「淫らな病院」
 
                                赤星直也:作

第22話 償い


 栗林が独立を決めてから数ヶ月後、その言葉通りに病院を去り、内科医長の内藤が就
任した。
それと同時に、未姫の妹も研修医として病院に赴任して来た。

 赴任すると同時に、事務長の松岡を訪ね「麻倉朋美と言います。今度研修でお世話に
なります」挨拶すると「ああ、麻倉さんの妹ですね。姉さんと同じくスタイルがいいで
すね」松岡も笑顔で返す。

 「そんな事ありません、普通ですから…」
「謙遜なさらなくてもいいでしょう。とにかく、よろしくお願いします」
「ハイ、こちらこそ、よろしくお願いします」朋美は松岡に病院の中を案内されていく
が、看護婦達も若くてスタイルがいい朋美が気になっている。

 「ねえ。麻倉先生そっくりじゃない?」
「そうよね。似ているわね。あの子なら楽しめそうだし」
「きっと処女よ。私が女にしてあげようかな?」
「何言ってるのよ。私が真っ先に頂くわよ」看護婦同士でヒソヒソと話し合われている。

 そんな会話がされているとも知らず、朋美は内科病棟に案内された。
朋美は未姫を見つけるといきなり「姉さん、よろしくお願いします」と頭を下げた。
それには「姉さん…。未姫さんの妹さんなんだ!」典子が声を上げると「そうなんだ。
研修医として暫く勉強して貰う事になってな」松岡が言い放つ。

 「そうか、研修医か。よろしくね」典子は怪しい目つきをしながら手を伸ばす。
「こちらこそ、よろしくお願いします」朋美も差し出された手を握り返したが(典子さ
んが、妹を狙っているわ。何とかやめさせないと…)心配そうに見守る未姫だ。

 そんな未姫に「先生、妹さんが心配なんでしょう?」見透かしたかのように典子が言
う。
「ええ。まだ何も知らないし…」
「だったら、私が女の悦びを教えてあげようか?」
「バカ言わないで。そんな事絶対しないでよ!」語気を荒立てて言う。

 「それなら、今度の夜勤は良いわよね?」
「わかったわ。付き合えばいいのね」
「そうです。楽しみにしてますよ」典子は満足げに言うが(本当に大丈夫かしら?)不
安が治まらない。 

 朋美は、病院の中を松岡に案内されると、一足先に未姫が住む寮へと案内された。
「姉さんと一緒なんだ!」新しい生活に胸を膨らませながら寮に着くと「この部屋がそ
うです」事務員は先に戻り、朋美だけとなった。

 「暇だわ。少し調べておこうかな?」暇に任せて、寮の中を歩いていくと「あ、あ、
あ~!」喘ぐような声が聞こえた。
「何かしら。苦しそうな声だけど…」声のするほうに歩いて行くと「良いわ、そこがい
い!」また声がした。

 「もしかして…」なおも歩いて行くと「行く、行く~!」叫び声になる。
「まさか、昼間からセックスを?」驚きの声で、声がする部屋を見ていると、ドアが開
き、若い女性が出てきた。

 「あら、新人ね。今度はあなたとお願いするわ」
「お願いって、セックスの相手ですか?」
「そう、女同士のセックスよ。俗に、レズとも言うわ」ニヤリと笑うと朋美の胸を撫で
出す。

 「そんなレズなんて、した事ありませんから…」その手を退かそうとしても執拗に撫
でてくる。
そんな事を繰り返していると「どうしたのよ!」また若い女性が現れた。

 「新人なんですって。スタイルいい子よ」
「そうみたいね。それより、急がないと間に合わないわよ」
「そうね、急がないとね」2人は小走りで歩いて行くが「話には聞いていたけど、本当
にいるんだ…」後ろ姿を見守る朋美だ。

 翌日、朋美が未姫と一緒に病院に入ると「良いわね、羨ましいわ」恨めしそうに里奈
が声を掛けてくる。
「そんな事ないです。それより、朋美をお願いしますね」

 「任せて。私がタップリしごいて一人前にしてあげるから」朋美は里奈と一緒に診察
室へと向かう。
「里奈さんだったら安心だけど…」自分がされた事を思い出し、不安が込み上げてくる。

 それから数日後、未姫は当番で夜間診察室に入ると「先生、今夜は一緒に夜勤よ」典
子が待っていた。
「わかっている。とにかく約束は守ってよ」

 「約束は守ります。それより、ヌードダンスがまた見たくなったわ」
「もう、絶対にやらないわ。そんな事より仕事よ」
「そうね、とりあえず仕事が先よね」2人は準備を始め、夜間に訪れる患者に備え待機
した。

