「十字架のある学園」
               
 赤星直也:作
第23話 再出発

 その頃、由里は水谷の動向を調べていた。
「あれは、東光学園の先生だわ」見覚えのある男性が水谷と話しており、その側には
黒岩もいる。
3人は写真を見ながら話している。

 「また何かする気だ。あいつらをのさばらせるわけには行かないし」由里は水谷の
住まいを確かめるため、後を付けていくと学園の理事の家に入った。
「まさか、理事が絡んでいるなんて!」由里は急いで携帯を掛けて連絡していく。
「そう、そうなの。とにかく、戻るから」由里は一旦戻り、昌美と連絡を取り合う。

 それから数日後、授業が終わると直美は黒岩から懺悔室に呼び出された。
「一体何なのよ!」いつもと違い強い口調に黒岩も戸惑っている。
「そんな言い方しない方が良いよ。責任持たないから」黒岩の手が、乳房を掴んだが
「やめなさいよ!」直美はその手を振り払った。

 「やってくれるね。この写真がどうなってもいいんだね?」
「勝手にやりなさいよ。ただし、あなたは脅迫罪で警察行きだけど。刑法が変わった
のを知ってるわよね?」それには黙り込んでしまった。
 
 「とにかく、もう、私に関わらないで!」直美が出ていくと、替わりに昌美が入っ
た。
「あんた、誰に頼まれたのよ!」
「誰にも。俺が勝手にやっているんだ」
「そうなんだ。それならお仕置きだ!」昌美に鉄拳が腹に連発された。
「な、何をするんだよ…」腹を抱えてうずくまった。

 「素直じゃないからよ。私を普通の教師と思ったら、大間違いだからね!」昌美は、
なおも鉄拳を放った。
「言うよ、言うからやめて…」
「誰に頼まれたのよ」
「前までここのいた先生だよ。それに、数学の先生にも…」

 「水沢か、数学は加藤でしょう?」
「そう、加藤先生です。でも、誰にも言わないで下さいよ」
「これ以上、手を出さなければよ。もし、やったら、これくらいでは済まないからね」
「やりません、頼まれてもやりません!」

 「それならいいわ」昌美は懺悔室から出た。
「加藤先生か。やっかいだな」呟くように言う通りで、理事の息子だから面倒な事に
なってしまう。
昌美は、戸惑いながらも由里と連絡を取り「そうなんだ。やっぱりね。これから行こ
うよ」由里に言われ、昌美は一緒に、ある人物に会いに出かけた。

 それから数日後、学園では緊急の理事会が開かれた。
開かれると直ぐに「加藤理事の解任を提案します」事務担当が告げる。
「バカな、どうして解任なんだ!」加藤の納得がいかない様子に「自分の胸に手を当
てればわかるはずだ!」理事長が告げた。

 「思い当たる事がないから、聞いているんだよ!」
「本当に思い当たる事がないなら仕方ない。入ってくれ!」理事会の席上に黒岩と水
谷が呼ばれ、それには加藤も動揺している。

 「もう1人、いるぞ!」老人が、昌美に付き添われて入ってくる。
「これは、北野さん。わざわざおいで頂かなくてもよいものを」理事長が丁寧に挨拶
した。
「こうなったからには、創立者も立ち会わせて貰わないとな」
「わかりました、御覧下さい」礼をすると再び理事会が始まった。

 「黒岩君だったね。君は何をしたんだ?」
「ある人から頼まれて、女の先生を味方に付ける事です…」
「どうして、見方にする必要があったんだ?」
「乗っ取りです。この学園を乗っ取るためにです」

 「で、頼んだのは誰だ?」
「この人です」黒岩は水谷を指さした。
「水谷、それは本当か?」
「ばれちゃったら仕方ない。その通りです。反対派を味方に付けるために、卑劣な事
をやったのは認めます」
「以外に素直だな。まだ教師としての自覚はあるようだな」

 創立者の北野が言うと「もし、許されるなら、もう一度教員として働きたいです…」
「それはわかった。なぜ乗っ取りを?」
「ここで、校長にするという事でしたから…」
「相手は誰だ?」

