『NOA 鍵』
 
                    Shyrock:作

第3話

 女はオレを拒むことはなく、むしろ強く吸い返してきた。
女の口唇から伝わってくる熱気がオレの脳髄を痺れさせていく。

 (チュッ……)
(チュチュッ……)

 舌を挿し込んでみた。
ねっとりとした感触がオレにまといつく。

 女は舌をうごめかしながら、オレの舌に応えようとしている。
軟体動物のようなものがオレの口内に入って来た。
かなり積極的な女のようだ。

 セックスに関してはいつも受身が多い妻とはかなり違う。
オレは女と口唇を重ねたまま、もう一度ネグリジェの中へ手を滑らせ腹部をまさぐった。

 しばらく臍の周辺を撫でたのち、指はさらに下方へ向かいパンティの中へと滑り込んでいった。
繁みが指に触れた時、女は微かな声を漏らした。

 「だめぇ……」

すでに女の蜜壷はぐっしょりと濡れていた。
オレは少し強引に指をこじ入れかき回してみた。
女は即座に反応した。

 「あっ……あっ……あああ~っ……」

 それにしても一体これはどう言うことだ。
オレが抱いているこの女は誰なんだ。
そして妻はどこに消えてしまったのだ。
オレは不安に駆られながらも、愛撫する指を止めることはなかった。

 「ああっ、そこいい、そこいい、あぁん、もっと~もっと~」

 女は蜜壷をかき回されて、もうとろとろになってしまっている。
それにしてもこの見知らぬ女はオレのことを野亜と分かっているのだろうか。

 女は布団の中に潜り込み、オレのものにしゃぶりついて来た。
正直言って今オレのモノはそんなに硬くなっていない。
不安と戸惑いは男の集中力を削いでしまうのだ。

 しかしそれは女がオレのものを咥える直前までのことだった。
女は丹念に唇と舌を駆使した。
しゃぶるときのピチャピチャと言う音がとても卑猥だ。

 「うっ……」

 オレのものはたちまち怒張してしまった。
女はかすれた声で囁いた。

 「入れて……」

 オレは黙って肯いた。
暗闇の中だから女はオレの仕草におそらく気づいていないだろう。
オレは女と身体を重ねた。

 女はいつのまにかパンティを自ら取り去っていた。
(この女は完全にその気になっている……)

 わずかな良心の呵責。
かすかな躊躇い。
そんなものは燃え上がる激しい欲情を消し去るには、何の役目も果たさなかった。

 オレのいきり立ったものが女を貫くのに多くの時間を要しなかった。
(グニュ……)
「あっ……」
「うっ……」

 (ズズズン、ズズズン、ズズズズズン……)
「あああああ~~~……ああっ、すごいっ……あ……あぁぁぁ……大きい……あああああ~~~……」


                

   この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました