『性教育』
 
                    Shyrock:作

第9話(最終話)

 肛門についての説明が終わると、指し棒は再び膣へと戻った。
小陰唇を親指と人差し指で拡張させ指し棒を宛がう。
未来は指し棒が挿し込まれるのではないかと気が気ではない。

 「一番大事なことを説明しておこう。知っている者も多いと思うが、この奥に子宮
がある。つまり胎児が育つ場所だ。長さは8cm~9cm、厚さ1~3cmの筋肉で
できた袋状の臓器で、通常は小さい握りこぶしぐらいの大きさと考えたらよい。一番
内側の壁は子宮内膜と呼ばれ、経血はこの内膜が厚くなり剥がれ落ちたものだ。それ
から・・・」

 石崎は説明をするたびに指し棒で微妙な部分を突っ突きまわす。
未来は頬を赤らめ時折荒い息を漏らしている。

 「この辺りに処女膜がある。ん?愛川の場合はすでに失われているようだが・・・」
石崎は憎々しそうにわざと大声で説明をした。

 「へえ?愛川はもう処女じゃないんっすか!?」
「開通したのは誰だ~~~!がっはっはっはっはっは~!」
「そんなこと関係ありません!先生!プライベートなことは詮索しないであげてくだ
さい!」

 そのとき、石崎と播磨の会話に堪りかねたのか、1人の女子生徒が眉を吊り上げて
抗議した。
それでもかわし上手な石崎は一向に動じず、引き続き処女膜について説明を始めた。

 「おおっと、すまんすまん。ちょっと脱線したかな。よし話を戻そう。処女膜とい
うのは膣の内壁の粘液性ヒダのことで名前は膜がつくけど決して膜じゃないんだ。そ
のヒダの隆起には個人差があって、真ん中の穴が大きく、初体験時に全く出血や痛み
の無い人もいれば、反対に穴が小さかったり、最悪の場合塞がっている人などもいる
んだ。なのではじめてなのに出血しなかったり、かなり痛かったり、開通しにくかっ
たりと、人によって色々あるんだ。

 また、よく『処女膜が破れた』などと言うが、最初から穴が開いているものなので、
破れたという言葉は適切ではないんだ。処女膜も伸縮性のあるヒダだから、初めての
性交の時は、十分に潤った状態、ゆっくりとした挿入を心がければ出血する事もない
んだ。

 男性の中には処女=出血という意識がある人も多く、それを喜ぶ人もいるようだが、
出血は本来喜ぶべきことではなく、男性として『恥じる』事だと考えておくように。
そして潤ってない状態で、強引に挿入しようとすれば、処女膜だけではなく『会陰』
まで裂けてしまうことがあるので、より出血もひどくなり、場合によっては、女性は
性交そのものに恐怖と感じてしまうケースもあるのだ。こういった点も踏まえて、男
性は焦らずゆっくりと行動しなければいけない」

 「へえ~なるほど~。勉強になるなあ~」
「あたし初めての時ひどく出血したけど、その時の彼がへたくそだったってことか~」
「わはははははは~~~!そんなことここで告白していいのか~?」
「では今日はこれにて授業は終了とする。愛川、ご苦労だったな」
「はい・・・」

 やっと終わった。
未来は大きく息つき、開脚していた足を閉じ合わせ下着を身に着けた
授業は90分だったが、未来にとってはもっと長い時間に思えた。

 「愛川、ちょっと保健室へ寄りなさい」
「はぁ・・・?」
「先程ちょっと腹部にしこりが感じられたので」
「え!?本当ですか」
「今日たまたま保健室の先生も出勤されているので、診てもらった方がいいと思うの
で」
「はい・・・分かりました」

 腹部にしこりがあると言うのは真実なのか。
未来は不安に駆られながらも、石崎の後を追って医務室へ向かっていった。

 夏休みの特別授業を終えた生徒たちは、石崎と未来を気に掛ける様子もなく、潮が
引くように早々と消えていった。
ところがひとりだけ未来のことが気掛かりで、石崎たちの後を追いかける生徒の姿が
あった。

 それは未来の親友理美であった。
さらにその後方で、理美を尾行する黒い人影があった。


                  

   この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました