『官能の国~Shy Land』あやの巻
 
                    Shyrock:作

第5話

 メリーゴーランドから少し離れてから、国田はあやに尋ねた。

 「メリーゴーランドにバイブがくっついているものって、たぶんラブホとか探した
らあるとは思うんだけど、今回の場合は、それだけじゃなくて、外から観客に顔を見
られることによって羞恥心を煽ることが目的だったんじゃないかなあ」

 「そうですね。確かにそうかも。知らない人にアノ時の表情を見られるってすごく
恥ずかしかったわぁ。途中に壁があるんだけど、気持ち的には、壁がないのといっし
ょで・・・。人によって差はあるでしょうけど、女性にはどこか露出願望があって、
それが満たされたような・・・そんな感じがしましたわ」

 「露出願望ね。ふうむ。『見られると恥ずかしい、でも見せたい』という気持ちだ
よね。男にはなかなか理解できないかもねえ」
「そうかしら。よく公園などでキスとかペッティングとかしているカップルがいるけ
ど、あれも露出願望の一種じゃないかしら」

 「それはちょっと違うんじゃない?」
「でも草むらに覗きがいるかも知れないわけで、それを承知でエッチなことをするん
だから」
「いや、見られても仕方がないとは思うけど、決して見られたいと言う願望はないよ」
「そうなんだ。男性によっても色々な人がいますからね」

 「ところで、次はどこに行きたいの?」
「ホ・テ・ル・・・」
「え・・・!?まだ1つしか廻ってないのに、もう行くの?」
「だって、私、したくなっちゃったんですもの」

 「メリーゴーランドがあやの身体に火をつけちゃったって訳か。ははは~」
「ディルドとかバイブもいいけど、やっぱりねえ・・・」
「やっぱり何なの?」
「もう意地悪なんですね。あは、その先も言わせるのですか?」
「うん、聞きたいね」

 あやは小声でつぶやいた。

「やっぱり、あなたのが欲しい・・・」
「でもさっきイッたんじゃないの?」
「イクことはイッたけど、それとは違うんですよ。やっぱりナマの男がいい」
「はははははは~~~」
「もう、笑わないでくださいよ~」

 「だってそんな生々しいことを言うんだもの」
「ディルドやバイブがいくら精巧にできていても所詮は玩具。やっぱり男のモノとは
違いますわ。あの微妙な弾力性とか、人肌の温もりとか・・・」
「そりゃそうだろうな~。でないと男がいらなくなってしまう」
「そんなことはないでしょうけど」

「あ、そうそう」
「何ですか?」
「そういえば園内にディルドショップがあったので、ホテルに行く前にちょっと寄っ
て見ない?街の大人のおもちゃ屋さんや通販では買えない商品がいっぱいあるとか聞
いたよ」
「面白そうですね、行きたいわ」

 あやと国田は比較的出入り口に近いところにあるディルドショップへと向かった。
照りつける陽射しは厳しかったが、時折吹く爽やかな潮風が灼熱の夏における一服の
清涼に感じられた。

(完)

 
                  

   この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました