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「拉致された婦警」
赤星直也:作
第1話 拉致された2人
「淳子、昼間だというのに、人が多いわよね」
「そうね。こんなに人混みがあるなんて、思ってもいなかった…」
「それより、早くチラシ配りを済まそうよ」
「そうしよう。早く帰りたいしね」淳子と久美は渋谷署の婦警で、生活課に属して青少
年の非行防止や薬物防止を目的に駅の出入り口でチラシを配っていた。
(これで終わりだ)チラシを配り終え、パトカーに乗り込もうとドアを開けた。
その時に「待て~。逃げるな!」2人の男が警官に追いかけられて、改札口から走って
来た。
「事件よ。急いで!」乗り込みドアを閉めるとエンジンを掛け、走らせようと顔を上げ
たら、運転席に座った淳子の顔を銃が狙っている。
「銃よ、銃を持っている!」銃口に淳子も気がつき動けない。
(このままだと、殺される…)淳子は緊張し、久美も声が出せない。
銃を持った覆面をした2人は、後部座席を開けてパトカーに乗り込んできた。
「走れ、走るんだ!」銃が淳子と久美に押し当てられている。
「撃たないで、走るから撃たないで!」アクセルを淳子が踏んだ。
「ブーン!」エンジンが大きくなって走り出すと「停まれ、停まるんだ!」警官が叫ぶ
が車は一気にスピードを上げて走りだし、停めようとする警官を後目に走り去った。
(覆面をしている!)バックミラー越しに淳子は2人を見た。
「兄貴、もう平気だよな?」
「ああ、もう平気だぞ。それより、金は大丈夫だろうな」
「ほら、大丈夫さ」2人の男は覆面を脱いで、持っているバックの中を確かめている。
バックの中を確かめ終えると「飛ばせ、飛ばすんだ!」叫ぶ2人だ。
「無理よ。これ以上飛ばしたらスピード違反よ」言い訳をする淳子に「飛ばさないなら
こいつが死ぬ事になるぞ!」銃口が久美にも押し当てられた。
「撃たないで、死ぬのはいやー!」悲鳴を上げる久美に「わかったわよ」淳子はさらに
アクセルを踏んだ。
「よーし、それでいい。次は右だ。右に曲がれ!」道路事情に詳しい男だ。
パトカーは行き交う車の少ない道路を走って(ライトを点けて走ろう!)淳子はスイッ
チを入れようとした。
「昼間からライトはおかしいぜ。そんなに死にたいのかい、お姉さんよ!」銃がぴた
りと淳子の頭に押し当てられた。
「そうよね。ライトはおかしいわよね…」(気づかれた、こいつら車に詳しいわ)諦め
る淳子だ。
「それより、その下の、無線スイッチを入れておけ!」
「これはパトライトよ。かえって怪しまれるわ」
「そうかな、どれ!」男は銃を押し当て、手を伸ばしスイッチを入れた。
『渋谷にて強盗事件発生。犯人はパトカーを乗っ取った模様。パトカーに注意せよ。
繰り返す…』スピーカーから声が流れた。
(こいつら、ただもんじゃないわ)銃口を押し当てられた淳子と久美は思った。
「これは、警察無線だよ。覚えておきな。姉さん」男の手が淳子の胸を触っていく。
「やめて、触らないで」ハンドルを握りながら拒んだ。
「礼くらいしろよ、警察無線を教えてやったじゃないか!」
(このままだと、殺されるかもしれない!)汗で額が濡れていた。
パトカーは人目にも付かずに、すんなり江東区に入った。
「急げ、あそこだ」男が示す先には工場があり、黙々と煙突から白煙がでている。
パトカーがその工場に入ると、作業をしていた2人が驚いて寄ってきた。
「兄貴、どういうつもりだ?」
「手違いがあった。このパトカーをすぐにスクラップにしろ!」
「わかった、とにかくやってみる」
「ここは産廃処理場ね。どういうつもりなのよ」
「見ればわかるさ」銃を押しつけられた淳子と久美の両手が後ろ手に縛られていく。
その前で「ぱ、パトカーを壊している!」驚く2人だ。
「そうさ。ここは産廃処理場だ。こんなの分けないよ」あっという間に、エンジンが外
され、溶断機が容赦なく車体を切っていく。
「ガソリンが残っているから、気をつけろよ!」
「大丈夫です。タンクも外しました」慣れた手つきで、パトカーはあっという間に鉄く
ずと化してしまった。
「見ていな。これを溶鉱炉に入れるんだ。跡は残らないぞ」強盗犯は着ていた服を脱
いでいく。
「兄貴、着替えを用意しました」下着姿になった2人は、今まで来ていた服を放った。
それを配下が鉄くずと化したパトカーと一緒に、溶鉱炉に入れた。
「ぱ、パトカーが消えていく!」
「そうさ、これでパトカーはこの世から消えるんだ」車体がすべて放り込まれた。
その後、バラバラにしたエンジンも溶鉱炉に入れられて、パトカーは跡形も残っていな
い。
(証拠がない。これで、強盗犯の証拠が消えてしまった!)信じられないと言った顔の
淳子と久美だ。
「これで一安心だが、こいつは素直じゃなかったから、懲らしめないと気持ちが収ま
らないよ」
「わかってるよ兄貴。とりあえず、中に入って懲らしめようよ」
(何をする気なのかしら、まさか、集団レイプでは?)銃を向けられて逃げる事ができ
ず言われるまま歩いていくと、粗末な建物が見えてきた。
「入るんだ!」ドアが開けられた。
(ここに閉じこめる気かしら?)不安を抱いて中に足を入れる淳子と久美だ。
(以外に綺麗だわ)2人が連れ込まれたのは、工場の従業員用の寮だ。
仕切られて部屋もあり、大きなリビングもある。
「こいつらが、逃げないようにしろよ」
「わかってます。兄貴」リビングには作業を終えた男も集まり、4人で淳子と久美を取
り囲んだ。
「オッパイは触らないで!」
「勘違いするな、お前の名前をお知りたいだけだ」兄貴と呼ばれた男は2人から警察手
帳を取り上げた。
「ほう、宮下淳子に後藤久美か。こっちが宮下淳子だ、大きいぞ、オッパイが!」リ
ーダーらしい男に胸を触られる淳子だ。
「触らないで。それより、あんな達は何者よ」制服の上から乳房を触られた淳子が言う。
「そうだな、こっちも名乗らないとな。俺は森脇伸介だ。リーダーをしている」森脇
は久美の胸も触った。
「ほう、ままだな。きっと、美乳の部類だ」
「触らないで、不潔よ。男なんて!」
「嫌うなよ、俺は新田三郎だ」新田も久美の胸を触っていく。
「俺は梅宮宮良太だ。よろしくな」やはり、胸を触った。
「杉田純一だ。オ○ンコも触りたいな」
「不潔、オ○ンコなんて不潔よ!」おびえる淳子と久美だ。
「お前、わざとやったよな?」森脇は両手を縛った淳子を見つめた。
「仕方ないわ。あれは婦警として当然の事よ。あなたが警官だったら同じ事をしたはず
よ」そう言いきる淳子の体が震えていた。
「そうだよな、俺もそうするな。でも逃げられたら困るしな…」新田が言う。
「だったら、逃げれないようにしようぜ!」森脇にはいい策があるらしい。
淳子の顔をしっかり見ながら「可愛い顔をしてるが、どんな顔になるかな。杉田、お前
の出番だ。準備しろ!」
「任せてくれ、兄貴」杉田は自分の部屋に戻って、機材を運んできた。
「梅宮、手伝ってくれ」
「喜んで手伝うよ。こんないい事は、滅多にみれないからな」2人ビデオの準備をして
いく。
(ビデオだわ。まさかレイプビデオでは?)顔が真っ青に変わる淳子と久美は「いや、
やめて、ビデオはいやです!」震える声でやっと言えた。
「嘘を付いた罰を受けないとな。この子を頂いていいだろう?」
「兄貴。その代わり、俺もオ○ンコしていいだろう?」
「当然さ、仲間じゃないか…」
「いや、いや、レイプなんていや!」両手を縛られた淳子と久美は後ずさりしていく。
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