「淫らな病院」
 
                                赤星直也:作

第16話 真犯人


 未姫が夜間診察室で、直子が呼びに来るのを待っていると「先生、暇そうね。こっち
もいいわよ!」直子が現れた。
「この事は、秘密にして下さい…」
「わかっています。とにかく、急いでくださいよ」仮眠室に連れ込むと、この前の男が
いる。

 (また、セックスするんだ…)顔を強ばらせながら、白衣を脱ぎだすが「先生。全部
でなくていいよ。後からしたいんだ。それに、なめて欲しい…」ズボンを引き下げて肉
竿を露わにした。

 「わかった。お口でするのね」男の正面に膝を付き、肉竿を掴んで口に入れ「ウグ、
ウグ!」と唇で擦り出す。
「気持ちいい。こんな、事ならもっとして欲しい…」未姫の頭を撫でだした。
(そんな事したって、これっきりよ。写真の出所さえわかればいいんだし…)なおも唇
を動かしていくと、カチカチになってしまった。

 「先生。もういいよ、始めよう!」
「待って。その前に、これを付けないと」直子はコンドームを肉竿に付けていく。
「姉さんにして貰えるなんて、信じられないや」
「今回限りよ。ほら、付いたわよ。先生、後からよ!」

 「わかってます…」未姫は、下半身を剥き出しにして、ベッドに両手を付いた。
「行くよ!」肉竿が淫裂を突きだすと「う、う~!」呻き声を上げながら、堪えている
が、膣の中が潤って、濡れていく。

 (もう痛くない。返って、気持ちいいくらい…)目を閉じて、淫裂を突かれていくと、
ピストンが速まった。
(気持ちいい…。病院でなかったら、声を出せるのに…)淫汁を流しながら、声を出す
まいと堪えていた。

 「姉さん、出すよ。出すからね!」動きが停まり、身震いが始まった。
(良かった。声を出さずに済んで…)未姫も絶頂寸前だったから、この方が良かった。
「先生、楽しかった。姉さん、これどうするの?」
「私が捨てる。でも、一杯溜まってるわね」
「仕方ないさ。あれ以来してないんだから」肉竿からコンドームを外すと直子に渡した。

 「そうだ。姉さんにも、やって貰いたいな」
「ダメよ。姉弟でやったら、獣と同じよ」
「口でならイイよね。汚れも取れるし…」

 「仕方ないわね。今回限りよ」直子は、弟の肉竿を口でなめだした。
(そんな、姉弟で…)未姫は眉間に皺を寄せたが(もう、長くないから直子さん、して
るんだ…)事情を思い出し、パンティを履き、元通りになっていく。
直子も一通りなめると「お終い!」口を離して「ありがとう、スッキリした」男は直子
と一緒に、入院病棟に戻り、未姫も診察室で待機した。

 それから暫く過ぎて「先生。先程は、ありがとうございました!」礼を言って直子が
入ってくる。
「直子さん。写真のことだけど、教えて欲しいの」
「ああ、あの写真ね。どうも、出所は、院長らしいのよ」

 「それじゃ、院長が撮ったの?」
「それはわからないわ。ただ、院長から出たのは確かなのよ。思い当たる事はない?」
「そう言えば、初めての夜勤の時、奥さんもいたわ…」

 「その時よ。真紀子さんもいたわよね。それで、何かされなかった?」
「飲み物を貰って、飲んだ、ら急に眠くなり…」
「間違いないわ。眠り薬を入れたのよ。その後、セックスしたのよ!」
「酷いわ。私を傷物にした上、写真に撮るなんて…」思い出したのか涙を流しだした。

 「先生。何も泣かなくていいわよ。先生だけじゃないんだから」
「私だけじゃないって、直子さんも?」
「そうよ、眠り薬を飲まされて、レイプされたわ。それも、院長だけじゃなくて、事務
長にもよ。しかも、真紀子さんも写真に撮ったの」

 「そんな酷い事されて、黙っているの?」
「黙るしかないわよ。夫に今さらいえないし…」直子も涙を流しだした。
「直子さん、私は悔しいの。何とかして謝らせないと、収まらないわ」

 「それはやめた方がいい。相手が悪すぎる。もっと酷い目に遭わされるから、大人し
くしていた方が身の為よ。現に騒いだ人がいたけど、追い込まれて自殺したの」
「そうなんだ…」

 「そうよ。ところで、何回やられたの?」
「夜勤の時と、診療所の2回です」
「2回なら我慢しないと。私なんか、薬を使われ、数え切れないくらい犯されたのよ」
「それで、平気なんだ!」
「仕方ないわ。騒いで首になったら生きていけないし。それに、夫の体面もあるしね」

