『官能の国~Shy Land』ありさの巻
 
                    Shyrock:作

第5話

 ありさは秘所にティッシュを宛がったまま、まどろみの中にいた。
心地よい疲労が身体中に満ちていた。まるでセックスをした後のような気分。
起き上がろうとしたが、身体が痺れてしまって、すぐに起き上がれなかった。

 その時、ありさ催促するかのような、お決まりのアナウンスが流れてきた。

 「本日はご来場ありがとうございました。出口は後方扉が開きますので、そちらか
ら退出してください。またのご来場をお待ちしております」
「もう~、気ぜわしいわねえ~。もうちょっとゆっくりさせてよ~」

 ありさはわざと聞こえよがしに言った。
だが反応はない。
いつまでも休んでいるわけにも行かず、ありさはもぞもぞと着替え始めた。

 立ち上がった。
腰がジンジンしている。
ありさはゆっくりと出口へと出て行った。

 出口の外では、すでにアリスが清ました顔で待っていた。
「どうだった?ありさ。恐がってたけど、結構面白かったでしょう?」
「なははは」
「不気味な笑いして。どうだったの?」

 ありさは声を潜めて、アリスの耳元でつぶやいた。
「吹いちゃったぁ・・・」
「吹いちゃったって、何が?」
「もう鈍いにゃ。んん・・・潮がぁ・・・」
「きゃっ!ありさ、潮吹きだったの?」
「もう!大きな声で言わないでよ~。恥ずかしいじゃん」

 ありさはそれとなく男性の係員に目を走らせた。
ありさ達の様子をうかがっていた係員は、ばつが悪かったからか、すぐに目を逸らし
た。

 「ねえ、ありさ~。『触手3D体験館』の横にショップがあるので行ってみない?」
「え~~~~~?『触手3D体験館』のグッズ??ってことは、触手の模型とか?」
「なんでも触手型クッキーとか、触手型バイブなんかが売ってるらしいわ」
「ありさ、そんなのいらにゃい~(><)」

 「じゃあ、私ちょっと寄ってくるので、ありさ、ここで待っててくれる?」
「やだよ~。ありさも行く~」
「あはははは~、でも無理して買わなくていいよ」
「うん、見るだけ」


「さあ、次、どこに行く~?」
「ありさねえ、ここのオーナーのShyさんに会ってみたい~」
「え~~~!?そんなの無理だよ。でも、ありさ、会ってどうするつもり?」
「えへへへへ・・・」
「変なこと企んでいるんじゃないでしょうね(--;)」
「サインもらうだけだも~ん」

 「へ~?疑わしいなあ・・・。それより、次はどの館に行くの?」
「シャイランドのオリジナルパフェが食べたい!」
「オリジナルパフェって、この前ちょっと話題になった例のペニス型の容器に入った
パフェのこと?」
「うん、そう^^」
「あははは・・・うん、行こうか?」
「わ~~~い!!」

 「どこまでエッチな子なんだろう(_ _:)」
「人のこと言えるの?」
「言えない」
「じゃあ行こう~!」
「うん、行こう~!」

 ありさとアリスは話題の官能パフェ(女性用)を食べるために、バラエティエリア
へと向かうことにした。
ありさのバッグの中では、先程買った『触手型バイブ』が歩くたびにカタコトと音を
立てていた。

(完)

 
                

   この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました