「哀れみの女刑事」

                             赤星直也:作

第22話 辞職(最終話)


 陵辱ゲームが終わりると、東京に戻って普段の生活に戻っていた。
2人もいつものように勤務を終え、クラブで働いていると突然、警官がなだれ込んでき
た。
「ガサ入れだ!」2人は逃げようとしたが、行く手を警官に塞がれ掴まってしまった。

 「こっちへ来て貰おう!」従業員と客は一同に集められて、所持品を調べられ、名前
と住所を聞かれていく。
(嘘を言っても通じないし…)職業柄、知っていたから諦めて事実を告げている。

 「職業は?」
「公務員です…」
「公務員と言っても色々あるだろう、先生とか、保母とか」
「け、警官です…」
「何、警官?」
「はい、警視庁の刑事です…」それだけ言うと、相手も黙ってしまい、席を立った。

 暫くしてから戻り「一緒に来て貰おう!」2人はクラブから連れ出され、パトカーに
乗せられた。
「こんな事して、いいと思っているのか、警官だぞ!」
「警官だって人間です。刺激が欲しくて…」その後は沈黙したままだ。
「とにかく、署まで来て貰う」警察署に連れて行かれ、尿検査をされた。

 幸いな事に、クラブからは麻薬などの違法行為が見つからず、2人の尿からも何も出
なかった。
「薬はやってないようだな。それにしても、女同士で抱き合うとはな…」取り調べの警
官もあきれ顔だ。
(好きでやっている訳じゃないわ。脅されてやっているだけよ)反論を堪え項垂れたま
まだ。
「アルバイトが禁止されているのは知っているよな。辞表を書くなら今の内だ。とにか
く、今日は帰ってもいい」釈放されアパートに戻った。

 翌日、良子が署に赴くと同僚からは白い目で見られた。
「あの人、レズの趣味があるんだって!」
「それだけじゃないわ。お金を貰って抱き合うって聞いたわよ」わざと聞こえるように
言う。
(悔しいわ。そんな事言われる筋合いじゃないのに…)黙って耐えているが、署長に呼
ばれ「首か、辞職か選んでくれ」用紙が渡された。

 (もう、やめるしかないんだ…)覚悟を決めて「辞めさせていただきます」と返事す
る。
「その方がいい。後はこっちでやるから書いてくれ」言われるまま記入して署から出た
が、同じように、貴子も辞めさせられた。

 警官を辞めた2人は、アパートでくつろいでいると悦子から呼ばれ、悦子は2人を見
るなり「警官を首になったそうね、これからはどうする気なの?」と尋ねる。
「予定はありません、これから考えます…」

 「それだったら、手伝ってくれないかしら。ただとは言わないわよ」
「手伝うって、何をですか?」
「キャバレーよ、新しく始めようと思っているの」
「キャバレーですか…」
「そうよ、そこで働いて欲しいのよ」

 (どうしよう、ホステスはイヤだけど、生活もあるし。それに…)弱みを握られた2
人は「わかりました。やってみます」承知するしかない。
「良かった。早速だけど、明日から研修よ」劉の店で働くよう言われた。

 そして、2人は悦子と一緒に劉のバーに向かうと、麗華が待っていた。
「聞いているわよ。タップリしこんでからお返しする」2人は更衣室に連れて行かれる。
「分かっていると思うけど、逆らったらダメよ」注意しながら制服を手渡し、それを受
け取ると、服を脱いでいく。

 「下着は着けないで。意味はわかるでしょう?」
「はい、わかっています」言われるまま、パンティ、ブラジャーと脱いで全裸になると、
絨毛が短くカットされ、帯状に残されている。

 「あら、いいわね。手入れが行き届いて、いいわよ」麗華も気に入ったようだ。
(ヘアなんてどうでもいいわよ。好きでやっているんじゃないから)黙ったまま制服を
着ていくが、やはり、胸の真ん中がくり抜かれて乳房の膨らみが見える。

 「いい、こうされても笑顔でいるのよ」麗華は穴から手を入れて、良子の乳房を掴ん
だ。
「そ、そんなのイヤです!」手を払おうとしたがやめた。
「そうよ、それでいいの。あなたもよ」貴子も掴まれたが堪えている。
「ここはどうかしら?」淫裂も触られたが2人は堪え「大丈夫みたいね。今の気持ちを
忘れないで」麗華はそう言うと2人を連れて店内に戻った。

 戻ると、2人は先輩と一緒に客の相手をさせられていく。
勿論、客は手を忍ばせて乳房や淫裂を触っている。
「いいね、こんな大きくて。それに、パイパンもいいよ」満足そうに触っている。

 2人は店内の客席を漏れなく回っていたが、麗華から呼ばれた。
「今夜は。お客に付き合って欲しいのよ」
「付き合うって、まさかホテルじゃないでしょうね?」
「そのまさかよ、2人が気に入ったらしいの。大事なお客だから頼むわね」

 「イヤよ、セックスなんてイヤです!」
「わがまま言うんじゃないの。やらないなら、尻に消えない印を付けるわよ」
それには「わかりました、でも、今回限りにして下さい」項垂れて言う。
「わかっている、今回限りよ。それから、これは気持ちよ」2人に3万ずつ渡した。
(売春よ、これは売春だわ…)自分の行う行為に、罪悪感を感じながら閉店まで客の相
手をした。

 そして、店が閉まると麗華から言われたホテルへと向かう。
「良子、行きたくないわ」
「私だってイヤよ。売春何てしたくないわ。でも、やらないと…」
「そうよね、一生消えない印が付けられるし」話しながらホテルに向かった。