 「でも、仕返ししたいわ…」
「そんな考え、持たない方がいいわ。それより、近々理事会の選挙があるからそっちに
期待した方がいいわよ」

 「選挙ですか?」
「そうなの。理事長が替われば、院長は交代になるし…」
「そうか、選挙か。その手があったのね」

 「そうよ、だから我慢しないと。それより、私も、ヌードダンス見たかったわ」
「そう言わないで。思い出しただけでも、恥ずかしくなっちゃう!」未姫の顔が赤く染
まっていく。
「あら、顔が赤くなって。全く初なんだから」
「直子さん、からかわないでよ!」2人の話し声が響いていた。

 それから数日が過ぎると、直子が言った理事会の選挙が話題になり、未姫のヌードダ
ンスは話題から消えた。
それをいいことに、理事会の選挙に関心を寄せた未姫は、理事達について調べ始めた。

 だが、それを不審に思う者がいる。
「あいつが何かをしそうだな。今動かれたら困るから、口封じした方がいいな」
「それだったら、いい方法がある。例の写真を使うのはどうだろう?」
「そのままでは無理だ。それより、いい方法があるぞ!」ヒソヒソと話が続けられた。

 それから数日後、未姫の元に、真紀子からの招待状が届いた。
個展は3日間行われるが、関係者には、事前に公開すると書かれてある。
「個展を開くって、私のヌードを…」顔から血の気が引いていく。

 「誰にも見せないって言うから、モデルをやったのに…」招待状を見つめ、涙が落ち
ていく。
それでも、気を取り直して「確かめた方がいいかも…」招待を受けることにして、返事
を送った。

 そして、個展の前日、未姫は個展会場へと向かった。
会場はそんなに広くなく、写真が50枚程度飾られており、どれもが未姫の全裸写真で、
乳房や無毛の股間が丸出しになっている。
それを見て(胸はいいとして、割れ目まで飾るなんて…)まともに、見る気はしないが
(性器は写ってないと思うけど…)割れ目の部分を確かめだした。

 未姫が順番に見ていくと「あら、来ていたんだ!」真紀子が声を掛けた。
「はい。気になりまして…」
「ああ、性器が心配なんだ。安心して、割れ目だけしか飾ってないから。それより、久
しぶりだし、楽しもう!」未姫の腕を掴んで、会場から事務所に連れ込み、服に手を掛
けた。

「待って。今はしたくないです…」
「そうは行かないの。久しぶりだし、また見せて貰わないと。それにまた撮りたいし」
強引に脱がそうとするが、未姫も脱がされまいと堪えている。

 それには「そう。脱がないなら、これを飾るけど…」それは、未姫の淫裂に肉竿が入
っている写真で、顔や結合部がハッキリと写っている。
「これを、どこで手に入れましたか。もしかして、レイプしたのは?」

 「あら、わかってしまったみたいね。そうよ、未姫さんをやったわよ。ほら、喪失の
瞬間よ」赤い血が流れる写真も見せる。
「酷いわ。どうしてこんな事をするのよ。そんなに私が憎いの?」

 「憎くはないわ。どうしても、あなたの喪失写真が欲しかったの」
「どうしてよ。どうして、こんな酷いことをしたのよ!」
「私の人形になって貰う為によ。これで、あなたは言うがままに、動くしかないの」
「そんな、人形だなんて…」

 「イヤなら、この写真がばらまかれるだけよ。そうしたら、あなたは大恥を掻くけど」
「でも、真紀子さんだって、刑務所送りよ」
「そうかしら、証拠はあるの。あなたが、間違いなくレイプされたって言う証拠が。あ
なたが承知の上で撮ったと言えば、それまでよ!」

 (その通りだわ。証拠がないから、下手に動けない…)未姫は黙り込んでしまった。
「やっとわかったようね。人形の分際で、私に楯突いたから、お仕置きしないと。どん
なお仕置きにしようかな?」不敵な笑いを浮かべ、未姫を見つめるが(お仕置きって、
まさか、ここでヌードにされるのでは…)顔が青ざめ、唇が震えている。

 「あら、意味がわかったようね。そうなの。ここで、未姫は素っ裸になってお客の相
手をするの」
「イヤ。もう、ヌードはイヤです…」
「イヤでもやるのよ。やらないなら、これを飾るからね!」
「それだけはやめて下さい。この通りです」正座して頭を下げた。

