「哀れみの女刑事」

                             赤星直也:作


第1話 エステ店


 夜遅くにも関わらず、警視庁の会議室では女性失踪事件の捜査方針を巡って熱心な意見交換が行われていた。
「虎穴に入らずして、どうして虎を捕まえられるのでしょうか!」まだ若い女性が声を張り上げていた。

 「糸川君、言いたいことはわかっている。しかし、若い女性が囮になると言うことは危険が伴うんだよ」白髪交じりの男性がいさめた。
「それはわかっています。ですが、このままでは連続失踪事件の手がかりすら掴めません。ですから、私にあのエステへの潜入をやらせて下さい」

 「ダメだ、絶対に許さない。囮捜査するには裁判所の許可が必要だ。今の状態では許可は絶対に下りない!」
「どうしても、囮捜査はやらないのですね?」
「そうは言ってない。今はその段階ではないと言ってるだけだ!」

 「わかりました。そこまで言うなら勝手にやります!」若い刑事は会議室から出て行った。
「やれやれ、怖さを知らない糸川刑事にはには困ったもんだ」頭を掻く若林だ。

 「本部長、それより本題に戻らないと…」
「そうだな。あのエステが失踪事件の決め手だしな」女性が抜けた後も会議が続けられた。

 その翌日、捜査本部が目を付けたエステに会議を途中で抜け出た女性刑事が入って行く。
女性の名前は糸川良子と言って、25歳の独身だ。
仕事熱心だが我が強く、独断で行動する事もあり今回も勝手に行動している。

 「客として入るなら問題ないはずよ」良子は自分に言い聞かせながらドアを押し中に入った。
「いらっしゃいませ!」白衣を着た女性従業員が良子に頭を下げた。
「あの~。初めてなのでわからないのですが…」
「それでしたら、こちらでご説明します」従業員は丁寧に説明を始める。

 それを聞いていた良子は(どうしよう。人前で裸になるなんて。でも、ここまで来たら引き下がれないし)考えて「わかりました。コースでお願いします」頼むと「それでしたら、この契約書にサインをお願いします」契約書を差し出される。

 「エステで契約書ですか?」
「はい、トラブルがあった場合に困りますから」
「わかりました。住所と名前を書けばいいのね」契約書に書き込んでいく。
それを笑顔で見ている従業員だが、怪しく輝く目をしているのに良子は気が付かなかった。

 「これでいいのね」
「結構です。早速、今日から始めますので着替えをお願いします」良子は従業員に案内され、小さな部屋に入ると「これに着替えて下さい。下着はなしですよ」そう言って出ていく。

 「こんな薄いのを着るなんて…」愚痴を言いながらも脱ぎだしたが「待てよ。もしかして、監視されているかも…」不安になって見渡せばそれらしき物はなく、鏡が置かれてあるだけだ。

 (これだわ、この裏で監視しているんだ。でも、脱がないと返って不審に思われてしまうし…)自分と葛藤しながら上着、スカートと次々と脱いでパンティとブラジャー姿になった。

 良子のブラジャーからはDカップの乳房は半分ほど飛び出し、パンティも股間部分がうっすら黒ずみ、程良く盛り上がっている。

 (恥ずかしいけど捜査のためにはやるしかない…)覚悟を決め背中のホックを外すと乳房が勢いよく飛び出し揺れている。
(見られているはずよ、私のオッパイを…)怪しまれないように平然と振る舞いながらも、肩から紐を外して上半身裸露わにしていく。
鏡にも乳房を露わにした姿が映っているが、乳首が限界まで膨らみ、乳房も心なしか震えている。

 (問題はこれからだわ。ヘアはおろか、性器まで見られてしまう…)下を向いたままパンティを掴んで引き下げていく。
良子の手が太股まで下がると、真っ黒な逆三角形の絨毛が現れた。
(お願いだから、しばらくの間は見ないでいてよ)震えを抑えながらパンティから足を抜くため足をあげた。

 すると、鏡には黒い絨毛に包まれたピンクの淫裂が映し出される。
(見られたわ、私の性器が…)緊張しながら別な足も上げて淫裂を晒した。
そして、良子の手には温もりのある小さな布が残され、生まれたままの姿になっている。
(恥ずかしい。これ以上見られたくない…)パンティを仕舞い込むと急いで渡され服を着込むが、うっすらと乳房が透けている。

 (とにかく、これで安心だわ)丸見えから逃れた良子は一安心しているが、やはり、監視していた者がいた。
「見ろよ、いい獲物だ。これは逃すなよ」
「わかっています。必ず落とします」
「それならいいが。それにしても、オッパイと言い、オ○ンコと言いチンポが立っちゃうよ」隠しカメラを見ながらチャックを引き下げて肉竿を擦りだした。

 「そんな事しないで。私がしてあげますから」側にいた女性が慌てて肉竿を掴むと擦りだす。
「それだけか?」
「そんな事ありません。いつものようにしてかまいません。ですから、あの女とだけはイヤなんです」そう言うと白衣を脱いだ。
女性は白衣の下は何も身につけて無く、白い乳房と無毛の淫裂が露わになっている。

 「相変わらずピンクでいいよな。これでやってくれ」
「お任せ下さい」女性は男に跨り肉竿を掴んだまま腰を沈めていく。
「悦子、相変わらず締まりがいいな。チンポが絞められるよ」
「これも訓練のおかげよ。遊びは自由だけど、私を忘れないでね」悦子と呼ばれた女性は腰を上下に動かして行く。

 暫く腰を動かしていると、男性は揺れ動く乳房を握りしめ揉み出す。
「悦子、これは何だ?」乳房を揉みながら指の間で乳首を潰した。
「ち、乳首です、悦子の敏感な乳首です…」
「そうか、敏感な乳首か。オ○ンコも敏感じゃなかったかな?」
「オ○ンコなんて言い方イヤ。セックスと言って」顔を振りながら腰を振り続けている。

 一方、ガウンに着替えた良子はエステ室に入った。
「始めますから、ガウンを脱いで仰向けに寝て下さい」
「わかりました」言われるまま背中を向けてガウンの紐を解かれていく。
(全部見られてしまうわ。相手が女でも恥ずかしい…)顔を赤らめ肩からガウンを脱ぐと背中が露わになった。

 (もしかして、ここにも監視カメラがあるのかも知れないわ。またヌードを見られてしまう)急に恥ずかしさが込み上げ、ガウンを脱ぐと股間を押さえながら仰向けになった。
「そんな恥ずかしがること無いですよ。ここには誰もいませんから」股間を押さえた手を退けさせる。
(見られたわ、見知らぬ人に…)顔を赤らめて横を向いた。

 そんな良子を気に留めず「羨ましいわ。こんなにお綺麗で」露わになった乳房や股間を見ている。
「そんな、綺麗だなんてとんでもないです。普通です…」
「普通だなんてとんでもないですよ。私なんか貧弱ですから」そう言うとゼリー状の液体を塗りだす。

 「冷たいかも知れませんが、始めだけですから」ゼリーを伸ばしながら肌を撫でだし、暫くすると手が乳房に伸びた。
エステ嬢は乳房を揉みながら乳首を摘み(やめて、そんな事されたら変になっちゃう!)快感を覚え声を出すまいと堪えている。

 そんな良子と知ってか知らずか、エステ嬢は乳房を揉みながらゼリーを擦りつけた。
「お客様、気持ちいいでしょう。セックスと同じ感じでしょう?」
「そんな事言われても、まだセックスした事がないからわからないわよ」
「そうでしたか、それは失礼しました」エステ嬢は目を輝かせ、手を乳房から太股に伸ばして擦りだした。

 手が内股を擦っていくと時折指が淫裂に当たって(やめて、性器は触らないで!)触れるたびに腰が引き吊った。
それを楽しむかのように、幾度も淫裂を触りながら「ここもします」遂に淫裂を指が撫で出す。
「そ、そこはいいです。恥ずかしいからいいです!」
「そんな遠慮なさらないで。ここは汚れが貯まる場所ですよ」断っても足を開いて淫裂を触りだした。

 エステ嬢は良子の反応を楽しむかのように割れ目の上にある突起を撫でだし「やめて。そこはしなくてもいいです…」唇を震わせ声もかすれている。
「そうおっしゃらずに任せてください」薄笑いを浮かべて突起の包皮を捲ると半透明の粒を指先で撫でた。

 「あ、あ、あ~!」さすがに腰が動き、声もあげて「ここをされると、オナニーより気持ちいいでしょう?」なおも撫でてから淫裂の中まで撫でていく。

 「そんな、オナニーだなんて…」良子は久しぶりに味わう快感で(性器を触られると気持ちいいわ。セックスもこんな感じならいいのに…)経験ないが淫裂の中は潤っている。

 「感じるでしょう。もっと欲しいでしょう?」指が大胆に動きだし、それに合わせて腰も動いていく。
(気持ちいい、オナニーなんて目じゃない…)声を上げながら淫汁を流していく。