 「加藤理事です…」それには、どよめきが上がった。
「加藤理事、何か言いたい事はないか?」
「あります。私は理事長の解任を提案します」
「バカ言うな。この期に及んで見苦しいぞ!」

 北野が一括すると「その通りだ。おとなしく責任を取らないと!」声が上がった。
「わかりましたそうします。折角うまく行っていたのに、飛んだ邪魔が入ったな」加
藤は苦笑いしながら会議から出ていく。

 「君達も、ご苦労だったな」水谷と黒岩も出ていくと「創立当時の思想をもう一度
考えて欲しい。あの情熱を…」北野はそれだけ言うと、昌美と一緒に出ていき、理事
だけが残され会議が行われた。
それから数日後、加藤も退職して騒動が収まった。

 そんな中、写真部員が直美や、早苗など、辱めた4人を部室に呼んだ。
「先生、今までの事をお詫びします。ですからこのように」部員達はズボンを一斉に
脱ぎだした。
「やめて。何する気よ!」顔が強ばらせて言うと「ですからお詫びです、これを見て
下さい」パンツを脱ぎ、下半身を露わにする。

 それには4人が「あはははは!」笑い声をあげていく。
部員達は肉竿の周りの絨毛を全てそり落としており、子供のような露わな姿になって
いた。
「この通りです、許して下さい」
「わかったわよ、もういいから、早くしまうのよ」皆が腹を抱えて笑った。

 「先生。それからお願いですが、オナニー用にヌードを使わせて下さい」
「オナニーに、私達のヌードを使いたいの?」
「はい、悪い事には使いません。ですから、ヌードを撮らせて下さい」
「僕もお願いします」部員達は頭を下げており、4人は顔を見合わせた。
「お願いします」なおも、頼み込むから「わかったわ、今回限りよ」景子が承知した
から直美達も承知した。

 「良かった。懺悔室で取りますから」部員はズボンを履くと、4人と一緒に懺悔室
に入り、鍵を掛ける。
「ここなら邪魔は入りませんから」4人は部員の前で服を脱いで全裸になった。
「並んで下さい、ヘアは隠さないで」注意を受けてスイッチが押される。
「撮れたよ。これなら良いです」
「いい、悪い事には使わないのよ。それに誰にも見せないで」

 「誓います」部員は4人を残して出ていく。
「でも、オナニーしたいというのには驚いたわ」
「正直で良いわよ。こそこそするよりは好きだな」
「そうよね、私だってオナニーする事あるし」4人は服を着ながら話をし、着終える
と懺悔室から出て職員室に戻った。

 それから数日が過ぎた放課後に、直美は昌美に呼ばれた。
「今日は面白いモデルなの、付き合ってね」言われるまま、歩いて行くと懺悔室に入
った。
「どう、準備は出来たの?」
「はい、できました」部員が退けると十字架には全裸の男が縛られている。

 「水谷さんだ!」縛られた男を忘れる事はできない。
「直美、脱ぐのよ、罰を与えるから」
「イヤよ、この人の前ではイヤよ!」
「直美が脱がないと罰にならないの。よく見るのよ」昌美が指さす先には肉竿がぶら
下がり、ゴムで留められている。

 「わかったでしょう。あれは痛いのよ」
「わかった、エッチにやればいいのね」直美は色目を使いながら服を脱ぎだした。
それには、水谷の肉竿が膨らんでいき「外してくれ!」顔を歪め、悲鳴を上げている。
「これよ、この顔を描くのよ、キリストも苦しかったはずだから」部員達は食い入る
ように、苦しむ水谷の顔をデッサンしていく。

 「ここも見たいでしょう?」直美は挑発するかのように、パンティを引き下げ、淫
裂を露わにした。
それには「ギャ~!」ゴムが膨らんだ肉竿に食い込んでいる。
(かなり痛そうね。でも、私だって痛かったのよ…)ブラジャーも脱ぎ、全裸になる
と体を揺すっていく。
「やめてくれ、チンポがちぎれる…」額からは冷や汗が流れていた。

 それでも、直美は手を抜かず、乳房を持ち上げたり淫裂を広げたりと挑発を繰り返
した。
水谷も我慢をしていたが、最後には口を開けたまま気を失ってしまった。

 「イメージに残ったでしょう?」
「はい、うまく描けそうです」部員達はデッサンを続けていく。
そして。1時間半ほどして腕が解かれ、肉竿からゴムが外されたが、変色していた。
「使い物にならないかもよ。これも償いと思うのよ」
「わかっています、もうこんな事はしません」昌美に誓うと服を着て懺悔室から出て
いく。

 「これでスッキリしたわ。男はだから嫌いなのよね」昌美は直美に抱きつき、乳房
を吸いだす。
「先生、1人だけ何てずるいわ。やるんだったら私達にも」
「そうだったわね、この際だから、もう一度モデルになって貰いましょうか?」
「賛成!」部員達も賛成して、今度は直美が十字架に縛られていく。

 「何か、物足りないわね」
「そうよ、北野先生のヌードがないからよ」
「私もヌードなの?」
「顧問ですから、お願いします」
「わかりました、私もヌードになります」昌美も脱いで全裸になった。

 「昌美さん、ピアスは相変わらずなのね」
「そうよ、忘れないためにも」そう言いながら乳房を掴んだ。
「こんなの、どうかしら?」
「さすがに顧問だわ、良いポーズです」
「それなら急いで。これ、疲れるのよ」
「わかりました」部員達は真新しい画用紙にデッサンしだした。

 やがて、季節は春が終わりって夏になっている。
東光学園も夏休みだが、3年生は進学の補習で連日登校している。
しかし、直美は3年生の担当ではないから職員室で来期の準備をしている。
「直美さん、暇なら、いいかしら?」昌美が声を掛けてきた。

 「構いませんが…」
「それなら付き合って。きょっと面白い趣向があるのよ」
「面白い趣向って何なの?」
「見れば解るわよ」言われるまま付いていくと早苗と陽子がいた。

 2人は全裸で両手を後ろ手に縛られている。
「これが面白い趣向なんだ…」
「そうよ、こうするの」2人は足を組み合い、抱かされる。

 「陽子さん、痛くないの?」
「痛くはないよ、返って、変な感じ合するわ」
「私もよ、性器と性器が触れ合うから変な感じなの」
「貝合わせって、言うそうよ。女性の性器が貝に似てるから」
「イヤだ、貝合わせだなんて…」顔を赤らめながら見ていると、部員が乳房も縛って
いく。

 「緊縛するの、これも感じるそうだし」昌美は説明し「直美、帰りに私としようよ」
耳元で呟くように言う。
「良いわよ、昌美さんとなら」
「由里さんもいるの。良いわよね?」
「良いわよ。由里さんなら」
「ありがとう」2人が話している間に、部員はデッサンを始めていく。

 そして、直美と昌美は校舎を出ると由里の元へと向かう。
「待っていたわよ、良いのが入ったのよ」
「見せて、どんななの?」3人は奥にある部屋に入っていく。

 「まずは脱がないと。昌美さんにもあるのよ」
「へえ、私にも良いのがあったんだ!」昌美も服を脱ぎ出し、2人が全裸になると
「これよ」下着を取りだす。
「これいいわね、オッパイが見え見えだし」昌美は気に入ったようだ。

 「ちょっと恥ずかしいわ。教師がこんなのを着るなんて…」
「あら、おかしくはないわよ。教師も人間よ」
「そうよ、恥ずかしがっちゃダメよ」昌美は直美に抱きついていく。

 「待って、脱がないと」直美は着たばかりの服を脱いでいく。
「この前までは騒々しかったのに静かになって良かったわね」
「本当よ、あの理事がいなくなったから安心よ」
「これからもそうだと良いけどね」由里も良いながら脱ぎだした。

 「それより、水谷先生は復職するそうよ」
「直美、変な事されたら言うのよ。また十字架に磔しちゃうから」
「期待してるわ」昌美の乳房に顔を埋めて撫でていく。
「そうよ、私も手伝うからね」由里も裸になった。

 「由里さんにも期待してます」
「そう来なくちゃ。おかしい奴はドンドン十字架に磔しないとね」
3人は心おきなく抱きあうが「こんな田舎に飛ばしやがって!」近藤は不満を募らせ、
よからぬ事を考えていた。
そんな事など、知るよしもなく3人は抱きあっている。

~完~