 「そんな事したって、許さないわよ。ほら、早く素っ裸になるのよ!」
(本気だわ。本気でやる気だ…)真紀子の顔を見ると、形相がいつもと違って強ばって
いる。
(やるしかない…。恥ずかしいけどヌードになるしかない…)黙ったまま立ち上がり、
服に手を掛けた。

 「やっと、わかったようね。急ぐのよ!」真紀子は急かすが、思ったように指が動か
ず、なかなかボタンが外れない。
「焦れったいわね。私がやる!」真紀子はみておれず、スカートを脱がせ、パンティも
引き下げると「あら。またパイパンにしたんだ…」無毛の淫裂が現れ、見つめている。

 「相変わらず綺麗ね。あれから、何回やったの?」指で撫でるが、黙ったままだ。
「返事はどうしたの?」真紀子の指が、敏感なクリトリスを掴んだ。
「ヒ~。4回です…」呻くように言う。
「あまり、やってないんだ。だから綺麗なんだ…」淫裂を撫でると、乳房も露わにして
いく。

 「これで素っ裸よ。もう、逃げられないからね」それには、未姫も項垂れたままだ。
「わかったようね。次はお仕置きね。来て!」
「来てって、まさか、あそこで…」
「そうよ。個展会場で撮るの。逆らったから、償って貰うの!」

 「それだけは、許して下さい。お願いします!」泣きながら頭を下げた。
「そんな事したってダメ。イヤだというなら、この写真も飾るだけよ」
「わかりました。行きます…」
「わかったら、もう泣かないの。ほら笑顔よ!」真紀子はそう言うが、全裸を大勢に晒
すのだから、無理な注文だ。

 「行くわよ!」未姫は腕を掴まれ、全裸のままで、個展会場に戻った。
当然「素っ裸だ!」「ヘアがない!」全裸の上、絨毛がなく剥き出しの淫裂に、驚きの
声が上がるが、真紀子は未姫にポーズを取らせる。

 「そうよ。足を引いて!」カメラを構えて未姫を撮っていくと、招待客がジッと見つ
めている。
(性器ばかり見ている…)股間が膨らみ、目線でわかった。
そんな未姫に「両手を上げて!」真希子は注文を付け、カメラに収めていった。

 未姫は人垣ができている中で、30分程全裸を晒してから事務室に戻ったが「う、う、
う!」と声を上げて泣き出した。
「泣いたってダメよ。これも、次の個展で使うからね」
「それは、やめて下さい。この通りです!」また土下座した。

 「そこまで言うなら、考え直してもいいわ。頼みを聞いてくれる条件で…」
「どんな、頼みですか?」
「男と、セックスして欲しいの」
「そんな~。セックスだなんて…」

 「4回もやったんでしょう。1回ぐらい平気でしょう」
「でも、知らない人とは、したくないです…」
「知ってるわよ。呼んでくるから待って!」真紀子は一旦出てから、男を連れてきたが
「朝倉が素っ裸に!」全裸の未姫に声を上げた。

 (どうして事務長がここにいるのよ…)未姫も男の顔を見るなり、乳房と股間を押さ
えてうずくまった。
「松岡さん、この通りよ。やりたくて疼いているの。だから、やってあげて!」
「真紀子さんからそう言われれば、やるしかないな!」松岡はニヤニヤしながら、ズボ
ンを脱ぎだした。

 (脱がなくていい。セックスなんて、したくない!)そう思っても「それじゃ、やっ
てあげますよ」下半身を剥き出しにすると、うずくまった未姫に抱きつき、四つん這い
にした。
(入れないで。もう、セックスなんかしたくない…)そう思っても、淫裂には燃えたぎ
った肉竿が入り込んでいく。

 「うっ!」呻き声を上げても、なおも入り込み、ピストンが始まった。
「動かさないで。痛いから、動かさないで!」
「直ぐに、気持ちよくなるよ」松岡は肛門にも指を入れて、ピストンを続ける。

 「お尻はイヤ…。せめて膣だけで…」
「あら、お尻も気持ちいいのよ」
「イヤです…。お尻は絶対イヤです…」首を振って拒むと「俺もオマンコでやった方が
いいな。ケツは汚れるからな」

 「残念ね。せっかくの機会だったのに。次はお尻でやるのよ」
(勝手なこと言わないで。そんなにお尻がいいなら、あなたがやりなさいよ!)叫びた
いのを堪えて淫裂を突かれていく。

 やがて、松岡が登りきり、暖かい液体を膣の中で感じた。
「イヤ、射精はイヤ~!」叫んでも、ドンドン増えていき、結合部から漏れていく。
「いやよ。妊娠しちゃう…」悲鳴に近い声を上げる未姫だ。