「OL哀歌~加奈子編」

                               赤星直也:作

第40話(最終話)カップル誕生


 翌朝、社員達は昨日と同じく、それぞれの仕事をしている。
招待客は入れ替わって、芸能人から財界、スポーツ界へと代わっていた。

 「どお、一緒に泳ごうよ」「私も泳ぎたくて」招待客と一緒に砂浜で戯れる社員達
だ。
「健三さん。昨日の評判が良かったみたいよです、契約が相次ぎました」
「そうか、よかったか。それを聞いて安心したよ」ホッとする健三だ。

 だが、9時を回ると次々と電話が鳴り、現地へ行きたいと言う客が相次ぎ、休む暇
などない。
昨日の招待客の口コミで、電話が殺到していた。
「こんなに評判がいいなんて、信じられないよ」健三は現地説明会の延長を決意し、
社員にも知らされた。

 「延長なの…。良かった、もっとのんびりしたかったし…」加奈子も歓迎している。
「ねえ、僕とエッチしない。責任取るからさ」健三が誘った。
「それって、プロポーズなの?」
「半分はそうだよ」
「考えさせて、これが終わったら考えますから」あっさり言う加奈子に従い、健三は
おとなしく引き下がった。

 説明会は評判がいいので、社員達は張り切っている。
「こんちわ」フルヌードを晒す女子社員に「こんにちわ!」男子社員の股間が一気に
膨らんでしまった。
「あら、元気いいのね」女子社員が顔を赤めて肉竿を見ている。

 「君のヌードを見たら、こうなっちゃうんだ。収まりがつかないんだ…」
「ホントに私のヌードでなの。信じられないわ」からかうかのように、女子社員は両
手で性器を広げた。
「で、た。でた!」肉竿を掴んだ手の間から、白い精液がこぼれている。

 「君があんな事するからだよ。恥ずかしいよ、ヌードで射精したなんて…」
「ごめんなさい。お詫びに拭いてあげる」女子社員は、肩に掛けたポシェットからハ
ンカチを取り出し、汚れた肉竿を拭いていく。

「優しいんだね、君って!」
「当然よ、私が悪いんだから。でも、私のヌードってそんなに魅力あるのかしら?」
「あるさ、このオッパイも素敵だよ」図に乗って揺れ動く乳房を揉んでいく。
「柔らかいんだ、これが君のオッパイなんだね」
「そうよ、これが私のオッパイよ」綺麗に肉竿を拭いていく。

 「毎日、君のオッパイを触りながら、一緒に暮らせたらいいのにな…」乳房を揉み
ながら言う。
「あら、それって、プロポーズなの?」
「う、受けてくれるかい、僕の愛を?」
「そうね、あなたとならいいわ。でも、仕事が終わってからよ」
「ありがとう、それでもいいよ。終わったら式を挙げような!」

 「いいわよ。でも同僚とは、絶対にセックスしないでね」
「わかってる。その代わり、今夜からはつきあってね」乳房を揉んでいた手が淫裂を
触っていく。
「いいわよ、コンドームも用意されているし」肉竿を拭き終えた手が、先端を撫でて
いくと、肉竿が膨らんでいく。
「立っちゃうよ、また立っちゃう!」慌てて手を退けた。
「よし、頑張るぞ!」「私も頑張るわよ」2人は笑顔で別れて、仕事をした。

 二日目に入ると、招待客もヌードに慣れて大胆になっていた。
「見て、噂のカップルよ。元オニャンタの美雪とタカノリよ。ほら、エッチしている
!」
「僕もしたいな。あんな風に…」

 「私としてみる。その代わり結婚が条件よ」
「ホントかいよ。君との結婚が夢だったから、信じられないよ」
「あら、私が好きだったんだ。もっと早く言えばよかったのに」カップルは手を繋ぎ
歩いていく。

 そこはテニス場だ。
「ここでエッチしましょうよ。見られてもいいだでしょう?」
「ドキドキするな。恥ずかしいけど、おもしろそうだし」
女性は椅子に座った男性と向かい合い、膝の上に跨いで乗って抱き合う。

 「いいんだね、入れるよ」
「入れて未いいけど、ゆっくりしてね、まだ準備ができてないの」男性社員は太股を
引き寄せ、挿入していく。
「いいわ、暖かい!」奥まで入ると、腰が動き出した。

 「あら、お盛んね。私たちもしません?」
「そうだな、ここならいいよな!」社員同士の抱き合う姿に、招待客も興奮してその
気になってが、皆が全裸だから簡単だ。
「気持ちいいな、こんな青空の下で楽しめるなんて」「夢みたいですわ」砂浜では抱
き合う招待客だ。
そんな開放的なリゾート地なので評判がよく、完売してしまった。

 それから数週間たった。
「社長、お話があります!」有美の所に男子社員と女子社員が訪れた。
「何かしら、どんな話なの?」
「実は、僕たち結婚する事にしました」
「あら、おめでとう。よかったわね。きっかけはどこなの?」
「あのリゾートです。お互いが裸になった時に、彼女の優しさがわかったんです」照
れくさそうな2人だ。

 「私もヌードになったけど、誰も声を掛けてくれなかったのにね」有美が言うと
「そのうち、いい人見つかりますよ、僕みたいに」慰められる。
「ごちそうさま、仕事の方も頼むわよ」2人の社員が出て行った。

 しかし「社長、お話があります」男女の社員が入ってきた。
「もしかして、結婚するの?」
「はい、あのヌードで決めました」
「よかったわね。おめでとう」こうして、社内では相次いで結婚が発表された。

 それは当然、健三の耳にも入っている。
「可奈子さん、僕と結婚してくれ」健三がまじめな顔で言い「わかりました、お受け
します」恥ずかしそうに返事する可奈子だ。
「そうか、受けてくれるか。早速、姉さんに報告しよう!」
「そうね、行きましょう」笑顔で可奈子は健三の乗った車いすを押して有美の部屋に
入った。

 「姉さん、話があるんだ」
「いいわよ、もしかして結婚話なの?」
「よくわかったね、その通りなんだ」
「えっ、あなた達もなの。これで11組目よ!」

「11組目…。というと10組は社員同士で?」
「その通りなの。めでたいのはいい事なんだけど、やめられたら困るのよね…」
「だったら、ここに保育室を作ろうよ。保母も雇って!」
「良い考えだわ、会社の中なら社員も安心して働けるしね」

 有美と健三が保育所を社内に作ると聞いて社員達は喜んだ。
「よかった、これでやめずに済む!」
「でも、朝から晩まで一緒だぞ。飽きないかな?」
「浮気する気なの。そんな事したら離婚だからね!」
「わかってるよ、そんな事!」

 「おい、おい。もう内輪もめか。ここは会社だから、家でやってくれ!」
「気をつけます」
「わかればよろしい、書類まとめて置いて!」
「はい」社内は華やかな雰囲気に包まれていた。

ー完ー