 ホテルに着くと、2人は携帯で麗華から教わった番号に掛け、暫くして男がロビーに
現れた。
「待っていたぞ、糸川に陣内!」声の主は前の捜査本部長、若林だった。
「どうして、本部長がここに…」
「本部長なんて呼ぶ必要はない。若林でいい。訳は部屋で話から来い!」2人は若林の
後について部屋に向かった。

 部屋に入る良子は「あっ!」声を上げた。
部屋にいたのは、陵辱ゲームで散々辱められた男がおり「また、お会いしましたね」男
は挨拶するが良子は下を向いたままだ。

 「糸川、知っているよな。知らないとは言わせないぞ!」
「は、はい。知っています…」
「陣内君も知っているよね、瀬戸の島で合っているはずだ」それには貴子も何も答えら
れない。

 「それはいいとして、島でやっていた事をやらせてくれ。話はその後だ!」
「ここで、やるとおっしゃるのですか?」
「そうだ、準備しろ!」

 「許して。もう警官はやめましたから、やりたくありません!」
「イヤでもやるんだ。これがどうなってもいいのか?」それは、悦子と奈美が撮った2
人のレイプ写真だ。
「そんな、若林さんまで脅すなんて…」涙が止まらない。

 「やるのか、やらないのか、どっちだ?」
「やります…」良子が服を脱ぎだすと、それに倣い、貴子も「私もやります…」服に手
を掛け脱ぎだした。

 2人は次々と脱いで下着姿になった。
「ダメだな。もっと派手なのを着ないと…」
「そうですね、これでは素人ですよ」下着に不満があるようだが、2人は黙ったまま脱
いで、生まれたままになった。

 「ほう。初めて見るけど、いい体してるな」若林は良子と貴子の体を眺めると触わり
だす。
乳房、淫裂と女性のシンボルを味わうかのように撫でて「糸川。ここにどれくらい入れ
られた?」指が淫裂に入れられた。
「わかりません、数えていませんから…」

 「陣内は?」貴子の淫裂にも指が入れられた。
「私も、数えた事がありませんからわかりません」
「そうか、わからない程やったのか。それなら安心してやれるな」若林は服を脱ぎだし
たが、それに合わせてもう1人も脱ぎ始めた。

 やがて、2人は生まれたままの姿になると、抱きついていく。
「まずは、こうして…」ベッドに寝かせて覆い被さった。
(入れないで、お願いです!)目を閉じると胎内に熱い肉竿が押し込まれ、痛みを覚え
た。
「うっ!」呻き声を上げてもなおも押し込まれ、ゆっくりとピストンが始まる。

 やがて、ピストンが速まると「あ、あ、あ~!」声を上げ、腰が動き出し、淫汁が流
れていく。
「出してもいいよな?」
「はい。飲んでいますから、出してもいいです…」その言葉にピストンが停まって噴射
が行われた。

 射精を受けた2人は淫裂から体液を流したまま、仰向けになっている。
「そのままでいい。話を聞いてくれ」若林が話し出すが、2人の手が乳房を揉み続けて
いる。
「2人には大事な事を頼みたい。その前に、糸川と陣内は遺書を書くんだ!」

 それには起きあがり「何と、おっしゃいましたか?」驚いた顔になった。
「遺書を書くんだ。そして、戸籍から消えて貰う」
「イヤです、死ぬのはイヤです!」若い良子が泣き出した。

 「何も死ねとは言ってない。戸籍から消えるだけだ。それに、暫くの間は静養して貰
う」
「もしかして、別な組織に潜り込むのでは?」
「そうだ、これからはこの男の指示に従え。今、言えるのはそれだけだ」
それには、2人とも黙り込んでしまった。

 「やるよな、この写真が表沙汰になるよりはいいだろう?」
「やります、ですから写真はなかった事にして下さい」
「約束する。白石や岡島が撮ったのも捨てさせる」
「約束ですよ」
「約束するから今夜は楽しませてくれ」2人は言われるまま、四つん這いや駅弁で淫裂
を突かれ「あ、あ、あ~!」声を上げ続けた。

 翌日、2人は言われるままに遺書を残し、アパートからレンタカーで出かけ、富士山
麓の青木樹海で降りた。
そこで、ホテルであった男の車に乗り込むと別な場所へと向かい、その数日後には「元刑
事、青木樹海で自殺?」と新聞の見出しに載っていた。

 それから1年が過ぎ、警察や世間では良子と貴子の名を語る者はいなくなっていた。
そんな中、貴子と良子は東京にある、マンションの一室で生活していた。
顔を整形し、黒いブラジャーにパンティと黒ずくめの下着を着け、派手な衣装を着てい
る。

 「今夜の相手は稲川よ。バックはロシアだから気を付けるのよ」
「わかった。それとなく探りを入れる」2人は夜になると、電話で教わった場所に向か
い、男に抱かれながら情報を集めていた。
その情報を元に、警察と公安が取り締まりを行っている。

 それがうまくいくと、若林が褒美と称して2人を抱いていた。
「良くやったな。今夜は後ろからしてやるぞ」
「後ろからじゃなくて、抱っこしてやりたい…」
「わかった。こうだな?」太股を抱え上げられ駅弁で結合し、太股が揺すられると「あ、
あ、あ~」と声を上げていた。

 「私にもチンポで…」
「わかっている。終わったら交代するから」若林は公平に扱っていた。
しかし、若林の背後には白石や岡崎達がいて、糸を引いているのを2人は知らない。

~完~