「波瀾のOL」   
                                 赤星直也:作
第30話 新しい事業
 
 晴美は、受話器を置くと「鈴木さん、出かけてきます」断りを入れて事務所から出
た。
「とにかく、話を聞いて貰わないと…」自信はないが、これからの事を考えると、や
るしかなかった。

 電車とタクシーを乗り継いで、向かったのは北野の屋敷だ。
玄関のチャイムを押すと「そんなに慌ててどうしたのよ」綾子が出迎えた。
「お話を聞いて欲しくて、参りました!」
「それは電話で聞いたわ。とにかく会って」綾子は夫の政文の元に案内する。

 「北野さん、お話を聞いて欲しくて参りました!」
会うなり、言うと「聞こうじゃないか!」「実は…」晴美は、会社が置かれている状
況を説明していく。
すると「あんた達にしかできない仕事を、見つければいいんだ!」それだけしか言わ
ない。
「私達にしか、できない仕事ですか?」

 「そうだ、裸にもなる仕事だよ」
「まさか、風俗では?」
「そこまでは行かないな。相手は女だからな」
「具体的にどんな仕事でしょう?」
「まだ、言ってるのが、わからないのか。女相手の人材派遣会社だよ。女が女を必要
とする仕事で、エステとかレズの相手だとか、色々あるだろう!」

 (そうか、女性相手なら裸になってもいいし、レズの相手も良い商売ね…)意味が
やっと、飲み込めた。
「わかりました。これから計画を練りますから、是非、協力をお願いします」
「それは当然だよ、子供を産ませた恩人だからな」北野は笑いながら話した。

 北野と暫く話をして、事務所に戻った晴美は鈴木や郁恵に打ち明けた。
「面白いわ。それなら、派遣だけでなく、店舗を構えた方がいいよ」
「店舗か。当てはあるけど、問題は資金だな」
「そこよ、会員制にするのよ。女性だけの会員で!」晴美の提案に鈴木も「そうだよ
な、案外、行けるかも…」乗り気になった。

 「だったら、考えましょうよ」晴美のアイデアが、皆に伝えられて検討されていく。
「それだったら、個室もないと…」「バーもあった方がいいわよ…」アイデアが次々
と出された。
しかし、資金をどうするかが、問題だった。

 それに、ライバルから、引き抜きも始まって、数人がやめると言い出す。
「時間がないわ。何とかしないと…」焦る晴美に智子から「また、パーティをしたい
のよ」と電話が入った。
「そうよ、智子さんが居たんだ!」直ぐに智子の元へと向かった。

 晴美は会うなり「お話がありまして…」アイデアを打ち明けた。
それを聞いた智子は、暫く間をおいて「良い考えだわ。いつでも楽しめるなんて…」
賛成する。
「相原さん、問題は資金でして…」言いにくそうに晴美が話すと「協力させて。仲間
も紹介するわ」そう言いだす。
「ありがとうございます。これで、何とかなりそうです」
「お礼は早いわ。それより、今度のパーティだけど…」智子と晴美は話し出した。

 それから数日後に、女性だけのパーティが開かれた。
晴美はこの前と同じく、ストッキングとスカーフだけを身につけ、乳房と淫裂を露わ
にしている。
そんな晴美を「紹介しますね」智子から招待客に紹介されていく。
「綺麗なラインね。私を満足させたら、話に乗るわ」妖しい目つきで、乳房や淫裂を
見つめている。

 (やるしかないわ。レズでも、セックスでも…)晴美は覚悟を決め、笑顔になって
相手をしていく。
それは、他の社員も同じで、乳房と淫裂を触られても、笑顔で対応している。
そして、パーティも盛り上がり終盤になって「わかっているわよね?」晴美は腕を掴
まれ、会場から個室へと連れて行かれた。

 「相手してくれる人が居ないの、わかっているでしょう?」そう言うと晴美に抱き
つく。
「それでしたら、私がこれで…」ペニスバンドを取り付け、男の役を選ぶ。
「わかっているのね」相手は、そのペニスを口で擦りだし、暫くなめると「入れて…」
また抱きつく。

 「わかってます」言われるまま、唇を重ねながらペニスを押し込むと「あ、あ、あ
~!」声を上げ、背中が浮いていく。
(気持ちいいんだ…)ゆっくり、腰を動かし出すと「いいわ、凄くいい!」晴美の頭
を抱きしめて声を上げだした。
それは、ここばかりでなく、あちこちの部屋からも、喘ぐ声が聞こえている。

 このパーティが無事に終わると、相手をしたお客が、晴美達の事務所を訪ねて来た。
お客は、挨拶をそこそこにして「新しい事業の説明が聞きたいの」と説明を求めてく
る。
鈴木や晴美達は詳しく説明していくと「面白いわ。私も入れて」出資を申し出てきた。
こうして、次々と事務所に出資を申し出る女性が訪れて、予定していた資金のメドが
立った。

 資金のメドが立つと、早速、実行に移され、役所の許可や買収に入った。
当然、晴美達だけでは手に負えないから、バーを経営している美紀や、不動産に詳し
い高橋や、鈴木なども加わって助言をしている。

 その甲斐あって、計画してから半年という早さで、女性だけの会員制バーを設立で
きた。
「やれば、できるんだ!」笑顔の晴美に「そうね、やればできのよ」郁恵も笑顔で応
えて「だったら、パーティをやりましょうよ」智子も笑顔で言う。
「そうね、久しぶりに楽しまないとね」晴美は、直ぐに計画を立てると連絡を取った。

 パーティは週末に行われ、出資者達も皆参加していた。
居並ぶ出資者を前に、晴美が「本日は、わざわざお出でいただき…」普通の挨拶をし
ているが、服装は薄い生地のドレスだ。
それは、晴美だけでなく、会場にいる皆で、うっすらと乳房が透けている。

 挨拶が済むと、乾杯が行われてパーティが始まった。
始めは控えめだったが、アルコールも効いてきたから、大胆にもなっている。
「今夜はいいでしょ?」早速、晴美達に声が掛けられている。
「かまいませんよ。何なら、今からでも…」
「嬉しい事言うのね。それならやりましょうよ」互いにドレスを脱がせ合うと、下着
は着てないから、全裸になって乳房と絨毛のない淫裂が露わになった。

 「準備がいいのね。これならやりやすいわ」人目を憚らずに、抱き合いだす。
それが、引き金となって、次々とカップルが出来ていき、全裸になって抱き合い、会
場は乱交気味になっていく。
その様子に「皆さん、個室もありますから、順番でご利用下さい」晴美の声で、カッ
プルが個室へ移動し「あ、あ、あ~!」喘ぎ声を上げだす。

 その声を聞きながら「晴美さん、私もやりたいわ」智子が晴美の乳房を吸い出すと
「私も、久しぶりに欲しいです…」智子の乳房を撫でていく。
こうして、出資者への披露を兼ねたパーティは、盛況に終える事が出来た。
晴美が考えた、女性相手のバーやエステはレズの相手もしていたが、対象者が身元の
しっかりした会員と限られていたから、世間には知れる事がなく、繁盛していた。

 だが、安心していられないのか、鈴木や高橋は「晴美や郁恵が辞めたら困ってしま
うな」そう考えて策を練っている。
「辞められないように、弱みを押さえて置かないとまずいぞ」
「それだったら、あいつらを家族にしてしまおうよ」
「家族って、嫁にするのか?」
「そうだ、身内の誰かの嫁にすればいいよ」

 「それはいい考えだ。あいつらだって、安心して働けるしな…」
「そう言う事。女相手だから亭主も我慢できるし」
「そうと決まれば、晴美と真美は俺がいただくぞ!」高橋は2人を指名した。
「かまわないけど、体が持つのか?」

 「交代でやるよ。同じマンションだしね」
「そうだな。それなら、俺は郁恵をいただくからな」
そんな、企みがあるのも知らず晴美や郁恵達は「お客様、私がお相手します」そう言
いながら、全裸になって、乳房を揉みながら、淫裂に樹脂のペニスを押し込んでいた。

~完~