| 「OL哀歌~美由紀編」
赤星直也:作
第24話 由佳との再会
由佳には、もうどうしようもなかった。
実家からの援助はもう貰えないし、反対に生活の援助をしなければならない。
そんな折り、由佳は女性専用のクレジット会社を思い出した。
「確か、本間金融とかいっていたわ、当座は何とかなるけど…」金策が尽きた由佳は
仕方なく本間金融の本店に向かった。
ドアを開けて中に入ると、由佳は受付の説明に従い、言われた通りに書類に記入し
ていく。
「どうぞ、こちらへ!」由佳は個室に案内されて「暫くお待ち下さい!」受付はドア
を閉めて出て行く。
1人残された由佳は不安だった。
「どれくらい貸してくれるかしら?」2分位してからドアが開き、融資担当の女性
が話しを聞いていく。
由佳は必死に説明していくが、融資担当者は野村夫婦には多額の負債があるのを、業
者間のオンラインで知っている。
「申し訳ありませんが、私の責任ではお貸しできません。お貸しできるのは5万まで
です」
「5万…桁が違うわ。もっと貸して欲しいの。責任者に会わせて、直談判する!」
「それは、無理です」
「いいから、会わせてよ!」
担当者は迷ったが「ちょっと、相談してきますから暫くお待ちいただけますか?」
「ええ、待つわよ」
「暫くお待ち下さい」担当者は部屋から出て融資責任者と相談している。
そこに社長の絵里が現れ「あら、真剣な顔でどうしたの?」融資責任者はほっとし
た。
「実は…」書類を絵里に差しだしながら説明をしていく。
「野村由佳?」まさかと思って、さらに書類に目を通して「夫は野村真人。丸菱商事
!」絵里は「いいわ、私が会ってみるわ」会うことにした。
まさかと思いながらも、絵里は由佳の待つ部屋に入り「おまたせしました。社長の
本間絵里です」挨拶をしていく。
「いくらまでなら、貸してもらえますか?」由佳は真剣な顔で聞いた。
「申し訳ありませんが由佳様にはお貸しできません」由佳は落胆したが「ただし、旦
那の野村様なら、お会いしてみてからなら融資できます。人柄によっては低利でもお
貸しできます」
「だったら、会って下さい。今直ぐにでも!」
「でも、旦那さんは仕事でしょう。どうです、6時にお二人でもう一度いらっしゃっ
ては?」
「はい、そうさせて下さい!」
由佳は喜んで部屋から出て行くが、絵里はそんな由佳を見送っている。
「美由紀さんを呼ばないといけないわね…」絵里は担当者に説明をしてから社長室に
戻り、「もしもし、美由紀さん。これからこっちに来て欲しいの。4時半に来て欲し
いのよ」電話を掛けた。
「はい、4時半に伺います」美由紀は何も説明をしない絵里に心配だったが返事し
た。
時計を見て「3時か。真弓さんに言っておかないといけないわね」美由紀は真弓を呼
んで後のことを指示し「絵里さん4時半まで来るように言われてるの」
「だったら、今行かないと遅れるわよ」
「そうよね。後をお願いします」真弓に後を任せて美由紀は絵里の待つ本店に向かい、
4時半にどうにか絵里の社長室に入れた。
「失礼します」美由紀がドアをノックして中に入るなり「見て頂戴!」絵里は由佳
が書いた書類を美由紀に渡した。
美由紀は目を通し「これは野村由佳さんのでは?」「そうなの、お金に困っているみ
たいね」「絵里さん、助けてあげて、由佳さんを!」
「でも、由佳さんはあなたを侮辱したわよ」
「それとこれとは別です。このままでは由佳さんがだめになる!」絵里もそれはわか
っている。
「でも、決めるのは由佳さんよ」絵里は美由紀にこれからのことを説明していく。
そして時計が6時を指すと「社長、お見えになりました」「いい、私が合図するま
で待ってて!」絵里が融資責任者を連れて出た。
美由紀はじっと待って30分程経ってから「店長、社長がお呼びです!」美由紀は急
いで絵里のいる部屋に向かった。
「トントン」ドアをノックして中に入ると3人が話し込んでいる。
「失礼します」
「あ、美由紀さん!」「なんで美由紀が!」野村夫妻は驚いている。
「紹介するわ。本間金融の副社長の本間美由紀さんです」
「お久しぶりです。本間美由紀です」唖然とする二人だ。
まさか、副社長になっていたとは夢にも思わなかった。
「失礼するわ」由佳は部屋からでようとしたが「まてよ。融資がだめになるから!」
野村は由佳を引き戻す。
「仕方ないわね。悔しいけど…」由佳もイスに座り直した。
「所で、負債はいくらですか?」
「2千万です」
「先物で失敗したのね」
「その通りだ。悔しいけども。バカだったんだ…」暫く沈黙が続いた。
「その2千万融資しましょう。あなた達夫妻にやってもらいたいことがります。や
っていただけるなら返済しなくても結構です。差しあげます」
絵里が沈黙を破って言うと「何をすればいいんですか?」野村は目を光らせて言う。
「由佳さんに恥を掻いてもらいたいの。今度のパーティのショーの主役をして、恥
を書いて貰いたいのよ」美由紀は絵里の言うことがわかった。
絵里はさらに続け「今度のパーティは取引先を呼んでの美由紀さんと繁之の副社長就
任パーティなのよ」
「それで、どんな恥をかけばいいの?」心配そうに由佳がいうと「ズバリいうわ。
ヌードショーをしてもらいたいの」
「いやよ。バカにしないで!」由佳は怒った顔になっている。
「由佳、我慢してくれ。負債が消えるんだ!」野村が真剣に由佳を説得していく。
「由佳さん。二部構成なの。一部がストリップ、剃毛、オナニーなで、二部がレイ
プショーよ」
「本番するんですか?」
「勿論よ。3人とするの。それに膣内射精をするの。それに野村さんは舞台でそれを
見ながらオナニーをするの」
「やります。本当に2千万をくれるんですね」
「ええ、契約書を書きます」絵里は用意した書類にサインする。
「でも、一つでもやらなかったら差し上げられません、返済して貰います。それに大
勢の前でするのですよ」
「やらして下さい。なあ、由佳!」由佳は泣きながら渋々承知して契約書にサインし
た。
「それで、いつですか?」
「今度の土曜日です。由佳さんは知ってるわよね。あの別荘なの。これを今から飲み
なさい」
「なんですか?」泣き顔の由佳が尋ねると「ピルよ。妊娠しないように今から飲みな
さい。膣内射精だから危険よ。必ず今夜から飲みなさいね」それを受け取った由佳は
真っ赤な目をしながら頷いた。
「野村さん、由佳さんとストリップの見学をしてきなさい。それに、これは由佳さ
んの衣装代です」絵里は10万を由佳に渡す。
「それから、由佳さんが一所懸命やればチップもでます。100万くらいかしら。ま
じめにやればもっとでるかもよ」絵里が付け加えると、側で聞いていた野村の目が異
常に光った。
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