 エステ嬢はその後、俯せにして背中や尻にもゼリーを塗っていく。
「ここは丁寧にしますよ」肛門を撫でている。
(丁寧ってどんな風にやるのかしら?)不安に思っていると指が押し込まれ「ヒ~。抜いて、お尻はイヤです!」体を震わせながら叫んだ。

 「汚れていますから綺麗にしないといけません」入り込んだ指が動き出し「あ、あ、あ~!」悲鳴に近い声だ。
「お客さん、直ぐになれますよ」笑いながらも指を動かし続け、その後に全身のマッサージが行われた。

 「お客さん、ついでですからヘアの手入れもしましょうよ」
「ヘアの手入れですか?」
「そうです。こんなにぼうぼうではみっともないですよ」
「手入れしたらどうなるの?」

 「そうですよね。現物を見た方がいいですわよね」エステ嬢は良子の前で白衣の裾を持ち上げパンティを引き下げた。
「そんな、ヘアを剃るなんて!」現れた股間は数ミリ程度の絨毛が生えており、しかも大部分が剃り落とされて淫裂が剥き出しになっている。

 「全部は剃らないのよ。ほらね」確かに盛り上がった恥丘には2センチ程度の幅で無毛症ではない証拠がある。
「でも、ヘアを剃ったら性器が剥き出しになってしまうし…」
「お客さん、そこがいいんですよ。もし、その気があるならお小遣い稼ぎもできますよ」その言葉に(来たわ、きっとそれが手がかりだわ。でも、ヘアを剃るなんて)考えている。

 そんな良子に「イヤですか、残念だわ。あなただったら良いお客が付くのに…」落胆の顔になった。
「お小遣い稼ぎって、売春じゃないでしょうね?」
「そんな仕事は紹介しませんよ。相手は女性ですから」

 (相手が女性と言うことは、もしかしてレズの相手かも。この際、飛び込むしかないわ。ヘアはまた生えるし…)迷いが吹っ切れたか「お願いします。でも全部はイヤですからね」承知した。

 「わかっています。私と同じにします」良子が承知すると絨毛をハサミで切り出す。
(恥ずかしいけど手がかりになるかも…)目を閉じ、されるがままにしていく。
エステ嬢は恥丘の絨毛を切り終えると、残された絨毛に泡を塗り込んでいく。

 そして「危ないですから動かないで下さい」カミソリを持ち、良子の絨毛に当てて「ジョリ、ジョリ!」と剃りだした。
(ヘアを剃られていくわ。恥ずかしいから見られないようにしないと…)エステの淫裂を思い浮かべて考え巡らしている。

 やがて、絨毛の大半が消え失せ恥丘にわずかに残されているだけだ。
「はい、できました」濡れタオルで拭き、クリームを塗り終えると鏡を股間に押し当てた。

 鏡には少女のようにピンクの割れ目が露わになっており「恥ずかしい、こんな性器になるなんて!」顔を赤らめ両手で股間を押さえた。

 「そんな顔しなくてもいいですよ。それから、お小遣い稼ぎですが誰にも言わないでくださいね」
「わかっています。でも、どうしたらいいの?」
「私から連絡します。その時はお願いしますね」ガウンを良子の肩に掛けた。

 それを着込むと再び服を置いた部屋に入ってまた全裸になった。
(恥ずかしいわ、膣まで見えそうだし。でも、何とか手がかりが掴めたみたいだから我慢しないと)鏡に映った自分の全裸を見ながらパンティを履き、次々と服を着込んでエステから出た。

 エステから出た良子は警視庁へと向かった。
「糸川君、今何時だと思っているんだ?」
「本部長、申し訳ありませんでした。実はあのエステに客として入り込みまして…」

 「何、エステに入っただと。それでどうだった?」若林の大きな声に他の刑事も振り返る。
「まだ詳しくはわかりませんが、アルバイトらしいのを紹介しているようでした」
「そうか。それはお手柄だがもう勝手な行動はダメだぞ!」

 「それはわかっています。でも、もう少し探りを入れさせて下さい」
「ダメだ。君には荷が重すぎるよ」
「でも、やっと掴んだ手がかりですよ」食い下がる良子に若林も思案顔になった。

 「そうだよな、わかった。君では危険だから別な者に探りを入れさせるよ」
「そんな、私が掴んだ手がかりなのよ」
「捜査は君だけでやっているんじゃない。チームでやるんだ!」若林の大きな声に唇を噛む良子だが、叱責されたくらいで諦めることはしなかった。

「本部長、暫く休暇をいただきます!」皆の前で言い放つと「糸川、勝手な行動は辞めろ!」先輩達が制止するのを聴かず捜査本部から出ていく。
しかし、この事が悔やまれる事になるとは夢にも思わなかった。