「薄倖の星の下に」

                               赤星直也:作 
第13話 ラブホテル 

  一雄が出所して寮に戻ると賑やかになり「ねえ、私とエッチしない?」文子や真
美が誘い「一雄、たまにはいいんじゃない。でも避妊は忘れないで」瑞穂が注意する。
「瑞穂さん、大丈夫。あれ飲んでいるわ。ほら行こうよ」文子に腕を掴まれて部屋に
入った。

 入るなり「私にさせて…」一雄は着ている服を脱がされていく。
「恥ずかしいよ」
「恥ずかしくは無いわよ。私も素っ裸になるんだから」文子も脱いで全裸になると、
股間は瑞穂と違って、絨毛に覆われている。

 「オ○ンコを見たら、こんなになっちゃた!」
「元気がいいわね。こんなに膨らんで!」文子は勃起した肉竿を掴んで口に入れ「ダ
メ、そんな事したら。あ、あ、あ!」堪えきれず声を上げた。

 暫く、口で擦ると一雄を仰向けに寝かせて、馬乗りになった。
「いいわ。気持ちいい…」腰を振りながら言い「僕もだよ、オッパイが柔らかくて気
持ちいいよ」2人の声が瑞穂にも聞こえ(一雄も大人だし、セックスも覚えないと…)
興奮しながら聞いている。

 暫くすると「行くわ。早く出して、オ○ンコの中に出して!」文子が登りつめてし
まい「暖かい、オ○ンコの中が暖かい!」体を寝かせ乳房を胸に押しつけてきた。
一雄が「出したよ…」申し訳なさそうに言うと「気にしないで。暫くこうさせて」顔
を両手で掴み頬を押しつけていた。

 長い沈黙が続き「そろそろ行かないと…」「そうね。仕事があるし」2人は脱いだ
服を着込んで、寮からキャバレーへと向かった。
キャバレーでは文子が「やっちゃった。あの子と遂にオ○ンコやったわよ!」得意げ
に言う。
「ホントなの。それって?」
「ホントよ、若いから凄かったわ。私が先に行っちゃった!」
「いいな。私もあの子とやりたいな」恨めしそうに言う仲間だ。

 その事は、当然康子の耳にも入って「全く、恩も知らないで勝手な事を…」独占欲
が強いから快く思っていない。
それでも顔には出さず、冷静に振る舞っている。
一雄と瑞穂は真面目に働き、平穏な日々が続いていたが、無情にも壊す者が現れた。

 「ママ。あの子知ってるかい?」客は淳子を指さしている。
「ああ、淳子さんの事ね。よくは知らないけど真面目にやってるわよ」
「だったら、子持ちって知ってるかい。夫がヤクザなのも?」
「子供がいる…しかも亭主がヤクザだなんて…」顔色が変わった。

 「気をつけた方がいいよ。亭主は事件を起こしたばかりだから」
「どんな事件なの?」
「あんたのボーイがケガさせただろう。相手はあの子の亭主なんだよ」
「そ、そんな…」絶句し「そうだわね。何とかしないとね」考え巡らす康子だ。

 翌日、瑞穂姉弟と淳子は屋敷に呼ばれた。
「あなた達は、今日限りやめて貰うわ」
「どうしてですか、訳を教えて下さい!」
「淳子さんには、子供がいるそうじゃないのよ。独身しか雇わない事知っているでし
ょう?」

 「その事は謝ります。ですから、ここに置いて下さい」
「そうは行かないわよ。いくら謝ってもダメ。これは給料と餞別よ!」3人に封筒を
手渡した。

 それを受け取った3人は寮に戻ってきたが「淳子さん、やっていけるの?」仲間が
話し掛け「何とかなる。夫の足も治ったし、これからは真面目にやるって言っている
し」そう答えた。
「淳子さん、旦那がいたんだ!」

 「隠して置いてご免なさい、それに…」淳子は言おうとしたが「いいの、それ以上
はいいのよ!」瑞穂が遮った。
(ダメ、言っちゃダメ。後で皆に言うから…)(ありがとう、何てお礼を言っていい
やら…)淳子は泣き出した。

 「それより片付けが先よ。荷物はないけど…」瑞穂が笑顔で言うと「そうだよね、
服しかないしね」3人は荷物をまとめて寮から出た。
「一雄、また仕事探しだね」
「それに、住まいもだよ」当てがある訳でなく電車に乗りこんだ。

