前は小さい男やな

 俺は守男が立派過ぎる父親にコンプレックスを抱き反発している事もよく知っている。
先代は人望が厚く皆から敬慕されていて、本妻以外に多くの女性を囲い子供まで産ませ
ても文句を言われないような男だ。
だから父に決められた結婚相手を渋っているのだろうし、愛人一号として実の姉を当て
がわれたのも面白くなかったのではないか。

 そこで先代が知ったら絶対に激怒するであろう、未成年女性にあえて手を出してみた
………俺がそこまで勝手に推測した時に、麻里が今度こそ俺の予想もしなかったセリフ
を吐く。

 「どうしてもイヤだと言われるのなら、私にも考えがございます」
「何やて?」
「あなたを婦女暴行で警察に訴えます」
「アホ抜かせ! オメエもさんざん喜んどったやないけ!」

 「でも初めは間違いなくレイプでした。抵抗したのに、無理矢理縛られて」
「本気で言うとんのか?」
「はい。今すぐ」
「おい、待て!」

 玄関先でも押し問答の末、警察に訴えると捨てゼリフを吐いて去ろうとする麻里を、
俺は呼び止めずにはいられなかった。
コイツはやはり性根の腐った最低の女だ。

 だがほとんどは泣き寝入りしてしまうと言われる婦女暴行を、羞恥心のかけらもなさ
そうなこの女に告発されてはタダではすむまい。
強姦したのは確かなのだから。

 「守男は何て言うとるねん?」
「あの人は関係ないと何度言ったらわかるのですか」
「関係あるがな。オメエを犯らせたのは、守男やないか」

 「さあ、そんな事私は知りません。だけどきっと私の味方に決まってるわ」
あくまでシラを切りながら、勝ち誇ったように言う麻里。実に腹立たしいが、麻里の脅
しを無視するには、俺は細川家の力を知り過ぎていた。

 ーーこりゃ意地を張っても勝ち目はねえな

 かつてこの地を支配した豪族で今も権勢を誇っている細川一族だ。
大都会ならいざ知らず封建的な田舎の地で彼らに逆らうのは自殺行為に等しく、俺は婦
女暴行犯に仕立てられて人生終わりだろう。

 守男の指示だと言ったって誰も聞いてくれまい。
細川の影響力は地元の警察権力や反対に暴力団にまで及んでいるのである。
逮捕どころか人一人抹殺する事だって可能だろう。

 先代は無論そんな無茶をやらかす男ではなかったが、随分と顔が広く警察署長や暴力
団の組長にまで通じていた事を俺は知っている。
癪に障るが、ここは潔く負けを認めるしかあるまい。

 「娘をヤってええんやな?」
「はい、女の歓びを教えてやって下さい。私にして下さったように」
「そううまくいくもんかい。ありささんはバージンやろうが?」
「だと思います。ではすぐに呼びますので」
「待て、気が早えよ。まさか娘もレイプしろ、ってわけやなかろう」
「強力な睡眠薬を手に入れて来ましたので」

 どうせ本当の事は言わないだろうから、その薬の入手方法は聞かなかった。
ボンの差し金で細川病院を通じたルートに決まってる。
実は俺も先代の時代から、通常では手に入らない劇薬に近い睡眠薬、媚薬、浣腸液の類
を融通して貰い、女の調教に重宝しているのだ。

 俺が望めば細川病院や暴力団を通じたルートで、非合法な麻薬、覚醒剤などのヤバい
薬だって手に入る。
かつて暴力団の竿師だった頃には、どうしても大金を作らせなければならない女を薬漬
けにして外国に売り飛ばすなどと言う阿漕な人身売買に荷担させられた経験すらあるの
だ。

 愛人を薬物中毒にしても意味がないから、組から抜けて細川専属調教師のような身分
になってからは、一切中毒性の麻薬類を使ってはいないが。
俺がアッサリ暴力団から足を洗う事が出来たのも、もちろん顔が利く先代のおかげであ
る。

 仕方ないので俺は麻里と実の娘の処女を奪う計画を相談した。
ボンに大金を積まれたのだろうが、麻里は中学生の娘ありささんを還暦も近い俺に犯さ
せる事に些かの躊躇いも見せず、むしろ大いに乗り気な様子である。

 守男は無関係で自分から俺に依頼するフリをする関係上演技しているのかも知れない
が、金に目が眩んでいたいけな娘の処女を売ってしまうとは何ともひどい母親であり、
俺にレイプさせてそれをネタに未成年の娘を陵辱すると言うさらなる違法行為への荷担
を強要するとは正に「毒婦」と呼ぶに相応しい女である。
が、麻里と話を進めていると俺の頭にはもう一つ別の可能性も浮かんで来た。

 ーーコイツ、ホンマは実の娘を男に抱かせて興奮する、ド変態なのかも知れへんな

 何しろ麻里は強力な睡眠薬入りの菓子を食わせて昏睡した娘を緊縛して俺が女にして
やる時、ありささんの陵辱を自分にも手伝わせてくれと言うのである。
まともな神経の母親なら娘にレズまがいのエッチな行為をやりたがるわけはないから、
そういう不道徳で歪んだ欲望を持った女としか思えないのだ。

 もしかすると何日も掛けた俺の濃厚なセックス漬けの調教で、コイツの中に眠ってい
た変質的な近親相姦願望が目覚めてしまったのかも知れない。
こんな母親を持ってしまった娘のありささんには気の毒だが。


               
    この作品は「新・SM小説書庫2」管理人様から投稿していただきました。