『闇色のセレナーデ』
    
                           とっきーさっきー:作

第24話 淫乱の証明


「ま、待ってお兄ちゃん。藤波さんは関係ないの。わたしが……千佳が唆したの。こ
んな生活が嫌で、お兄ちゃんを罠に嵌めようとして。佐伯さんもよ。この人もわたし
が誘って仲間にしたの。嫌がってたのに、無理やり……」

 責任を痛感した千佳が、和也の前に進み出ていた。
卓造が止める間もなく、硬質な床の上で土下座をしてみせると、声を振り絞って哀願
する。

 「ふ~ん、千佳お得意の色仕掛けでかい?」
「はい、そうです。わたしが、藤波さんと佐伯さんに……おっぱいを触らせてあげて
……その、アソコ……ううん、オマ○コも見せて誘惑したの」

 「だったらさ、再現して見せてよ。女の象徴を使ってどんな風に誘惑したのかさ。
ふふふっ」
「え! あぁ……はい、分かりました。お兄ちゃん……」

 けれども千佳の必死の願いは、この男に届かない。
淫語まで交えたデタラメな証言が、少女を恥辱の淵へと誘い込んでいく。

 「やめるんだ、千佳ちゃん」
「千佳さん、どうかお止めください」

 仲間だった男二人の声も、今の千佳には雑音でしかなかった。
伊達メガネだった細身なフレームの眼鏡を外した少女は、すくっと立ち上がるとブラ
ウスを脱いでいく。

 半ばまでしか残されていないフロントのボタンを全て外すと、はだけた襟元から覗
く乳房をそのままに、光沢のあるブラウスを肩から引き抜いた。

 「こうやって、おっぱいを見せてから、お乳のお肉を下から持ち上げるようにして…」
細くてしなやかな指が、未熟な乳房の肉を歪めていく。
和也が正面に陣取り、その左右から卓造と藤波が目を伏せて突っ立っている前で、千
佳が自らの手のひらで、バストを揉みしだいていく。

 「何がどうなって……分からん……」
ブツブツ呟きながら、忘れられていた緒方も這い寄ってきた。
唯一仲間の匂いがする和也の横に並び立つと、触れそうで触れなかった少女の膨らみ
に両目を吸い寄せていく。

 「どうぞ、副社長。遠慮なさらずに弄ってあげてください。アナタのお好きなよう
にね」
「で、では……そうさせてもらうよ」

 緒方のグローブのような手のひらが、千佳の胸に貼り付いていた。
和也から特等席を譲り受けた男は、華奢な彼女の腕を払い除け、荒々しく乳房を揉ん
だ。
お椀を伏せたような乳肉を抉り取るように、太くて長い指が鷲掴みにする。

 「うぐぅっ! 痛い! お願い……もっとやさしく……んんっ」
「ふふっ、痛いってなんのことかな? これはね、藤波と佐伯さんをたぶらかした再
現をしているんだよ。だったら泣き顔じゃなくて、笑顔をみせないと」

 「んはぁ、はぁ……はい……」
和也に指摘されて、千佳が笑った。
恨みを込めた緒方の指に乳房の肉を変形させながら、涙を溜めて頬の肉を緩めている。

 「どうだ? ワシの指使いは中々のもんだろう。ほら、遠慮せずに声をあげろ。こ
の淫売女が!」
「うぐ、くうぅっ! はい……緒方様の指、気持ちいいです。ひ、ひぎぃっ! 千佳
のおっぱい……感じています」

 千佳が心にもないセリフを言わされた。
柔らかくてデリケートな膨らみを、餅を捏ねるように嬲られながら、溜めていた涙を
決壊させる。
痛みと屈辱の味がする光るモノが、無理に歪んだ頬肉に添って流れ落ちていく。

 「副社長、おっぱいの方はお任せします。千切れない程度に弄んでやってください。
それと次は下半身ですが……? そうですね、当事者の藤波に再現してもらいましょ
う。千佳のスカートを脱がせてもらえますか?」

 和也は淡々とした口調でそう言うと、伸ばした指先を藤波に向けた。
自分の妹である千佳が、目の前で獣のような男に弄ばれても一向に動じる気配はない。

 「わ、私が?! そんなこと出来るわけが……」
「何をしているんです? ここで誠意を見せられれば、妹さんも苦しまなくて済みま
すよ。それとも僕に、可愛い妹さんの葬儀に参列しろとでも?」

 「ふぅ、藤波さん……千佳のことは、はうぅっ! 気にしなくていいから……は、
早くぅ、スカートを!」
悪魔に魂を売った緒方や和也と違い、藤波は真っ当な人の心を保持していた。

 その男の純粋なソレを、兄の和也が嘲るように脅迫する。
妹の千佳がその身を差し出して、心ならずも兄の言葉に同調してみせる。
「藤波さん、俺からも頼む。千佳ちゃんのスカートを」

 そして、卓造が血を吐く思いで藤波の背中を押した。
風前の灯でしかない妹の命のために。
「あぁ……済まない……許してください……」

 千佳の腰にしがみ付いた藤波が、うわ言のように謝罪の言葉を繰り返す。
震える指先が、スカートのウエストを緩めて下に引いた。
肌にフィットしたタイトスカートが、ゆっくりと慎重に足首を目指して脱がされてい
く。

 「ほら、藤波。顔を上げてちゃんと見てやりなよ。千佳のオマ○コをね。クククッ…」
「くぅ、見てぇ……藤波さん、千佳のオマ○コを……んんっ、ご覧ください」
床を睨みつけたままの藤波を、和也が哀れむような声で誘った。

 千佳が喉奥から甘い声を絞り出すと、自ら股を開いていく。
どんなに汚されても清らかなスリットを、そっと晒した。

「あ、はあぁ……きれいだ……千佳さんのアソコ、とってもきれいだ」
ヒザ立ちになった藤波が、千佳の性器を拝むように眺めている。
盛り上がった恥丘の下に拡がる、閉じ合わさった花弁を瞬きも忘れて覗きあげている。

 「藤波、千佳のオマンコはそんなに綺麗かい? だったらさ、今度は中も見てみる
といい。キミの指でね」
「指で、この中を……?」
茫然自失な藤波の目が上を向く。

 手のひらどうしを組み合わせて、人差し指だけを突き立てている和也をじっと見つ
めた。
そして操られるように、藤波の両手も胸の前で組み合わされていく。

 (こいつ、何をさせる気だ?)
和也の言動に嫌なモノを感じて、卓造の眉間にシワが寄る。
まるで忍術を使う忍者のようなポーズを取る藤波。
さっさと忍術ポーズを放棄し、腕を組み含み笑いをする和也。

 一体、何が行われようというのか?
その淫靡な回答は、無防備なまま責められる千佳の目前にまで迫っていた。

                
       
 この作品は「羞恥の風」とっきーさっきー様から投稿していただきました。