 電車に乗って2時間経った。
「ここで降りようよ」「そうね、降りようか」2人は電車から降り、階段を上って
駅を出るとビルが見える。
「結構大きい町だね」
「そうみたい。とにかく、ねぐらを捜さないと」2人は駅のコインロッカーに荷物を
押し込み町を歩いていく。

 繁華街を歩くと「踊り子さん募集」の看板が目に付く。
「ストリッパーか、裸を見せるなんてイヤだし…」看板を見つめていると「呼び込み
も募集か」一雄も見ている。
「こんなのじゃなくて、もっといいのがあるかも。とにかく、ホテルよ」町を彷徨い
安いホテルを見つけた。

 「ちょっと。これってラブホテルじゃないのよ!」
「そうだね。でも、ビジネスホテルよりも安いよ」
「それはそうだけど…」瑞穂の足は停まるが「行こう。姉さん!」腕を掴まれ強引に
連れ込まれた。
「泊まりだ。いくらだ?」一雄は金を払いキーを受け取り「行こう!」2人は肩を寄
せ合い部屋に向かった。

 部屋に入ると派手なベッドが目に付く。
「一雄、セックスは無しよ。姉弟なんだからね」
「わかっているよ、それよりお風呂に入ろうよ」浴室はガラス張りで丸見えだ。
「恥ずかしいわ。こんな所でお風呂だなんて!」2人は服を脱いで全裸になったが
「ダメよ。わかっているわよね?」勃起した肉竿が気になり、股間と乳房を手で隠し
ている。

 「姉さん。洗ってあげる!」石鹸を泡立て、背中を洗いだし(気持ちいい。背中を
洗って貰えるなんて!)時々、手が乳房の膨らみに触れていく。
タオルで擦るとお湯をかけた。
「ハイ、今度は前だよ」
「だ、ダメ。丸見えになっちゃう!」
「洗わせて、久しぶりだよ」

 「わかった。お願いする」首から乳房、お腹と擦って、股間を触られ「ダメよ。そ
こは、ダメ!」手が淫裂を撫でている。
「丁寧に、ここも洗わないと…」
「そこはいいの。自分で洗うから。今度は一雄の番よ」声が震えている。
「姉さんに洗って貰えるなんて、久しぶりだな」
「そうよね。こんな事、滅多に出来ないしね」瑞穂は一雄の体を洗っていく。

 体を洗い終えると、浴槽に浸かるが、2人の肌が触れ合っている。
「姉さん、これからどうしようか?」
「明日捜そうよ。何とかなるわよ」
「そうだよね、何とかなるわよね」体を温めるとバスタオルを体に巻き付けて、ビー
ルを飲みながらベッドの上で横になった。

 「テレビでも見るか!」スイッチを押した途端に「あん、あん、あん!」女性の喘
ぐ声が聞こえ、乳房を揉まれながら喘ぐ顔が映し出された。
「凄いわ。これって裏じゃないの、セックスが映っているし…」
「ホントだね。オ○ンコしているんだ!」淫裂に肉竿が入り込み、ピストンしている。

 (凄いわ、あんな事している!)画面には太股を抱えた、駅弁での結合が映しださ
れ「凄いや、オ○ンコが気持ちいいのかな?」「わかんない。やった事がないから…」
2人が見つめていると、淫裂から白い液体が噴き出した。
「射精よ、ほら!」「ホントだ。中出しだ!」2人とも興奮が高まって(凄いわ。膣
が濡れている…)酔いも重なったのか、咽がカラカラに渇いている。

 画面が変わり、今度は四つん這いになった女性が後ろから肉竿で突かれ、口にも肉
竿を押し込まれ、さらに、お尻にも細身の樹脂棒が押し込まれていく。
「痛くないのかしら?」
「大丈夫だよ…」2人は自然と肌が触れ合う。

 「姉さん。我慢できない!」
「ダメ、姉弟よ。もうだめ!」しかし、タオルが解かれ乳房を掴まれた。
(気持ちいいわ。セックスしたいけど、姉弟だからいけない事よ…)理性がまだ働い
ている。

 だが、一雄の手が淫裂を撫でると一変し「あ、あ、あ!」声を上げだした。
「姉さん、やらせて。さっきのビデオ見たく…」一雄は太股を抱えて立ち上がり「あ、
危ないわ」駅弁にされると両手で一雄の首を押さえた。
「行くよ、姉さん!」
「ダメ、入れないで。あ、あ、あ!」ゆっくり肉竿が淫裂に入っていく。
(気持ちいい…。奥までオチンチンが入ってくる…)自然と体が後ろに反っていく。