 始めはチラホラだった患者だが、時間の経過と共に少なくなり、9時を回る頃になる
と誰もいなくなり、暇を弄んでいる。
「先生、少し休もうよ」

 「わかった。そうする」2人は仮眠室に向かい、部屋に入ると「まずは先生からヌー
ドよ」典子が催促する。
「脱ぐけど、今回限りにして…」
「わかっている。それより、急がないと」典子の催促に、急いで白衣を脱ぎ、更に、ズ
ボン、シャツと脱ぎ下着だけとなった。

 「相変わらず綺麗ね。妹さんもこうかしら?」
「朋美には手を出さない約束よ。手を出したら、ただじゃ済まないからね」パンティを
引き下げながら言うと「約束は守るわよ」食い入るように股間を見つめる。
(本当に、大丈夫かしら?)不安を抱きながらも太股まで引き下げると、股間にはビッ
シリと絨毛が生い茂っていた。

 「あら、手入れしてないんだ。今夜してあげる!」
「やめて。ヘアはこのままにしたいの」
「そうは行かないわ。ここでは剃るのが決まりよ」典子は準備を始めたが(何も剃らな
くたっていいのに…)未姫は背中を丸めてパンティから足を脱ぎ、下半身を剥きだにし、
両手に残されたパンティを置いて、背中に両手を回してホックを外した。

 すると、勢いよく白い乳房が飛びだして揺れていく。
「これで、ヌードよ」肩に絡まったブラジャーも脱いで全裸になった。
「ヌードは良いけど、先生ここに横になって!」小さなベッドに横に寝かされる。

 「動かないで、危ないから」
「本気なの?」
「本気よ。でも、少し残してあげる」典子は慣れた手つきで絨毛に泡を塗り込みカミソ
リで絨毛を剃り出す。
「ジョリ、ジョリ!」カミソリの動きに合わせ、絨毛が消えていくが、それは未姫にも
わかっている。

 (ヘアを剃られるなんて…。やっと生えたのに…)目を閉じて典子のされるがままに
していると、カミソリが動き回って恥丘にあった絨毛が消え去った。
「先生、終わったわよ」典子はカミソリを置くと、自ら服を脱ぎだした。

 (脱がなくて良いわよ。そんな事したくないから…)そう願っても、典子は次々と脱
いで全裸になり「先生。これでやるからね」バックからディルドーを取り出す。
「そんな太いのは嫌よ。指でして…」
「そうは行かないわ。この方が気持ちいいはずよ」覆い被さるなり、淫裂に押し込んだ。

 「待って。痛いから待って!」突き刺される痛みに声を上げても、典子は容赦なく押
し込んでいく。
「入ったわよ、全部収まった…」すっぱりと収まると、ゆっくり動かし出す。
「ダメ…。動かさないで…」ディルドーが敏感な部分を擦りだし、刺激を受けている。

 「そんな事言ってもダメ。ほら、濡れてきたわよ」ディルドーが動き回ると未姫も濡
れていくのがわかる。
(気持ちいい…。膣の中が濡れだした…)心地よい快感に、淫汁も流れ出した。

 典子は手の動きを速め、乳首も吸い出すと「ダメ…。あ、あ、あ~!」未姫は喘ぎ声
をあげた。
(行きそうだわ。恥ずかしいけど、気持ちいし…)久しぶりに味わう快感で、未姫は絶
頂へと向かいだした。

 「行きたいんでしょう。行きたかったら、行ってもいいわよ」
「行かせて…。このまま行きたい…」背中を弓のように反らせ、淫汁が尻まで濡らして
いる。

 やがて、典子によって絶頂へと登り詰め「行く、行く~!」叫ぶと動きを停めた。
「ハア、ハア!」胸が激しく波打ち、息が仮眠室に響いていく。
「先生、少し休んだ方が良いわよ。後はやるから」典子は未姫を気遣って脱いだ服を着
だしたが、当の未姫は焦点がまだ定まっていない。
典子は服を着終えると、仮眠室から出て夜間診察室へ向かうが、未姫はベッドの上でグ
ッタリしていた。

 未姫はどれくらい休んだいたのかわからないが、次第に冷静になっていく。
「そうよ、いつまでも裸でいるわけには行かない…」急いでパンティに足を通すが、無
毛の淫裂が鮮やかに輝いている。

 「また性器が丸見えになってしまったわ。どうして、ヘアを剃りたがるのかしら?」
割れ目を見ながらパンティを引き上げ、その後はブラジャーを着け、次々と着込んで元
の女医姿になった。
「急がないと…」服を着終えた未姫が仮眠室から出ると、怪しげな声が聞こえる。

 「何かしら?」声のする方に歩いて行くと、検査室から聞こえてくる。
未姫はそっとドアを開けたが「!」声を出すところだ。
未姫が見たのは全裸の女性が男に跨り、腰を動かしている姿だ。
女性は乳房を掴まれ、気持ちよさそうに「あ、あ、あ~!」と喘ぎ声を上げている。

 (セックスしている…)目を凝らしてみていると「先生、私とのオ○ンコはどうです
か?」典子の声だ。
「最高だよ。このままいつまでもいたい…」
「私もそうしたいけど、時間がないの。もうすぐ行くでしょう?」
「ああ、もうすぐだ。出すからな」その言葉が出てから典子の腰が押さえられた。

 「暖かい…。本物のチンポが最高にいい…」満足そうに典子は伏せていく。
(典子さんだわ。相手は誰かしら?)気になって顔を見ようとしてもよく見えない。
そんな未姫を後目に「先生。やりたくなったらいつでも良いわよ。その変わり、あの約
束は守ってね」起きあがると服を着だす。
(まずいわ。行かないと)そっと戸を閉めて、夜間診察室へと向かった。

 診察室で待機していると「あら、先に来てたんだ」典子が顔を火照らせながら入って
来た。
「まあね。私が後からだと思ったら、先だった!」
「ご免なさい。ちょっと用事があって」言い訳する典子に(セックスしてたからでしょ
う。あなたは男も好きなのね)叫びたい気持ちだったが「とにかく、待機してましょう。
いつ来るかわからないし」気持ちを抑えて堪えた。

 それから数日後、寮でくつろいでいると「先生、変な趣味があるのね」外科の看護婦
をしている昌美が部屋に入ってきた。
「変な趣味って、どういう事よ。話によってはただじゃ済まないからね!」
「変な趣味だから、変と言った迄よ。人のセックスを覗くのは変でしょう?」

 それには「バカ言わないで。そんな事した覚えないわ」動揺を隠せなかった。
「あら、そんな事言っていいのかしら。典子さんに言っちゃおうかな」
「言いたければいいなさいよ。そんな事した覚えはないし」
「そんな事言っていいのかしら。謝るなら今の内よ」

 (どうしよう。覗いたのは確かだけど、謝るのはイヤだし…)迷ったが「勝手にして
いいわ。私は覗きなんてしてないから」昌美の挑発に乗ってしまった。
「わかったわ。もう知らないからね!」昌美は語気を荒立てて言い放つと部屋から出て
行く。

 「どうしよう、あんな事言ってしまったし」後悔したがもうどうする事も出来なかっ
た。
未姫が悩んでいると「先生、どういうつもりなのよ」口を尖らせた典子と昌美が現れた。
「典子。先生ったらそんな事してないと言うのよ。証拠もあるのに」昌美の言葉に「証
拠があるって、どんな証拠よ」未姫の顔も強ばった。

 「これよ。先生が覗いている所よ。典子、この日に楽しんだはずよね」写真を見せる
と日付が入っており、それを見るなり、未姫の顔が青ざめ全身が震えだした。
「先生、これでも違うというの?」勝ち誇ったかのように昌美が言うと「昌美、そんな
事はどうでもいいのよ。それより、覗き見をした償いをして貰わないと」典子が制する。

 「償いか、どんな償いにしようかな。またヌードダンスして貰おうかな」
「昌美、それくらいじゃ、覗かれた私が収まらないわよ」
「そうよね、一番恥ずかしい行為を覗かれたんだからね。だったら、先生もセックスし
て貰おうか。それも、皆の前で」

 それには「それだけは許して。この通り、謝ります」典子の前で土下座した。
「そんな事で許して貰おうなんて甘いわよ。相手はこっちで決めるからね」
「セックスだけは許して。この通り謝ります…」額を床に付けて謝った。

 「そこまでされたら、セックスだけは考え直していいけど…」
「典子、ダメよ。これからもある事だし」
「わかっているわよ。だから、あれをやって貰うのよ」

 「あれか、面白そうね」
「そうよ、あれよ。しかも皆の前でね。写真も勿論撮るのよ」典子は笑顔になっている。
(あれって、何かしら。もしかして…)黙って聞いている未姫の不安が高まっていく。