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『エスパーは君だ!』
とっきーさっきー:作
第3話 先輩、私……ノーパンなんです
放課後の生徒会室。
今日は月に一度の定例会議ということで、僕たち4人の他に各クラスの代表委員が2
0人ほど集まっている。
会議用の書類が置かれた長机の席につく代表委員たち。
対して、議事進行の役目を担っている僕たちもまた、向かい合う長机の席についてい
る。
「え~っ、校庭の花壇整備についてですが……」
朝原が淡々と議案を読み上げていく。
僕は、書記として書き留めていたノートから顔を上げると、隣に並んで座る美少女に
視線を向けた。
会長側から磯山あやめと高山奈菜。
ふたりとも俯き加減で資料に目を通しているけど、身体を強張らせたまま目は虚ろ。
登校時に着用した超ミニのスカートだから、ひざ小僧をぎゅーって閉じ合わせている。
まあ、仕方ないよね。
この机。ただの会議用の机だから、ちょっとでも足を開くと、対面に並んでいる生徒
たちに覗か れちゃうもんね。
無防備なスカートの中を……
特にあやめは、奈菜以上に辛いよね。
何かに耐えるように、机の上に乗せた両手でグーの拳を作っているのも……
さっきからポタポタと、玉のような汗を資料の上に落としているのも……
そう。あやめはパンティを穿いていないのだから。
つまり、超ミニスカートの中はノーパンってわけ。
僕は、あやめの心臓の鼓動を盗み聞きした。
ドクドクドクドクッって、まるで激しい運動でもした後のように高鳴りしている。
ふふっ、それじゃあやめ。今から奈菜に負けた罰ゲームといこうかな。
でもその前に、君が肩を落としているときに、僕がささやいた言葉をちゃ~んと覚え
ているかい?
(残念だったね。あやめ。でもまだ負けたわけではないよ。奈菜を逆転する方法だ
って、ちゃーんとあるから。それは、もっと恥ずかしい姿になること。……そうだね
ぇ。スカートの下にパンティを着けないってのはどうかな? きっと、恥ずかしい姿が
好きな朝原君なら悦ぶと思うけどね)
まるでリピートするように、あやめの精神に念波を送る。
「ああぁっ……んんんっ……」
それだけで彼女の細い肩が震えた。ちっちゃな声で悲鳴も漏らしてる。
ふふふっ。そうだよ、あやめ。
君は今、パンティを穿いていない恥ずかしいノーパンなんだよ。
生徒会の大事なお仕事、定例会議中なのにね。
ビリビリビリビリ……!
続けて念波を送る。
(とは言っても、いきなり朝原君の前でスカートを捲るのは抵抗あるだろ? だからぁ、
ちょっと練習しようよ。席に座ったままでね。さあ、あやめ。目の前に座っている代
表委員に向かって、足を開いてごらん。太ももの付け根まで拡げて、君の大切な処を
見てもらおうよ。ね、勇気を出して)
(イヤぁ、そんな恥ずかしいこと……できないよ……)
僕の指令に、ショートカットの頭が左右に揺れる。
それに合わせて、あやめの心の声も聞いてみる。
(いいの、それで? 大好きな朝原君を奈菜が独り占めしちゃうよ。誠君と奈菜ち
ゃんが手を握り合っているのを、あやめちゃんは許せるの?)
(いやぁっ、そんなの絶対に嫌だよっ)
(だったら、やるしかないでしょ。さあ、ひざの力を抜いて)
「んんくぅぅッッ……」
噛み締めた唇から苦悶の声が漏れる。
握り締めた拳がブルブル震えて、肌から血色が失われていく。
(み、見ないでぇっ! 誰も私のしていることに気付かないでぇっ! ああ、でもで
も、足が開いちゃってる。あやめの恥ずかしい処に空気がぁっ?! ひゃあんっ、冷
たいっ)
今度は背中までブルッて震わせた。
この部屋は、エアコンが効きすぎているから、ノーパンだとおしっこがしたくなった
りして。
でも、隣に座っている奈菜は気が付いていない。
自分の恥ずかしい姿に頭がいっぱいで……
ましてや、鈍感な朝原なんかもっと気が付いていない。
さっきから同じ調子で原稿を読み続けている。
ザワザワ……ザワザワザワ……
でも、間違いなく空気が変わったね。学園で1・2を争う美少女が、超ミニスカー
トの上に両足を開くサービスまでしてくれたんだから。
おまけに、見えるはずの白いモノだって存在していないし。
「お、おい。見たか?」
「うん。磯山さん、あんな短いスカートなのに股を開いちゃって……!」
「だけじゃないだろ? 中だよ中っ! あれって……ノーパンなのかな?」
「やだぁ~。ウソでしょあの子。下着も着けずになんて格好しているのよ」
(やっぱり、見られてる! あやめのアソコ、みんなに覗かれちゃってるぅっ! ど
うしよう? 私もう……)
汗に湿った資料の上に、ぽたりと涙が落ちる。
みんなの視線から逃れようと、あやめは真っ赤に染めた顔を俯かせている。
でもこの子って、意外に根性があるよね。
未だに僕の指令に従って、股を開いたまんまみたいだし。死ぬほど恥ずかしいのにね。
ふふふっ。だったら、いよいよ本番といきますか。
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