 肉竿は、根本まで入るとピストンを始めて「ダメ、動かさないで。だめよ!」言葉
とは裏腹に白い淫汁が流れていく。
「姉さん、オッパイを吸わせて。オッパイを!」
「イヤ、そんなのダメよ!」口ではそう言うが体を押しつけ、口の所に乳房を持って
いく。
「いいわ、凄くいい。でも、今日だけよ」乳首を吸われ遂に理性が消えた。

 肉竿は動きを早めて「行くわ、行きそうよ。出して、早くオ○ンコの中に出して!」
その言葉通りに放出が始まり「いいわ。子宮が溶けそうよ…」ポタポタと精液が垂れ
ていく。
「姉さん、出したよ…」
「わかるわ。凄く気持ちいい…」ベッドに降ろされても、2人は余韻を楽しもうと結
合したまま抱き合っている。

 「一雄、今夜だけよ。約束して」唇を重ねて言い「わかった、約束する。でも、今
夜は何回でもいいでしょう?」「いいわよ。今夜は私も欲しいし」また抱き合うと四
つん這いでの結合になった。

 「姉さん。お尻に入れて入れさせて!」
「ダメ、お尻はダメ。汚いからダメ!」拒んでも肛門に肉竿が押し当てられ「あ、あ、
あ~!」目を見開き痛みに耐えているが「抜いて、お願い抜いて!」体が震えている。
「直ぐ終わるから、やらせて!」強引に尻穴に入り込んだ。

 「ヒ~!」悲鳴を上げても直腸まで肉竿が入り込み「ダメ、ダメよ!」声まで震え
ているが「直ぐ終わるよ」ピストンが始まり「あ、あ、あ!」両手でシーツを握りし
め痛みに耐えている。
(一雄、痛いだけよ。お尻は感じないの、どうせなら膣に入れて!)顔を歪めて堪え
た。

 暫くして、肉竿の動きが停まり「ダメ。射精だなんて!」腸の中に異物が漂ってい
き「姉さん、汚れたからお風呂で洗おうよ」肉竿を抜いた。
「もう、お尻に入れないで」手で肛門を押さえながら浴室に入っていく。
一雄も後を追って入り「痛かった?」尋ねる。
「痛いなんてもんじゃないわよ。お尻なんてこりごりよ」2人は丁寧に洗っていく。
浴室で汚れた部分を丁寧に洗い終えると2人は眠りについた。

 翌朝、一雄はまた瑞穂に抱き付いた。
「約束したでしょう。もうしないって!」乳房を揉まれながらピストンされている。
「だって、押さえが効かないんだ。姉さんのヌードを見たら…」確かに肉竿が勢いよ
く立っている。

 「ダメ。もう、ダメ!」
「お願い出させて!」体を押さえ、逃れないようにしてピストンを早めて(気持ちい
い。でも、約束だから…)逃れようとするがまた、噴射が行われた。
「出たわ、もう終わりよ」払いのけるように浴室に入り、シャワーで淫裂を丁寧に洗
っていく。

 (こんな関係は、終わりにしないといけないわ…)それは一雄もわかっていた。
「姉さん、今日が最後だよ。もうしないからね」一雄もシャワーを浴びに来た。
「誓うの?」
「誓うさ」2人はシャワーを浴びると、服を着てホテルから出た。

 町に出ると軽く朝食を摂って隅々まで歩いていく。
「とにかく、住むところを捜さないと…」不動産屋を回り、アパートを探していくが
「困りましたね。保証人がいないとね…」断ろうとしている。
「私が保証人ではダメでしょうか。弟が独りで住む事にして!」

 「参ったな。それは出来ない訳でもありませんが…」
「決まりね、ここにしよう。敷金はちゃんと払うわ。それに、滞納したら追い出され
ても、文句は言わないわ」
「その事を誓約書に書いて貰えませんか。それなら考えますが…」

 「書くわよ。それで納得して貰えるなら」瑞穂は契約書と誓約書にサインして、早
速アパートに向かった。
「ここならいいわね、狭いけど」
「仕方ないよ。仕事次第で、もっと広いアパートにしよう」こうして、新しい生活が
始まった。