「ありさ ミラホスタの夢(改)」 Shyrock:作 第8話 懐かしのソルトアイス 「楽しかったね」 「うん、すごくよかった~☆★☆シャイさん、初めは嫌がってたのに、全然いけるじゃない☆★☆」 「うん、不思議なことに、いつの間にか治ってたみたい」 「今までシャイさんと遊園地デートした子たち可哀想だね~★☆★」 「そんなに沢山遊園地デートはしてないよ~」 「そうなの?でもあまり突っ込むとシャイさん困るからやめとうこうかな?☆★☆」 「叩くと埃が出るってか?ははは、埃だらけの男だからね」 「じゃあ今夜いっぱいぶってあげるよ~☆★☆」 「こわ!本当はありさちゃんってドSじゃない?」 「かも知れないよ~☆★☆ビシ、バシッ!☆★☆」 「イテテテテ~~~!」 「うぉ~!シャイさん、演技派~!☆★☆ねえねえ、次はどこへ行くの?☆★☆」 「うん、次はね『マジックランプシアター』。ファストパスの時間が迫ってるよ」 「わ~い、次も楽しみ~☆★☆」 ありさ達が次に目指したのは、魔法と神秘の国『アラビアンコースト』だった。 『アラビアンナイト』の物語を再現したような街並みは、まるでおとぎの世界に飛び込んだような錯覚に陥る。 少女に戻ったかのようにはしゃぐありさ。 シャイはそんなありさの屈託のない笑顔を見て癒される思いがした。 二人はファストパスのおかげで大した待ち時間もなく『マジックランプシアター』に入場することができた。 マジシャンシャバーンに閉じ込められた魔人ジーニーを助けるため、彼のアシスタントのアシームが奮闘するお話。 3Dと現実の融合にありさとシャイは大いに気勢が上がった。 「メガネをかけるとすごい迫力~☆★☆」 「本当に迫ってくるみたいで臨場感抜群!」 「今夜アレの最中に3Dメガネかけてみようか?☆★☆」 「プッ!元々立体のものを見るのに3Dメガネかけてどうするの~」 「あ、そうか。あははははは~☆★☆でもどうして平面のものがメガネをかけるだけで立体に見えるの?☆★☆」 「それはね、左目と右目で別々の映像を見せることで、脳みそが錯覚して、立体的に見える状態を造り上げているんだよ」 「へ~そうなんだ☆★☆」 「つまり、両方の目に別々の映像を見せることができたら、メガネなんていらないんだけどね」 「左目と右目で別々の映像を用意できたら、立体的に見せることができるってこと?☆★☆」 「そうそう、ありさちゃん、本当は賢いじゃん」 「もしかしておバカだと思ってた?☆★☆」 「いや、そんなことはないけど」 「こらぁ~~~!☆★☆」 「ひぃ~~~!」 上映時間の九分三十秒はあっという間に過ぎ去った。 拍手喝采とともにショーは幕を閉じ、多くの観客は出口へと向かった。 「面白かった~☆★☆」 「楽しい時間って過ぎるのが早いね」 「うん、シャイさんといっしょにいると時間がすぐに過ぎちゃう★☆★」 「かわいいこと言って~」 「えへ☆★☆あ、そうだ!シャイさん、次のファストパスまで時間あるよね?☆★☆」 「うん、三十分ほどあるよ」 「ありさね、すごく乗りたい物があるの☆★☆」 「ありさちゃんが乗りたいモノと言えば!」 「もう~そっちじゃないよ~、シャイさん、すぐに話をそっちに持って行くんだから~☆★☆」 「まだ何も言ってないんだけど~」 「あはは、そんな言い方したらエッチ話と思っちゃうじゃない☆★☆ありさが今乗りたい物はねえ『ジャンピン・ジェリー・フィッシュ』なの☆★☆ここから直ぐだよ☆★☆」 次に二人が向かったのは『ジャンピン・ジェリー・フィッシュ』と言う二人乗りの乗り物だった。 『ジャンピン・ジェリー・フィッシュ』は人魚たちが住む海の世界マーメイドラグーンのアトラクションの一つで、貝殻の形をした乗り物に乗って色とりどりのクラゲたちと海底を遊覧してファンタジックな光景が愉しめる。 貝殻の乗り物はゆらゆらと揺れながら上昇していく。 「クラゲかわいい~☆★☆」 「隣の乗り物とすごく近いね」 「キスしたらばれちゃうね、あはは~☆★☆」 「さすがにここでは無理だよ」 「スピード感のあるジェットコースターもいいけど、こんなまったり感もいいね~☆★☆」 「まったりした乗り物の代表格ってメリーゴーランドだろうけど、ジェリーフィッシュもなかなかいけるね~」 「あぁ…ありさ、早くシャイさんとまったり揺れたい……☆★☆」 「ありさちゃん……かなり溜まってるなあ」 「そりゃ三カ月も逢わないと溜まりもするよ~☆★☆」 「ごめんね。たまにしか会えなくて」 「いいよ。その分この三日間でシャイさんがガリガリに痩せ細るくらいがんばってもらうもん☆★☆」 「ゾ~~~……」 「おいおい、だいじょうぶ?」 「だいじょうぶじゃない。寒気がしてきた」 「もう!☆★☆」 「押すなって!乗り物から落ちたらどうするんだよ~」 「あら?しゃべってるうちにもう終わっちゃったよ☆★☆」 「このアトラクションは短いね」 貝殻の乗り物から降りると、アイスワゴンがありさの目に止まった。 「アイスクリーム食べたいな~☆★☆ここのソルトアイス美味しいんだよ。バニラの甘さにちょっぴり塩味が効いて☆★☆」 「うん、いいんだけど、五時回ったのでちょっとやばいかも」 「そうだね、夕飯もうすぐだね☆★☆夕飯はどこで食べるの?☆★☆」 「ホテルで食べようと思ってるんだけど、時間を少し遅らせたらだいじょうぶだよ」 「じゃあ、半分こしようか?☆★☆」 「うん、いいよ」 ありさたちはアイスワゴンでソルトアイスクリームを探したが見つからない。 聞いてみると、残念ながら2013年に販売を終了らしい。 代わりに登場したのがアイスとストロベリーソースをモナカに挟んだシーソルト・アイスモナカだと言う。 「ソルトアイス結構美味しかったのになあ……★☆★」 「でもこれも美味しいよ」 「う~ん、でも容器が貝になっていて、食べた後おみやげに持って帰れたんだよ~☆★☆」 「僕も一度食べたかったなあ」 ありさとシャイがベンチで語り合っているうちに、いつの間にか陽が西に傾き始め園内にあかりが灯っていた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました |